「・・・みさん」
まだ開店して一時間も経っていなかったろう。
それは幻聴ではなかった。
「・・・うみさん」
ホールの慌しい喧騒の中、誰かが僕を呼ぶ声がした。
今にも消え入りそうな、だけど意思のある強い声だった。
僕は振り向かずにはいられない。
「やあ、やっと気付いてくれたね」
どうやら声の主は「回胴黙示録 カイジ」である。
どうして台から声が聞こえるのか、
そんな疑問はこれっぽっちも浮かばない。
僕にはこれと似たような事が度々起こるから。
そして僕は聞く
「なんだい?」
もちろん声に出すわけじゃない、
心の声と言えばわかるだろうか?
僕の問いに台は答える
「なぁ、言わなくてもわかるだろ?
できれば僕の口から言わせないでほしい。
後で店長がうるさいんだよ」
そう、僕にはわかっていた。
呼ばれる前から気になっていたし
なにより僕にはこれと似たような事が度々起こるのだから。
「移った方がいいのかな?」
自分の中の人に聞いてみる。
正直、今座ってる巨人の星3にも自信がある。
機械割を考えれば当然巨人に軍配が上がるだろう。
「キミはどう思う?」
巨人にも問いかけてみる。
「・・・」
だが巨人は何も語らない。
そうしてるうちに自分の中の人がこう言う。
「好きにしなよ。
決めるのはいつだって君だ、僕じゃない。」
その言葉を聞いて僕は決意する。
まだ5kしか入れてない巨人を後にした。
「・・・・」
巨人は何も語らない。
そういう台もあるのだ、きっと。
「やあ、待ってたよ」
カイジは僕が来るのを確信していたような口調だった。
そしてやはり僕のためにREGを用意してくれていた。
僕はそれをさも当然と言わんばかりに黙々と消化する。
当然・・・そう、僕にはわかっていた。
たまにあるのだ、直感とも何とも言えない感覚。
ソイツは滅多に現れない、だが決して外れる事はない。
予想通り、いや・・ 直感通り、か。
カイジが設定⑥と確信するまでそう時間は掛からなかった。
確認作業というのは案外簡単なものである。
だがまぁ少なからず誤算もあった。
中ハマリREG単発地獄、まさかのRT300超え。
昼前に投資が40kを超えたときは流石に胃がキリキリした。
いやはや、噂にたがわず恐ろしい台である。
「安定性が売りなんだ」
僕の気持ちを知ってか知らずか、ポツリと台が呟いた。
「良くも悪くも・・・ね。」
ここからはひたすらマイナス域を彷徨う展開。
だが、夕方に訪れた一撃で大勢は決した。
そして気付けば5000枚弱のコインが床に積まれていた。
「どうだった?」
別れの間際、僕にそう問いかけるカイジの中の人。
「うん、悪くなかった」
胃が痛んだけど悪くなかった。
でももう打たないだろう、だがそれは言わない。
「そりゃよかった」
カイジはにっこり微笑んでくれた。そして一言
「あの巨人も⑥なんだよね」
振り向くと巨人はニヤリと微笑んでいた。
巨人は何も語らない。
本日 +55.0k
コメント
ガンガン巨人の6打ち損ねてますねΨ(`∀´)Ψ
はじめまして! 最近見つけて、今までの日記も全部読ませていただきました~ 一人で読みながら笑ってしまいましたよw
この調子で頑張ってくださいね!
やはりカイジ・・・
人生、挙動、性格、名前・・・
全てが酷似しているため、呼ばれたのはやはり
「必然」なのだろうか?
はじめまして! 最近見つけて、全部読みました。
村上の事務所に通報しましたので
訴えられても
盗作じゃない!オマージュだ!
と開き直ってくださいね。
この調子で乙散乙!
はじめまして! 最近見つけて、今までの日記も全部読ませていただきました~ 一人で読みながら心配しまいましたよw
そろそろ薬から手を引いた方が良いと思います。野茂さんみたいになっちゃうぞ~
で、オチは巨人も6だったというのでおげ?
どこを縦読みすればいいのか、とりあえず
チンコ握り締めながら考えてみます…
Gさん
これで三週読みが当たったのに逃してしまった・・・
いやはやまこっとに情けないでござる
しゅぴさん
どうも始めまして^^
最近はオッサンとかキモイとか
煽りや荒らしのコメントがひどかったので嬉しいですお!
・・久々に励まされました(・∀・) サンクス!!
さかな
なぁ、フト思ったんだがお前の名前も一文字違いだよな。
二人合わせてカイジ _| ̄|○
あんどうさん
ちょwww 待ったwww
本当に意識したつもりはないんですよ(;^ω^)
個性が足りないって事ですな、
本気で反省します(´・ω・`)
( ゚∀゚) v―~さん
野茂さんはおっかないから
発言に注意した方がいいお(;^ω^)
まっぱさん
おげww
⊃オナホー○