11歳。これから多感な時期に入る娘のために2LDKという限られた間取りから一部屋を与えたというのにだ。それとも薄らと我ら夫婦の情事の気配を感じ取り、その予防にでも努めているのだろうか?
いつまで経っても娘が自分の部屋で寝ない。
ウン十万と出して買ったベッドは今やただの物置台と化し、和室には三枚の布団が置かれている。こうして一緒に寝てくれるのも今のうちだけかと思うと大きに「この一瞬」を堪能したい気持ちにもなるが、そんな加齢臭漂う父の気持ちを知ってか知らずか娘は寝る前、毎夜僕にこう言うのだ。
「ねーうみ、何か面白い話して~」
こうして突きつけられた無茶?振り。
「面白い話?う~ん…」
「う~ん…」
「んん…」
果たして皆さんはこう言われてパッと鉄板ネタというものが出てくるのだろうか(´・ω・`)?
いや、僕も初めはまあ何だかんだでいろいろ出てきた。サウナで知らないおっさんに唇を奪われそうになった話やら、旅先で出会った見知らぬオッサンと飲んでトンネル掘りをしきりに薦められた事。海辺でのエロ本を巡る冒険。それから魚君と一緒のベッドで寝ていた時に(卑猥だなw)、その狭さが原因でベッドからはみ出た足に虫が這ってると勘違いをして、それを振りほどくために焦って伸ばした足を机にぶつけて骨折したりとか…
「ねーうみ、面白い話して~」
が、こうして考えてみると他人が聞いて面白い・笑わせられる鉄板ネタってのは片手で数える程も無い。自分の思い出はあくまで自分が関わっているからこそ面白いものだ。
「ねーうみ、面白い話して~」
そしてこのセリフをもう300回ぐらい聞いたろうかw?
「ねーうみ、面白い話して~」
さすがにネタ切れにもなるが、際限なく続くリクエストが僕の人生の薄さを責めているようで時折哀しくなる。
或いは娘はこの会話を通して僕の過去を知りたがっているのかもしれない。しかし僕の過去は朝鮮玉入れに塗れてしまっているので人に話したところで面白くも何ともない。まあ強いて言うなら攻略法を教えてもらったのに下手糞過ぎて盛大なマイナスを叩いたり、パチ屋の駐車場でたまたま擦った車にチンピラが乗っていて、わらわらと仲間を呼ばれて囲まれたりとか、軍団の打ち子にアドバイスしたつもりがガン切れさせて人生最高の盛大な台パンを見せられたりとか…聞く人が聞けば面白そうな、そんな話ならあるが。
先日、その「ブチ切れさせた軍団員」を見かけた。まあ地元が一緒なのでこちらにいれば会うこともあるんだろうが、それにしても未だホールで見かけるとは…無論その言葉はそっくりそのままこちらに返ってくるものでもあるがw
彼は僕に気づいたのかどうかは分からない。開店待ちの列でベテランのような振る舞いで知り合いとしゃべっていた。驚いたことに会話の内容が当時彼を使っていた「軍団長」の悪口である。軍団長は未だ現役というのは風のうわさでは聞いていたが(今は地域が被らないので会わないし、敢えて会わないようにもしてる)、こうして堂々と悪口を言ってあざ笑っているという事は、つまるところ二人は袂を分かったという事なのだろうか??
(それにしても…)
当時、僕は『自分の打ってる台がどう見ても6だからそれヤメたら?』とKY特有の親切ぶった上から目線のアドバイスで彼をガン切れさせたのだが、その時彼の怒りは『この台は○○君(軍団長)が打てって言ったんだよ!○○君舐めんじゃねーぞゴラァぁああ』というものであった。
パチプに飼われているだけでは飽き足らず、そのパチプに心酔している様をありありと見せ付けられて心底ドン引きしたものだ。
『テメースロットで喰ってるわけでもねーくせに生意気なんだよ!』
『俺らの店に来るんじゃねーよ』
『さらうぞ!住所どこだ?』 ←言うわけねーだろw
『つーかそれが6ならよこせや』
あの数々の名言を生み出した彼が、今はベテラン面して当時の信仰の対象の悪口を言ってるんだから時の流れは残酷と言うものだ。
にしても何が棄教の原因だったのだろう?
(ともかく、その悪口…あの頃のおまえさんと軍団長に聞かせてやりたいぜw)
…まあこんな話は娘には出来るわけもないし、しても面白くないだろう。けれどこれは紛れもなく僕の過去であり歴史であり血肉でもあり、望もうが望むまいがこうして今へと繋がっている。
こんな名言がある。
「ねーうみ、何か面白い話して~」
「UMMMMMMM…」
娘にこう言われるたび、僕は否応なしに自分の人生を省みる事になる。なかなか面白い人生を歩んでいるとは思うけれど、哀しいかなそれを言葉で伝える事が出来ない。
コメント
①2chの面白コピペを厳選し話す
②まんじゅう怖い
③あ、ありのまま起こった事を話すぜとポルナレフ風に自分の過去を語る
④ツンデレの定義
くらいしか僕には思いつきませんでしたw
うみさんの場合旅打ちとか海外行ったりとかでかなり色々な場所に行ってると思うので話のネタには困らなそうな印象があるのですが・・・。
いつ見ても面白いブログですねww
うみさん二人目のお子さんはどうなんですか?^q^
面白い話って人に聞かせる為に作ったネタ以外大抵は「自分が面白かった」話ですよね
だから他の人が面白いかどうかはわからないから恐いです
で、話してその人も面白いと思ったら共感できて仲良くなって友達になったりするのかなぁとか考えちゃいました
楽しそうですね。
今の自分って信念や目的意識が1~2年前に比べて極端に無くなってきている気がする。
30歳が近づくとこうなるんですかね?
絵本作家目指しませんか?
アンパンマン日記か、期間工物語を再開してはいかがかな?
拙者もキカンコーから何だかんだで訳わかんない県で結婚して社員になってしまったでござる。
サンダバのリセモのリプレイを祈ってた時期に帰りたい
いい話だなぁ(;_;)
GOD引けねええええええええええ。
赤7いくら引いても大量上乗せなんて
しないんですけど。
うみ氏も色々あったんですね。
まぁ、どんな人間でも何かしらのドラマやエピソードがあるものですしね。
つまらない人生なんてどこにもないわけで。
ああ、生きるって面白い。
>>椰子さん
ちょっとこの①~④は酷いっすね^^;
面白い話はあるんですけど、書いたとおり僕にとっての面白い話なので… あと、話術みたいのもあるんでしょうね。僕は喋りが上手くないのでそういうマイナス要素も大きいと思います('A`)
>>nanashiさん
お、久しぶりだねボーイ!元気してたか。オラは相変わらずだ。って、そういう意味で言われてる風にしか思えんがw
二人目のお子さんは…嫁が熱望中なので避妊してるつもりでも突然出来てるかもねw
>>ヨシホイさん
実際盛らないと「え?それで…オチは?」みたいのが多いですよね。後は絡む人の性格・背景があっての面白話だったり。たまに奇跡のような鉄板ネタも出てきますけど、そういう部分で人による感じ方の差はそう大きくないかな、と個人的には思います。
そういう話が合って以後付き合いが深くなるってのはあるんでしょうね。ただ学生でもないと、そういう話をする場面にすらならないなと…ふと、思いましたw
>>のっぽさん
月並みですが、現実を知るとそうなっちゃうのかもしれませんね('A`) 僕は幸いそういう信念や目的意識が元々薄いので…
('A`)('A`)
>>kenjiさん
突然何言ってんだこいつ?と思ったけど、タプ公が絵本に…素敵やん!!いつか「ボノロン」の変わりにセブイレに「タプコウ」が置かれる事を目指しましょう。で、絵本作家ってどうやってなるんだw?
>>キカンコーさん
ええ?キカンコーさんキカンコーじゃなくなってたのですか?しかも結婚までして…おめでとうございます(゚∀゚)!!今思うとキカンコーってそういう建て直し期間だったのかしら。世は良いイメージ持ってないみたいだけど、使い方しだいじゃ期間工って素晴らしい場所ですよね。こういうのを日記で伝えられたらいいなと思うのですが、なかなか腰が重くて^^;
で、アンパンマン日記って何ぞやw?あと、キカンコーさんもサンダバのリセモに思い入れあるんすね。自分も、当時期間工時代にサンダバの「モーニング」打ってたので大変懐かしい思い出です。
>>三重県人さん
浅いい話(´;ω;`)
>>一男太郎さん
凱旋は駄目ですわ。打てば打つたび打つ気を無くす…
つまらん人生とかは無いと思うけど、それをどう感じるかがすべてでしょうね。くさいセリフですけど、そういうのを悟ると人にも優しくなれるような気がしますたぷこう