9/30　　真剣に生きる

社長兼義父と仲良く休日出勤をした帰りの車中、ふと将棋の話になった。義父は歴ウン十年という将棋好き･･･とは聞いている。僕がまだ将棋にハマる前に既に娘一号に動物将棋を買い与えていた程だ。

今はうちのデブにゃんがそれを受け継いでいるのだが、まあそんなわけで僕より遥かに先を行ってるであろう義父は最近13手詰めの本に夢中だとか何とか。

　「すごいっすね！自分は３～5手詰めを繰り返しやってる程度っすよ」
　「あんだ、三手詰めとか一目じゃねえかｗ」

さて、帰って資料をまとめていると義父が将棋盤を徐に机の上に置く。いっちょ揉んでやろうという事だろうか。僕としても常々強い人に解説しながら教えて貰いたいと思っていたのでちょうどいい、一丁やってみっか。

　「ほう、親子対決ですか。何か賭けるんですか？」
　「じゃあ社長の座をｗ」
　「ｗｗｗｗ」

見慣れぬイベに同じく休日出勤していた社員がわらわらと集まってくるアットホームな職場（）。彼らの観戦の前であっという間に勝負はついた。

普通に勝ってしまったわけだがｗ

　「おかしいな、もう1回」
　「ええ、お願いします」

　「･･･負けました(‘A`)」
　「･･･はい」

明らかに自信があったであろう社長に勝ってしまいこちらも戸惑う。こんなはずでは無かったと思っているのはお互い様の筈。

　（（；＾ω＾）･･･ど、どうすんだよこの空気）

普通に僕に圧勝して貫禄を示してくれなきゃ困るんだがｗ

こういう時、ワザと負けた方が事が円滑に進むとわかっているのにどうしてもそれが出来ない。せめて一戦目で勝ってしまった後に二戦目で負けて･･･とすればいいのだが、相手に対して、勝負に対して礼を失するように思えて僕にはそういう行為がどうしても出来ないのだ。

結果、衆目の前で恥をかかされた社長がいて･･･という程深刻な勝負じゃないとは思うのだが、想像よりも本人がショックを受けていたようで周りもちょっと茶化しずらそうｗ

　「社長やる？ｗ」
　「いやいや（；＾ω＾）土地だけで十分ですｗ」

こうして（？）将棋の真剣で勝ち取った新居の土地だが、旧社屋を取り壊している最中意外なものが出てきてしまった。

　
　「ん？なんすかこれ？」
　「あー・・・そういえば昔井戸ここに掘ってたっけなぁ」
　「井戸！？？」

倉庫の中にポンプでくみ上げるタイプの井戸が隠れていたようで、こいつがちょうど新居の寝室の真下にある事が判明。この井戸は今でも普通に使える物で、災害時用に取っておきたいらしく、しかしこいつをそのままにすると現在ほぼ確定している間取りを大幅に考え直す必要が出てくるわけで･･･下手をすると書斎が削られる可能性すらある／(^o^)＼

一応ポンプの位置は配管を繋げ変えれば移動できるのだが、結局穴の位置が変わらないと何かあったとき･･･例えば井戸が枯れた際に掘り直すなどのメンテが出来なくなるわけで･･･さりとてメンテ用にこの部分だけ基礎コンクリートを打たないという事は構造的に避けたいそうで･･･

　「どうしても災害用に井戸が欲しいなら近くに掘り直すという方法もあるけど」
　「あー、水源あるのはわかってるんだからそれでいいんじゃ？」
　「でも結構するよ？確か50～60万近く」
　「そんなにすｒ･･･ハッ！！？」

　（そうだ、もう一度社長と将棋を･･･！）