7/15  思い出のモフ

5月の終わり頃フィフスチルドレンとして我が家にやってきたモフ五郎であったが、その素行は最悪の一言。いつまで経っても心を開かないばかりか、威嚇、暴力、挙げ句はトイレをいつまでも覚えず糞尿を撒き散らすという日々で…

ちょっとキツいかも… 臭いもそうなんだけど、片付けることに割かれる時間が多すぎて心折れそう

う~む。糞は乾燥してりゃまだマシなんだけど、小便を撒き散らされるのがマジでキツイよな…

以前も書いたがこのモフ五郎はFIP(猫伝染性腹膜炎)という不治の病に罹っている疑いがあった。FIPの症状の一つに神経症というものがあって、便意を我慢出来ないと言うより認識できずにそのまま垂れ流してしまうという事があるらしい。依然投薬治療は行っているものの、体調は良くなっているのにトイレ問題だけが一向に改善されず…そこは正直困り果てていた。

病気の疑いがある以上、感染が怖いのとストレス軽減のためにわざわざこいつのために一部屋あてがってやっているのに…運動不足にならないよう専用のキャットタワーまで備え付けてやったというのに、、

残念ながら結果は娘1号の部屋が完全な獣臭漂う汚部屋に成り果ててしまっただけ。

性質が悪いことに糞尿を片付けようとすると怒って引っ掻いてきたりして、餌が遅かったり気に食わなくてもそう。なまじっかオス猫で力だけはあるのでこちらの負う傷もエグいものが多く、毎度おっかなびっくり対応する羽目に陥っていた。

こういう書き方をすると本当にアレなんだが、印象としては力だけはある健康な障害者や痴呆老人を介護しているような感覚で… 

私のエゴで飼い始めた以上責任持って最後まで面倒見るつもりだけど… ちょっとウチで看るのは限界かも。外飼いを考えていいかな? 

まあ… おまえはよくやったと思うよ。

飼い始めて二ヶ月。いい加減妻の体調が心配になってきたため、餌や治療は継続して行うが、以前まで住み着いていた外に設置してある野良猫ハウスに戻すことを議論するような段階になっていた頃、終わりは唐突に訪れる…

え?ちょっと… なんかモフが痙攣してるぞ

は?え?うそっ…モフ??

7月10日の夜、突然モフが苦しみだしてあっという間に逝ってしまった。

それこそ僕らがテンパっていたのを差っ引いても病院に連れて行く暇など無いくらい、実際に連れて行っても間に合わなかったであろう突然の出来事で… 抱いていた僕の手の中で荒れ狂う鼓動はやがて静かに弱まり、そして止まった。このように生き物の命の灯火が消えていく瞬間を体感したのはじめてである。

FIPの神経症の症状の中にやはり痙攣というものもあるのだが、因果関係は不明である。

…ッ。

翌日、粛々と手続きをし動物霊園にて火葬をする。娘二号は泣きじゃくりながら最後に見送り、妻も暗い面持ちで花を添え、、それで終わり。

そして何事もなかったかのように日常が始まる。

たったの二ヶ月という短すぎる期間がそうさせるのか、穿った見方をすれば気苦労の耐えなかった要因が取り除かれた事に対する安堵も少なからずあったのかもしれない。モフがいなくなってまず感じたのが、餌と掃除の手間がいっぺんに激減し、なんだか手持ち無沙汰を覚えたほど。

薄情だろうか?僕はそう思わないが。

反面であれだけ苦労させられたばかりのモフ五郎であったが、もっとこうしてやれなかったかとか、ああしてやればよかったなど今になって思うことも多い。

瞼に浮かぶのは撫でてやって気持ちよさそうに寝転ぶ姿だ。唯一と言っていいぐらいのデレた時。実際はそんな場面なんて二ヶ月過ごした中でのほんの一瞬程度のものだったというのにだ、人間の記憶というのはほとほと都合の良いように出来ているのだなと思う反面、思い出として刻み込むにこの場合これ以上相応しい機能はないなとも思う。

モフよ…果たしてうちに来たのがお前にとって良かったのか悪かったのか。やれるだけの事はやったなんて思うのは人間のエゴだもんな。

だからモフよ、せめて安らかに眠ってほしいと思う。おまえの事は忘れない。

コメント

  1. のりおたく より:

    モフ吾郎のご冥福をお祈りします。
    読み応えありすぎぃ!

  2. 三重県人 より:

    野生のまま往生するのがいい時もあるのかも知れませんね…

  3. umi より:

    >>のりおたくさん
    付き合いの短すぎたモフですらこの喪失感。メイン機体でありアイドルとして君臨するクロが亡くなったら我が家はどうなってしまうか心配です><

    >>三重県人さん
    モフに関してはちょっとそれを考えてしまいますよね… 窮屈な思いをさせただけだったんじゃないかなと(´・ω・`)

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