3/14  答えの出た部屋

書斎の造作棚の希望を提出した翌日よりずーっとモヤモヤしていて、ブログでも書いた通り、ボツにした「ドアを左手に見る」プランの事が頭を過って仕方がなかった。

 (なぜこれにしなかったんだろう?)

これを書いた深夜、非常に満足して眠りについたのだけど、翌朝改めて見直してみるとどこか引っかかって…これは絵なり文章なり深夜と寝起きのテンションの違いで今までも何度も起きてきた現象なのだが、それにしても果たして今回何を問題に感じたのかはもう思い出せない。

強いて言うなら導線を机が塞ぐ形になっている点だろうか。これは設計士の方にも指摘されたのだが、

感覚的にはこの写真に近いかな(画像元さん、悪い例?として出してすみません…)。御覧の通りドアから椅子までのルートに必要以上の閉塞感があるかもしれないが、それは机の長さなど導線スペースの確保を工夫すれば何とでもなるんじゃないだろうか。

今現在僕の机も右手側に壁、左手側にスペースがある形のためこの形式が非常にしっくり来てイメージしやすい。造作机も右手側に肘置きがあるタイプのL字デスクにしてもらうつもりなので、体を開くなら左手側だろうという確信もある。

 (とりあえず導線の件はOKだな。)

他に何かデメリットがあるのだろうかさらに考える。当時の僕が考えそうな事と言えばやはり「融通」だろうか。

 『後々つぶしが利く形にしておきたい』

そう思ってこれまで色々とデザインしてきたつもりである。

これだ!という確定的な案が浮かばなかった以上、使いながら方向性を決めていく事にしたのだがこれが吉と出るか凶と出るか…  

実際、最終的に提出した案もこんな消極的な理由で選んだ次第。が、僕が悩みながら提出した案を見て先輩がこう言う。

 「こんなん作っちゃって大丈夫かぁ?あとあとつぶしが利かないよ?」
 「!!」

この言葉を聞いてハッとした。

そうなのだ。考えてみれば造作家具を作るという事自体が融通という言葉からかけ離れていく行為である。部屋に合わせたオーダーメイド、それが造作家具。そこで融通を求める机を選ぶなどナンセンスではあるまいか?

そう…無難な家具が欲しかったら既製品で選べばいい。融通なんて犬にでも喰わせておけ!何だかんだで模様替えなんて面倒くさくてやるとは思えん!!

と、言うわけで変更いいっすか?

え、ええ…まあ、まだ何とか…

そろそろ大工さんが怒り出しそうなテイク3に突入だ(;^ω^)

なぜって、造作棚などは作るにあたり壁の中に「下地」というものを入れておく必要がある。もちろん全てが全てそういうわけではないが、下地を入れビスを打つ場所を作ったり棚板などを固定する余地を作る事で造作物の強度を増すことが出来るのだ。

上の写真は別の場所の棚だが、壁面にボードと壁紙を張る前に予め下地を作って棚板を入れ込んで固定しているのがわかると思う。この上からボードを貼って壁紙を張ることで、外から固定する必要がないスマートな棚板が浮かび上がるというわけだ。

して、これが僕の部屋にある下地の跡…なのだが、これはテイク1の図面をもとに予め埋め込まれていた下地なのだが… 

御覧のように棚板を埋め込むために設置されていた下地は、机の場所を移動することでお役御免となってしまい、そして無残に謎の梯子状の跡だけが残ったわけだ。少なからず手間をかけた仕事が施主の気まぐれでオジャンになったのだ…

そしてテイク2。

このあいだ提出した図面を元に、大工さんはまた下地を入れてくれて…

さすがにまた別の場所に入れ直してくれとはいくら何でも言えなかったのでw、この下地をベースに使える案という事で…考えぬいた結果!!

こんな感じになりました。

図面だと相変わらずヒョロっちいが、棚板を3.6cmというぶ厚いサイズにして貰ったため見た目以上に重厚感あふれる感じになるだろう。

相変わらず深夜にこの図面を完成させ満足して眠りについた翌朝、今回は驚くほどしっくり来たまま変更しようという気は一切起きなかった。それは数日経った今も変わっていない。

つまり、ようやく「これだ!」というものが出来たのだろう。

ちなみにこの形には隠れたメリットがあって、将来的に今の椅子の代わりに大きな台座を置くことで僕の念願だった「漫画喫茶ブース化」への展望も見込めるという点だ。

 (へへ、融通を捨てたつもりが、最も融通の利く形になっちまったぜ…)

これも腰痛と相談しながらいつかはやってみたいところだが…うーん、それはさておき見れば見るほど自画自賛したくなる自分好みのデザイン・配置であるw

 <おめえが考えたんだから当たり前だろ!!>

そう思うかもしれないが、意外と自分の要望を形にするのって難しい。そもそも自分の要望というものが・・・「本当に」自分の求めているものが何なのかハッキリ自覚出来ている人というのはそういないのではないだろうか。

僕は何度も何度も書き直して思いつめる事で、ようやくそれらしいものが出来たが、それでもまだ「想像」の世界の話で、実際使ってみれば不満点はいくらでも出てくるのだろう。

だがまあ、現時点では満足いくものが出来上がった。これでようやく睡眠時間を削ってデザインを考える日々から解放されr

で、書斎の壁紙ですが…

そういやあったなそんなのも…

色なんて机の形以上にわからんち!

 

コメント

  1. kenji より:

    成程ー、だけどこの形状だと入口側の机の下に柱なり、小さめの本棚なり付けないと机が持たないのでなにかが入りますね

  2. kenji より:

    加工指定は逆テーパー面とRが二箇所、逆Rが一箇所で図面作ってカウンター屋さんにピーっと流して二週間。
    それ迄ボード待ってもらって下地入れ直してもらって
    菓子折でも渡そう

  3. umi より:

    >>kenji先生
    お久しぶりです?壁紙の事聞きたかったのに遅いお(;^ω^)…

    仰る通り机の下には足を入れるそうです。出来れば入れない方がスッキリでしたが、いかんせん分厚いタモの集成材使うそうなので仕方がないですね… 本棚も考えてますが重い印象になってしまいそうなのでとりあえず足をいい位置に入れてもらうようにする感じで考えております

    下のコメントは何言ってるのかわかりませんが、とりあえず面倒な工程ってのは伝わりますw 差し入れしまくってますが最後にもう一度何かしないとアカンですね(;^ω^)

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