1/27　　これ読んで死ね

「シグルイ」とか「衛府の七人」等、好みの漫画家さんの新作らしき連載をコンビニで知ったのが少し前。

第何話か知らないが、ちょうどこんな感じで模型（？）の説明をしていたため、何となく造形師の話なのかなー？とその時は思った。この人の漫画でそんな事あるわけないのにな(;^ω^)ｗ

さて、先日ツタヤに行ったらその漫画が置いてあったので借りてみる。本当に造形師の話だとしたら作者的にどうなるのか逆に見物。信頼と実績の「作者読み」である。

タイトル「劇光仮面」。月光仮面とかけているのだろうか？この時点ではどんな話か全く想像がつかないが…

あ、これ絶対面白いやつだ

一話目で既に予感がした。

舞台はとある大学の特撮美術研究サークル。…なるほど、特撮か。やはり造形師の話っぽいなと思うも、それにしてもここ数作のとんでも作品（誉め言葉）と違い妙にリアリティのある進行である。

どうもスーツアクターの話では無く、もっと現実的にキャラクターと向き合う特撮マニア達の物語のようだ。ある意味で造形師の話と言っても間違いではないのかもしれないが、彼らの真の目的は特撮キャラクターのスーツを制作する事ではなく、その先の…

劇しい（はげしい）光…か

言われてみると「劇薬」みたいな使い方をするこの「劇」という言葉。演劇などと言った「舞台」というイメージの強い文字であるが、言われてみると確かに「そう」も読む…

ここにフォーカスを当てたセンスよ…

とまあ、予想していたのと大分違う方向で良い意味で期待を裏切られた。現在まだ二巻までしか出ていないが、最新話が少し不穏な方向に進んでいる気がするのでこの後の展開次第ではどうなってしまうかわからないが（笑）、とりあえず今出ている二巻までは最高に面白いのでオススメしときます。

　
さて、作者読みと言えば最近読んだ「金剛寺さんは面倒くさい」が個人的に好評だったとよ田みのる先生の新作、「これ描いて死ね」。

物騒なタイトルとは裏腹に、相変わらずの優しい世界。

金剛寺さんでもおなじみだった論理的帰結法なセリフ回しも健在‥というほどまだこの人の作品は網羅していないが、やっぱ好きだなこの世界観。

近年漫画家を目指す主人公を題材にした作品が多くみられるが、本作もその流れ。ただ少し違うのは師匠的ポジションである先生の過去話。読み切りのような形で巻末に載っているのになぜかこちらが本編とも言えるような熱い流れで…色々な伏線回収や人物相関図の答え合わせ等、巻末に収録されたおまけとは思えない内容は初めから狙ってやっているのだろうか？

正直金剛寺さん同様、毒にも薬にもならない雰囲気漫画ではあるが、劇光仮面の劇しい流れから一変、対極にあるかのようなおだやかさは読み比べると漫画という世界の奥深さをしみじみ感じずにはいられない。

最期におまけ。2023年初笑いの作品だ。

『将棋漫画まとめました』杉野アキユキ

タイトル通り将棋の漫画。将棋好きな人ならかなり笑うと思うショートエッセイ集。

と言うか、将棋好きしかわからんようなネタだからこそ面白いｗ

この「詰めろ」のところはガチで笑った。カバネリでイラついてた時だったけど隣に気付かれるほど噴き出してしまったぐらいだ。

今ならkindle Unlimtedにて無料で読めるので、登録してる人はどーぞ。