6/5  大海物語inカンボジア その1

・初日

人生初となる海外旅行へ行った今年の初め。そこからわずか半年経たずにまたも海外へいく事になろうとは誰が想像できただろうか…

 (って、本当はフィリピンに語学留学するつもりだったんだけどね)

それがどうしてカンボジアへ、それも「旅行」になってしまったかというのは追々語るとして、今回もフィリピンへ連れてってくれたゆうたさんと一緒に旅行へいく事になった。

 「うみさん、『最後に』どっか行きましょうよ!」
 「そうっすね。世界遺産見たいかな」
 「じゃあアンコールワットとか?」
 「それもいいけどマチュピチュが本命っすね」
 「・・・えーと、調べたらマチュピチュは一番近くの空港まで日本から24時間以上かかって飛行機代だけで20万以上…」
 「アンコールワットで!」

…てなやりとりがあったとか無かったとかで、旅の目的地はカンボジアはシェムリアップとなりました。実はゆうたさんも僕も今回人生の一大転機となり得る事件があったためお互い旅に出るにはいい機会。ただ、僕がこの時点で既に六月の頭に引越しが決まっていたので日程的にも長い予定は取れず、そこで一週間限定での旅行となったときに世界遺産と考えるとここ以上の場所は考えられなかったわけですぐさま出発が決定しました。

例によって宿の手配から航空便の予約まで、旅慣れたゆうたさんにおんぶにだっこ。思えば僕は何かするとき常に誰かに助けて貰ってるよなァ… 前回の最後に壊れたカメラを買い換えたのも、電気屋で働いてるRさんという方に定価四万五千円のがセールで二万ちょっとになってるところから更に八千円にまでまけて貰ったりして…。あ、着てる服もほとんど貰いものだ^^;

 (わしはもしや究極の寄生生物だったんじゃ…??)

そんな事を考えながら当日、成田。

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 (なんで日本で外貨両替するときって海外と違って変な用紙に記入が必要なんだろう??)

前回から感覚が短い事もあってか、空港でももうはしゃぎません。飛行機も別段写真を撮る気にもならず、気分は出張の多いエリートサラリーマン。たった数回で何言ってんだこいつと思われるかもしれませんが、かわいげがなくなったという表現が一番合ってますね、ワタシ。ミスターにわか。

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 (何気にベトナムに来てしまったぞ!!)

今回、成田からシェムリアップまでの直通便は出ているものの、我々はベトナムはハノイ空港を経由するルートを辿る。僕らの今回の飛行機代は往復で53kぐらい。しかし、直通便を使うとかなり高いらしく、後ろの席に座る日本人観光客風のオッサン達は「16万」かかると話していた。恐らく彼らはツアーなので諸々込みでの値段なのだろうが、それでも向こうは物価が安いのでホテルも五つ星で泊まってもせいぜい一万円前後。3日間宿泊すると考えても我々の倍以上の値段という事になり… どれだけボッてるのかは想像に難くない。

 (確かに海外旅行の手続きは色々面倒だけど、その手間を買うにしてはなかなか高い買い物だよなぁ…)

うむ、これぞ商売という感じか。

というか、よく考えたらオッサン達もハノイ経由してるから直通便ですらないわけで…^^;

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空港に置かれた募金箱。札がぎゅうぎゅうに詰まっていて一瞬すげぇ!!と思ってしまうも、これは日本的感覚。後にカンボジアでも散々体験するが、「貨幣の価値」の違い… いよいよ外国にやってきたなという気がしてきたぜい!

 (しかし日本人が多いな…)

季節的(雨季)に観光客が少ない時期だと聞いていたが、それでもシェムリアップに向かう便のおよそ六割近くが日本人らしく、機内には日本語が溢れかえっている。やはり日本人に人気の海外観光スポットNO1の座は伊達じゃないな、アンコールワット。

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相変わらず安い船なのでクッソ寒い。前にフィリピン行った時も思ったけどどうして海外の飛行機ってこうも寒いのか??おかげで着くころには喉に異変が…

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 (Yeaaaaaaaaaah!!ウォッホッホーゥ!!(゚∀゚))

しかし着いた直後はテンションMAX。いいねいいね相変わらずの異国の匂い。フィリピンでも感じたな、これ。暑い国だから共通したものがあるのか、はたまた友達の家に行くと匂いが違うというあの現象のスケールをもっとでかくしたものなのか…?

現在時刻は18:00。10:00に日本を出て、ハノイに15:40に到着。そして乗り継ぎの関係で16:45にハノイを出て、18:00にカンボジアはシェムリアップに到着でした。カンボジアは日本と時差が二時間あるので日本時間では16:00着という事ですね。約六時間のフライト。

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シェムリアップ空港。

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フィリピンでは必要無かったが、カンボジアは入国の際に観光ビザの申請が必要となる。証明写真が必要なので、出来れば日本で撮っておこう。ビザ代は20$。

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空港を出ると、ホテルからの迎えや旅行客を狙ったトゥクトゥクのドライバーさん達が大量に「出待ち」している。これはどこの観光スポットでも同じなのだな。なんか屋久島思い出した。

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僕らはホテルから送迎車が出ていたので難なく関門突破。この人すごいフレンドリーで、この後家族と一緒にカラオケ行くから一緒にいこーぜ!と誘われるも、僕が死ぬほど体調悪いので断り… つーか、フィリピンでも熱出たしやっぱ病弱なのかな、俺(‘A`)

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空港から出るとすぐに一面何も無くなりひたすら草原。まさに発展途上国を絵に描いたような風景が続く。そういえばこの赤茶けた土も何やら見憶えがあるな。フィリピンもそうだったが、熱帯地方の土は日差しの強さの関係でこうなりがちなのだろうか?日本ではあまり意識した事がなかったが、褐色の土というのはこうして見ると異国感がすごい。

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市場か何かかな?ここだけ凄い人。やっぱ活力感じるな。

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走っていくと所々にポツポツと店があるんだけれど、集合してるならともかくこういう単体のお店って売れてるんだろうか?わざわざ降りるとも思わないし、日本の町のブティックよりも心配だ。

とか何とか言ってる内に景色に段々としっかりした建物が含まれるようになり、程なくホテルへ。

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 「おお!!」
 「綺麗っすね」

空港から15分ほどでシェムリアップ市内へ入り、そこからさらに五分ほどでホテルへ到着。今回泊まったホテルは「ザ・スパイシー・ヴィラ」。シェムリアップ市内の歓楽街からちょっと外れた場所ながらも、設備も値段も料理も全てが満足いくレベルで大変おすすめです。まだ出来たばかりで新しいのもいいし、オーナーさんが日本語が出来たりするのもポイント高し^^個人的に大変満足したので宣伝。

今回はツインの部屋で日本円にして3300円ぐらい。一人、じゃなくて一部屋でこの値段。朝食付きでこれは安いぜ!

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ちなみにホテルはこの「agoda」というサイトで探したのだけれど、海外でホテルを探す際にはこのサイトはマジでおすすめ。ゆうたさんもいつもここで探すそうなんですが、日本語にも対応してるし料金の割引もあるしでこれから海外旅行を考えてる方はぜひ利用してみてはどうでしょうか。食べ何とかログと違って評価が割と信頼できます。

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フロントは南国風のドアが無いスタイル。風通しが良くて涼しいかと言われると、カンボジアの暑さ的にそれは無いwくっそ暑いがフィリピンみたいにガンガン室内で冷房を効かされるよりこっちの方が全然いい。

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しかし部屋は冷房効かせるよ。快適。綺麗な部屋です。

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トイレはさすがの開放感。

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珍しく浴槽も着いてました。あ、フィリピンではどこでも見かけなかったドライヤーも完備していたのは嬉しかったな^^コンセントも変換プラグが必要なくてよろしい。

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 (・・・ん~??^^;)

それから、ここらへんはどこもレンタルサイクルをやってるんだけど、見るとどう見ても日本からパクってきましたよ…みたいな風貌の自転車ばかり。いや、別に高校のステッカーが貼ってあったとかそういうんじゃないんですけど… 明らかに現地の人が乗ってるチャリと違うんですよw駅前の放置自転車がそのままこっちに来た気しかしませんし、そうであっても全く不思議じゃないし、有効利用と言えばそれまでなんですが(;^ω^)

 「とりあえずちょっと夕飯がてら街まで行ってみますか」
 「そうですな」

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18:40(日本時間16:40)、ホテルを出て市内探索へ。歓楽街までは多少距離があるそうだが、まあ初日ということもありのんびり歩いて行くことに。

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道は土。赤い土。見渡せば蒼い空に生い茂る木々。熱風が肌を焼く。汗ダラダラ。オレ堕落堕落。

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シェムリアップ・リバー沿いに街へと歩く。歩く。

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気付けば三十分も歩かないうちに大分日が落ちてきて、電灯なんて洒落たもんは無いのであっという間に暗くなる。対岸からは太鼓を叩くにぎやかな音が聞こえてきた。やっぱ音楽なんだな。

ここを歩いている最中、すれ違う現地の人達を見てゆうたさんと色々話をした。

 「ここの人達はストレスを貯めるという事があるんでしょうかね」
 「あー。なんか瞬間怒るってのはありそうだけど、溜め込むってのは無さそう」
 「上司にネチネチ言われて胃潰瘍になったりするんでしょうか」
 「想像つかないなぁw」

 「それは…幸せな事なんでしょうかね?外の世界の…例えば最新の技術を知らずにこうしてクッソ熱い中生きていく事と比べたら」
 「どうでしょうね。外の世界を知ったら…やっぱり今の幸せに不満を持つ事はあるのかもしれませんが」

以前、いつも一万円の宿に泊まっていた僕が二万円の宿に泊まった際に同じ事を考えた事がある。僕はこれまで一万円の宿で十分に満足していたのだが、二万円の贅沢を知った際に今後果たして一万円の宿でこれまでと同じように満足出来るか・・・という話。

しかし事はそう単純なものではなく、例えばいい生活の代償がストレスだとすると、それを知ったのは果たして幸せと呼べるのだろうか…?こういう立場の違う幸福度の話しになるとまたこれも難しい。

なんて中学二年生のような会話をしていると完全に日は落ち… 電飾きらめく場所へとやってきたようだ。

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東南アジアとバイクってのはもう、セーラー服の美少女と武器ぐらい相性がいいね。

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ちなみに、面白かったのがこちらの信号。なんと秒読み機能がついている。日本だと大阪に同じものがあるそうだが、待ち時間が短く感じるので是非日本でも全国的に導入してほしいな。

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でかい道路に出たものの、なかなか歓楽街にたどり着けないためスロプ48の秘技の一つ、ストーキングをする事に。こういうときは大体白人についていけば間違いない。換金所を探す時にマスクに黒縁眼鏡をしたそれっぽい兄ちゃんの後を尾けるのと要領は一緒。

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OK。目論見どおり換金所…じゃなくて、歓楽街へ到着。

こちらは「パブ・ストリート」というシェムリアップの歓楽街で、どちらかと言えば外国人観光客向けの店が並ぶ。そのほとんどがレストラン、カフェ、マッサージ店で埋め尽くされているのでさながらカンボジアの歌舞伎町といったところだろうか。マッサージは表裏、両方あるので日本語の客引きも多い。

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とりあえず「カンボジアBBQ」と書かれたお店へ。ここらへんは全部オープンカフェとなっているから入りやすい。客はやはり外国人ばかり。鍋をひっくりかえしたりワインでもめて客が怒って帰ったりしてたけど大丈夫かいな(;^ω^)

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って、・・・ん?なんだその鍋?やけにジンギスカンっぽいような。

 「カンボジアってこういうスタイルなんすかね?」
 「いやぁ~、どうでしょう^^;初めて見ましたけど」

ジンギスカン風の中央が盛り上がった形の鍋にプラスして、縁の凹んだ場所に野菜を入れてスープで煮込み、ヌードルまで入れる。ご飯はパサパサ。

 「!!??」

そうして、やはりジンギスカンのようにあの場所は肉を焼くのだろう。牛脂が敷かれ、運ばれてきた肉… ってなんじゃこりゃ。

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ひいふうみい・・・様々な種類の肉が乗っかった皿。ご丁寧に各部位の説明…かと思いきや、各「生物」の説明POPではないか!

 「サメにカンガルーに・・・カエル!???」
 「ワニもいますよ」

ここらへんで完全に観光客目当ての奇をてらったゲテモノ料理屋に入ってしまったと思ったが、後に調べるとこれは本当にカンボジアの名物…

 (・・・なのか??)

ネットで見る限りここらへんでしかこういう食べ方をしていないような気もするのだが、真相はどうなんだろう^^;流行らそうとしている風に見えなくもないが。

とにかくまあ、特に新しくもない味でさしたる感想もないまま帰宅。あ、強いて言えばビールがうまかったな。こっちは「Angkor─アンコール─」というビールをよく見かけたのだが、苦味が少ないオリオンビールちっくな感じで僕は非常に気に入った。

 「オニーサン、オッパイ、モミモミ、スル?」
 「ノー、ゴーホーム」
 「OK。トゥクトゥク乗る?」
 「??」

帰りは先ほどから僕らに声を掛けていたおっちゃんの運転するトゥクトゥクでホテルへ帰ることに。このおっちゃん、僕らが食事前から声を掛けて、「とりあえず飯食うわ」って言ったら飯屋の前でずーっと待ってた剛の者。さらにそこから夜の客引きを断ると今度は一転、トゥクトゥクの運転手までやるのだから凄いぜ。

ちなみにトゥクトゥクとはこちらのタクシーみたいなもので、バイクの後ろに2~4人ほど乗れるシートを引いて走る人力車のような作りになっている。交通機関としてはフィリピンでいうジプニーのような役割で、市民の生活にかかせないものであろう。

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こんな具合に、バイク+人力車のようなもの。風がすごく気持ちいい、このスタイルは熱帯地域ならではの進化を遂げた結果であろう。

 「これ最高っすね(゚∀゚)!!」
 「ええ、明日はレンタルサイクルで回る予定でしたけど・・・」
 「断然こっち!」

せっかくなので翌日はこの人に一日トゥクトゥクで遺跡を回ってもらうことにする。パブストリートからホテルまで2$。翌日の一日チャーターは18$。レンタルサイクルが一台3$ちょっとなので、快適さや体力面も考慮すればトゥクトゥクチャーターは遺跡巡りには欠かせない要素となりそうだ。

 「OK!オレの名は“A.K”。よろしくな」
 「AK?」
 「外人って自分でミドルネームつける事が多いんですよ。ほら、フィリピンでも韓国人がなんかミカエルとか気取った名前つけてたでしょ」
 「ああ、イングリッシュネームとか洗礼名とかでしたっけ」
 「そんな感じっす」

この後ホテルへ戻り…、僕は体調が相当悪いので倒れるように寝る。ほんっと、我ながら一緒に旅行に行きたくないタイプだことw

 to be continued →

コメント

  1. ヨシホイ より:

    プロのストーキング術すげぇ・・
    自分もバリで歓楽街に行けなくて迷った事を思い出しました。日が落ちた後の異国の怖さは異常

  2. ( ・ω・)y-~~~~ より:

    オッキーさんお得意のあだ名付けを、ゆうじろうさんにも洗礼名としてあげないん?(´・_・`)
    今日は嘉手納基地内で昼飯食ったら$しか受け付けてくれず、スポンサーがおごってくれた。ゴチ

  3. ピース より:

    この運ちゃんと仲良くなり過ぎで、札ビリビリと。
    出家してumi僧編っすね。

  4. kenji より:

    二重尾行されてたわけかw
    18$安すぎて燃料に何入れてるか心配になりますw

  5. namaco より:

    なぜかsetu氏を思い出して日本一周の過去スレ読みなおしてしまった

  6. ( ・ω・)y-~~~~ より:

    明雄さん・・・白血病でとは・・・
    やっぱり関東は放射能で汚染されていてダメなのか。。。。(;^ω^)

  7. umi より:

    >>ヨシホイさん
    >日が落ちた後の異国の怖さは異常
    日本ってやっぱすごい治安いいって思うよね
    >>( ・ω・)y-~~~~さん
    「ゆうた」って名前がすでに偽名だからなぁw 年上の人にアダ名付けるのはなかなか難しいっすよw
    ちなみにゆうたさんは( ・ω・)y-~~~~さんの事が凄い気に入ってるようですよ。基地に案内してみてはどうでしょうw
    >>ピースさん
    この運ちゃん(AK)ではないです。まあAKもAKで翌日にトラブルに巻き込まれて警察の厄介になったそうですがw
    出家は…あるかもしれん。
    >>kenjiさん
    18$は確かに近場とは言え一日チャーターでは破格でしたね。翌日遠くの遺跡に行くのにもチャーターするんですが、こちらは35$。どちらも一日チャーターなのに倍額になる不思議w 
    ガス代が大半を占めてるのかな
     
    >>( ・ω・)y-~~~~さん
    明雄って誰やねんと思ったら検索ワードのトップでしたね。さすがテレビっ子!

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