1/5  濃密な刻を

1/5  濃密な刻を

正月は、珍しく…というより、思えば昨年もそうだったが魚君など暇な友人らが帰ってこないため飲み会も無く…こうして段々みんな疎遠になっていくのかな~などと思いながら家族で「桃鉄」三昧。

年末に妻が初めてwiiのソフトを買ってきたと思ったらコレだった。娘は初プレイで、僕と妻はそれぞれ何年ぶりだろうか?グッドチョイスだ。これほど暇つぶしに適したゲームも無い。

 「え・・・何コレ?ゾンビ~?イレイザーボンビー???あれ?キングボンビーと戦えるメカボンビーは???」

僕に関して言えば恐らく中学生以来なのだが、変わった部分ももちろんある中、それでも変わらない安心感も確実にあって、これはもう立派に国民的ゲームだなーなんて思ったり。…と思ったら少し前には権利のゴタゴタで色々変わったようですねw今回プレイしたのは2004年発売のやつだったのでまだデザインが変わる前のものでした。

その他、映画を見たり漫画を借りてきたりと絵に描いたような寝正月を過ごしているのですが…久々に素晴らしい漫画にぶち当たったので紹介したいと思う。

と、その前に映画の話から。妻はマジかよというレベルの「君の名は」三週目に娘と行ったが、僕は天邪鬼のため、そして新海映画のあざとい表現が非常に嫌いなためどうしても見に行く気がしない。

まあそれはいいとして、一人暇になった時間に以前から気になっていた映画を借りて見ることにした。

かの名作、神々の山嶺の実写映画である。

前に「エベレスト3D」という映画を見た際にちらっと触れているが、当時の記事からは大層この実写映画に期待している節が見られる。だってそうだろう、あの名作漫画にしてこの阿部寛演じる羽生丈二の風格漂う姿。

これは期待するなと言うほうが無理があった。

が、実はこのあとしばらくして妻が一人でこの映画を見に行っている。ちょうど家族で東京小旅行に出掛けた時で、僕は娘を連れてビッグサイトで開催しているジャパンアニメエキスポへ。妻はそれには興味がないので近場の映画館で時間を潰すことになり、ちょうどそのときこの映画を観にいったのだ。

いちおう、僕が熱心に薦めたせいもあり妻は原作小説も漫画も読んでいる。その上でこの映画を見た感想を問うと、一言

 「駄作だった^^;」

 (おうおうおう!)

と、当時は思ったものだが、それを聞いてわざわざ映画館で見ることもないと思ってDVD化するのを待ってたんだよなー。そして今、ちょうど新作で貸し出しがされている。

 (さて、どんなものかね…)

・・・・・・・・・
・・・・・

・・

 ~30分後~

 

・・・ひどい。この画像をサミーの機種を打ったとき以外で使う日が来ようとはwそれぐらいひどい、ひどすぎる。どうしてあの作品がこうなってしまうのだ…。

噂に聞いてはいたが見ていられなかった。

終わった後、すぐさまネットで評価を見てみると、妻の言っていた通りの酷評の嵐。2016年ワースト映画なんて書いてるところもあるぐらい酷いものであったが、全くの同感だ。映画を見ていて早送りにしたのは初めてかもしれない。

書くと長くなりそうなので要点だけ抑えるが、一言で言えば「何もかもが薄っぺらい」に尽きる。原作ではエヴェレスト登山史最大の謎と言われるマロニーのカメラの行方を追って深町は羽生を追う事になるのだが、その物語の主軸となるはずのカメラの扱いが非常に小さく、挙句には深町をして「カメラなんてどうでもいい!」と言わせる始末。故にそこから生まれる羽生と深町の関係性、信頼感も全く育まれる事なく…いつの間にか物語は佳境へ向かう。

そもそも二時間の映画の枠に収まる作品ではないのだ。それを切って削ってどうにかするのが腕なのだろうが、本作は必要なことを削りすぎて本当に何を言いたいのかわからない作品になっている。

そのくせ、名台詞や名シーンだけ無理やり取ってつけたように加えるのだが、それが却って薄っぺらさを増長させている。上に貼った羽生の「そこに山があるからじゃない、ここに俺がいるからだ」というセリフも、羽生と言う人間の過去、生き様を知って初めて心に響く非常に重大なシーンなのだが…映画では突然ポツっと出てきて度肝を抜かれる。

また、原作屈指の名シーン(と勝手に思ってるw)「深町の慟哭」。生と死が常に隣り合わせにある、一切の穢れ無き神々の山嶺─エヴェレスト─での濃密過ぎる時間を過ごした深町が、羽生丈二という生き方を知り、失い、その後ぬるま湯のような日常に耐え切れず泣き叫ぶシーンがあるのだが…

 

それはバッサリ切られていた……のはまあいいよ。尺の都合もあるしね。だが、

その後、自分の気持ちに決着をつけるために一人エヴェレストに向かう深町が山頂に辿り着かないまま羽生の屠体に出会うのはいかがなものか?原作では何とか山頂を踏むがその後荒れた天候により遭難し…そこで偶然羽生の屠体を見つけるという流れになるのだが、本作では登っている途中にサポート隊の助言も聞かずに突然のハイテンション(なぜ!?)のまま遭難し、そこで羽生の屠体を見つけ山頂を踏まぬまま下山するよう改変されている。

 (あれっ???)

途中からダルすぎて早送りしていたのだが、「あれ?山頂踏むシーンは?」と思わず巻き戻して見直してしまった。無駄な時間の上乗せだべ、許せんぜよ。

そうして羽生の屠体に出会ったあと…そこで幻聴か妄想か、羽生の声を聞きあるものを受け取り…心と身体を奮い立たせて何とか生還するのだが…

 

実際に原作でも深町は羽生の声を聞いている。これは漫画的な表現と言うより、深町の妄想と捉えるほうが自然なのだが、そこに至るまでの二人の関係性があって初めて可能な心のやり取りのようなものだと思えばそこまで不自然にも見えない。なぜならこれは深町の願望とも読み取れるからだ。

……が、映画では大した関係性もない深町がやはり同様の声を聞くことになる。

けれど、やはりとってつけたような演出で違和感ばりばり。ここで深町がこの声を聞けるだけの理由がどこにも見当たらないのだ。説得力皆無のご都合演出。ややもすると、それはもう「テレパシー」のようにしか見えないわけでw

 (もう…やめてくれ(´;ω;`))

耐えられずに早送りにしたら、驚くことにこのあとすぐにエンドロールが流れ始めて慌ててまた巻き戻し。

 (どうなっとんじゃ!どんだけ俺に無駄な時間を使わせるんじゃこの映画はw)

原作ではこの後まだ続く…というより、この作品の主軸であり深町の動機でもあった「マロリーのカメラ」についての一応の決着が下されるのだ。そう、羽生の屠体から受け取ったあるものとは、カメラに入っていた「フィルム」だったのだが・・・

前述したとおり、この映画では途中からカメラなんてどうでも良いものになっているため当然そこには触れないまま、一体深町は何のために死ぬ思いまでして頑張っていたのだろうかというわけのわからん役回りで物語りは幕を閉じる。

駄作中の駄作である。映画を見てここまで時間を無駄にしたなと思ったのは高校時代に彼女と見て気まずくなった「ダンサーインザダーク」以来である。今回は原作愛が強かったため余計にそう感じた部分もあるだろうが、久々にやっちまった感があったな。

原作が好きな人には是非見て欲しいね^^そして一緒に酷評しよう。

で、漫画のほうだが…


聖-天才・羽生が恐れた男- 新装版 1 (ビッグコミックススペシャル)  
 山本おさむ著

以前、聖の青春 (講談社文庫)という小説を薦められて名作だったと書いたことがあると思うが本作はそれの漫画版といったところか。小説よりもサイドストーリーが細かく描かれており(一部フィクションもあるそうだが)、何より山本おさむ先生の描く表情が素晴らしい。

 

読んでて涙が止まらなかった。小説でも泣いたが、こっちは絵にも泣かされた感がある。それぐらい、素晴らしい。この人が書いてこそと思わせられる名作である。

ちょうど今、こちらも実写版「聖の青春」がやっているがその影響でまたこの作品が漫画化されたのかなーと思ったけれど、どうやらそうじゃなくこれは2002年ごろの作品らしい。映画化の影響でたまたま新装版が再出版されたということなのだろうか。

 

こちらの実写化は大好評らしい、早く行かなきゃ。映画も原作も漫画版も、将棋好きでもそうじゃない人もぜひとも読んでもらいたい作品です!たまに思うのですが、自分が冬山登山ものや将棋、それも奨励会という鬼の住まう場所に焦点を当てた作品が好きなのは「深町の慟哭」よろしく、日常にはない何かを求めての事なのかなーと思う今日この頃。

勝負の世界に生きてきた、なんて格好良い事を言うつもりは無いが、日常は余りにも平坦で……

コメント

  1. コピペ より:

    君の名は。三回見て三回泣いたミーハーですw
    面白いというより良かったねって感想です。
    駄作と言えばドラゴンヘッドですねwまさに何が言いたいのか^^;

    投稿: りゅ〜 | 2017年1月 5日 (木) 08時31分

    あけましておめでとうございます。
    昭和元禄落語心中という漫画はお勧めです。
    ご存知でしたら失礼ですがw

    投稿: むにむに | 2017年1月 5日 (木) 11時42分

    スターウォーズのスケールで北斗の拳実写化して欲しい

    投稿: kenji | 2017年1月 5日 (木) 12時57分

    「聖」めっちゃ面白そうですね。読んでみます!

    投稿: のっぽさん | 2017年1月 5日 (木) 14時18分

    「聖」買おう買おうと思っていたのですが踏み切る事にしました!「君の名は」は多分ロードショーでいつかやるだろうと見に行ってないですね
    実写化はやっていいものと悪いもの絶対にあると思うんだよなぁ「スラムダンク」とか実写化したら120%クソになる気がしますどんなに技術が進歩しても漫画と実写双方越えられない壁があると思ふ

    投稿: ヨシホイ | 2017年1月 5日 (木) 16時41分

    私は村山さんの「せっかく伸びてくれた爪や髪を切りたくない」という話が大好きです。
    そういう状況にならないと理解できない事ですよね。
    うみさんの腰痛も内臓系の病で急にメチャクチャ深い事を書き出したら良いのに。
    なんとなく魚氏の見た目は村山さんに似てそうな気がしますね。小汚ないという意味で。

    投稿: 武器屋 | 2017年1月 5日 (木) 18時39分

    君の名は。は少しでもマイナスな印象があるなら見ない方がいいと思います。そうでないと突っ込みどころ多すぎて見てら

    投稿: トマト中毒 | 2017年1月 5日 (木) 21時03分

    マンションに住んで9ヶ月。
    初めてNHKが来ました。無視を続けていてもいいですか?

    投稿: のっぽさん | 2017年1月 6日 (金) 08時59分

    桃鉄よりドカポンのほうが好きだった記憶がある。
    両方そこまでやってないですけどw

    村山聖、全然知らなかったです。ちょっとググりましたが凄い人だったみたいですね。

    昔、藤原竜也主演でドラマやってたみたいですけど
    なんか想像出来ちゃうなぁw

    投稿: 三重県人 | 2017年1月 6日 (金) 12時48分

    を?!
    漫画でてたんか?
    と検索して聖☆おにいさんを読破してしまいました

    投稿: 掟 | 2017年1月 7日 (土) 13時39分

    漫画といえば、八雲さんは餌づけがしたいはうみさん向けでおすすめです。
    さすがにもう知ってるとは思いますが念のためにおすすめしておきます。

    投稿: むむむ | 2017年1月 7日 (土) 20時25分

    あけましておめでとうございます。
    新年早々体調を崩してしまい、仕事始めをブッチして明後日の今年初出勤に備えていますが早くも会社行きたくない気持ちで一杯ですw

    昨日凱旋打ったら2回もGOD引いて5000枚近く出たんですけど、以前に比べて燃えるものがなく僕も引退が近いのかななんて思ってます。
    今年もよろしくお願いします。

    投稿: 椰子 | 2017年1月 8日 (日) 23時13分

  2. umi より:

    >>りゅ~さん
    マジすかw映画何週もする気持ちは経験無いわけじゃないからわからんでもないが… うーん。自分も見たら感想180度変わったりしてw

    でもそこまでして「良かったね」程度の感想なんすか^^;雰囲気映画とどこかに書かれてたけど正しくその言葉を裏付けるような感想だなw

    ドラゴンヘッドはそういえばいつの間にか出てていつの間にか消えてたな…今思うと漫画も微妙に過大評価受けてるような気がしないでもないが、アレを実写化は約束された敗北って感想しかないなぁ。見る気しないもんw

    >>むにむにさん
    あけましておめでとうッス!
    その漫画、前にラジオで誰かが絶賛してるの聞いて気になったんすけどその芸能人がミーハーっぽかったから逆に無いなと消してましたwそんな面白いんですか!?次の連休にでも読んでみますよ(゚∀゚)

    >>kenjiさん
    突然どうしたんだよwそんな奥の深い話でもないでしょあれはw

    >>のっぽさん
    あれこそ「プロ」と名乗るに相応しい世界だなとしみじみ思ってしまいます。特にパチや麻雀といった似非というか名だけのプロを名乗る世界にいた身としては、その純粋さに憧れさえ抱きます。

    「奨励会」という場所を題材にした書籍は多くありますが、存在そのものがドラマのような場所なのでハズレがまずありません。碁の世界は知りませんが似たような感じなのかなー

    >>ヨシホイさん
    今新装版出たばっかで上中下巻でまとめられてるので保存用にいいかもしれませんね(゚∀゚)

    漫画と実写はどうしても迫力の種類が違うものになりがちで、今のところお互いの良さを生かしきれているメディアミックス作品って少ないですよね。

    アニメやマンガの実写化って既に出来上がってるものをこねくり回してるだけだから難しいのかな…純文学の実写化は結構うまく行く事が多いのですが、一度出来上がったイメージって崩すのは大変ですもんね。視覚の占める割合って想像以上に大きいのかもしれません。

    そうじゃなくても邦画は推しアイドルの発表会みたいになってますしね><

    >>武器屋さん
    あれは村山さんの生き様が滲み出てるセリフですよね。「冴えんなぁ」という師匠の口癖も好きです。原作のそういう雰囲気をマンガ版ではより一層際立たせる表情で表現してくれてますよ(゚∀゚)

    魚君はどっちかというと小奇麗デス・・・といいたいけど、こないだ会った時も何年来てんだって服着てたしなぁw

    >>トマト中毒さん
    なんか批判の意見もかなり多いですよねwやれ媚びた結果だの、やれ童貞の作品だ、みたいな(;^ω^)

    妻が新海作品好きで、バケモノの子とかおおかみこどもの~とか未だに何度も見てるんですが、やっぱり何度見てもあざとすぎる感じがして好きになれないし、少なくとも映画館では見ることはないと思いますw

    ところでその名前、僕がトマト嫌いなのわかっててのもの・・・じゃないですよね?凄い偶然だなw

    >>のっぽさん
    「テレビはありません!」など、一度とりつく島もないほどの毅然とした態度で追い払った方が今後の不安を取り除くという意味で良いとは思いますけど…ご自由にw

    >>三重県人さん
    僕はドカポンはやった事ないんですよ。地域性みたいのってあるんですかねw?モノポリーも知らないんだよなぁ。

    村山聖さんは無論凄い人だったと思いますが、あの世界ではこれぐらい命を賭けて臨んで日の目を見ないまま消えていった人がごまんといるはずです。村山もすごいが、奨励会というシステム、棋士という存在こそが凄いんだとも言えるでしょうね。

    藤原版は画像だけ見た感じ、ちょっとばかしスタイリッシュな印象受けちゃいますね。その点役作りのためにあそこまで体重増やして臨んだ松ケンはすげぇぜ…

    >>掟さん
    確か掟さんから「聖の青春」薦められたのが始まりだった記憶があるんですが、その説はありがとうございました。漫画版を逆推薦させて頂きますよ

    >>むむむさん
    おー!!それね、前にどっかで話聞いて画像検索して凄い読んでみたいと思ってたんですが、なかなか行動範囲内で見かけなくてね…

    しかしメガネっ娘要素で惹かれたものの、「餌付け」というワードからそこまで内容には期待してなかったりもするw未亡人設定らしいがめぞん一刻ばりのラブ要素でもありゃいいが、画像検索する限りでは近所の野球少年が相手みたいだしなぁ…w

    おすすめありがとう。自分そんな漫画ソムリエみたいなもんじゃないから知らないのばっかですって。どんどん教えてくださいよw是非、見かけたら読んでみますよ!

    >>椰子さん
    あけましておめでとうs。

    仕事始めって5日じゃないんすか?だとしたら…夢の11連休とかやっちゃってますぅ??タイミングがタイミングだけに、絶対サボってると思われてんだろうな(;^ω^)

    スロ動画はもうモンハン月下を喋りながら~以外全く見なくなりました
    元々大して見てないけどw)。もうすぐ引退して三ヶ月ですが、今のスロには後ろ髪が全く引かれませんな。やめるにはいいタイミングじゃないかな~と思いますよ。

    天鳳で10段目指してブログでも始めてください。本出したらサイン会行きますからw

    今年もよろしゅうに!

    投稿: umi | 2017年1月 8日 (日) 23時14分