10/6  連勤の計

前回、此度の台風24号の被害を対岸の火事などと書いたのだが、どうやら対岸には龐統が控えていたらしくレッドクリフ、その火はやがて僕の方へと燃え移る事となる。

8:00~17:00の通常業務を終える直前に召集されたブラック企業の災害復旧工事。恐ろしい事にこの後すぐ18:00に来いなどと言われるも、まあさすがに明け方には解放されると思っていた。

が、現実にはそのままノンストップで朝の11時頃まで駆け回る羽目になり(;^ω^)…

27時間ぶっつづけで働かせておいて、睡眠時間5時間弱を強要してくるブラックっぷりはさすがの一言であるwでもまあ災害復旧ってそういうものなのかな?と思い、重い体を引き摺り翌日も駆け回り…

 (さすがに今日こそ明け方には終わるべ^^)

…という願い虚しくw、結局その日の復旧作業も18:00~翌9:00まで続いたというのだから、もうね(‘A`)

そうして最初の話だと今日明日手伝ってくれみたいな言い方だったわけで、だからこそ多少の無理もして頑張ったというのにだ。

 「あー、思ったより全然復旧が進んでないから最後まで面倒見て欲しい」
 「た、た…

で、まあ現実に高熱でぶっ倒れてたわけなんですが(;^ω^) 
 
 
しかしブラック会社云々ではなく、災害復旧ってのは一刻を争うものと考えるとこういうものなのかなと思わないわけでもない。そもそもにして、ブラック会社でさえも復旧活動を他地域から頼まれている状況らしいし、今現在皆さん現場ではてんやわんやなのだろう。多少の無理はみんなしている。

やってみてわかったが頭が下がる思いでいっぱいである。よく某掲示板のパチ板なんかでドカタを嘲笑する節が見られるのだが、こういう災害時において彼らの力なくして事を成し遂げる事など不可能だとほとほと思い知らされる。なんなら僕ら電気工事士だってジャンルとしてはガテン系なのだろう。  

職業に貴賎は無いと言うレベルの話しじゃないにしても、普段意識すらしていない職業に対する敬意のようなものはこういう経験でもしないとなかなか改められないものだろう。どんなに優れたシステムだって、構築するのは生身の人間なのだ。

さて、今回僕らがやったのは主に複電とそれに至るまでの保守作業。停電している中で優先して動かさないと困る施設、設備、危険なものなどに発電機から動力を確保し複電するまでの面倒を見るというものであった。それは例えば信号機や放送設備、電波塔やらそういった類のものだ。

 (まじか(;^ω^))

初日、27時間テレビを敢行した日はまず静岡県の西部へ、俗に言う静岡王国浜松州である。実際僕らの地域でもちらほら信号が止まっていたところもあり、娘一号の通う中学校も停電により休校していたのだが、如何せん自分ちの近所ではそういった事がなかったため停電すらも対岸の火事に思えていて、しかしここに来て少し考えが変わった。あの小生意気な浜松(当社比)が見る影も無くなっているのである。一時期周辺に住んでた身としては衝撃的であった。

 (今回の台風って割と本気で凄い規模だったんだな…)

広大な地域が停電していて、陳腐だが星が綺麗に見えるぐらいという表現がピッタシなのだ。この地域の数箇所の施設保守を受け持った僕らは片道一時間半掛けてここまで来たものの、それ以前に八時間労働をしてきたにも関わらず休憩無しであちらこちらと飛び回される。実際やってて無茶な振り分けだと思ったのだが、周辺の班も同様にもっと無茶振りをされてるところもあって、明らかに人員が足りておらず、さらに上の方(元請)の状況把握や情報の共有が為されておらず現場は常時てんてこ舞い。某社が災害時の対応を練ってない事がよーくわかる初動であった。

そうしてようやく持ち場が一段落ついたところでお昼(夜勤の)にしようと思ったのだが、そうなのだ。

 「これ、冷静に考えると店どこもやってないね」
 「というかコンビニさえも閉まってますよ!?」

考えてみれば当たり前の事なのだが、これが災害慣れしてない静岡人の悲しさか。

普通に吉野家辺りでご飯を済まそうと思っていた僕の目論見は儚くも脆く崩れ落ち、妥協のコンビニでさえも開いていない。付近で電気が灯っているのは保守活動によって復旧している一部の信号機と自家発電設備を備えている極々一部の店子のみだが、例えば煌々とネオンを輝かせている中古車販売屋などがこんなとき何の役に立つというのかw街灯に回して欲しい。

幸いガソリンスタンドはこういうときも自家発電で営業してくれているが、車と発電機の燃料は補給できても我々の栄養もどうにかせにゃならん。

 (おっ)

やがて遥か彼方の電気の灯っているエリアへ、まるで虫の様に群がっていく人々。みんな考える事は同じなのだろうね。

 (これは震災を思い出させるなぁ)

何軒か回ったけど食料はほぼ売り切れていて、たまにカップラーメンがたんまり残っている店があったりしても、

 「これお湯出るんですか!?」
 「すみません…ここにあるお湯は昨夜のものなので、衛洗面から当店では提供しない事にしてるんです」
 「そういう事か…」

なるほど、水道も止まっているのだな。
  

翌日は山間部の復旧へ駆り出された。

 (ブレアウィッチプロジェクトじゃねえかw)

ただでさえ暗い山中、街灯が消えたらもはや闇。死体が出るか猪が出るか、ビクビクしながら担当区域を回る。途中闇の中からヘッドライトに照らされたカモシカの番いが飛び出てきた時は心臓が止まりそうになった。


マジでこんな感じ(シシガミ様)だったのだw

他にも狸にキツネ(イタチ?)、野犬に得体の知れない動物など、闇に紛れて山道には獣がわんさか。普段拝むことの無い、みずみずしいまでの生命力はひたすらに神々しくて、ただただ圧倒されるばかり。人間はここでは部外者なんだよなーと思わずにはいられない。

 (マジですかー(;^ω^))

他には現場へ行く途中に土砂崩れで道が潰れていたりと、そしてそれを告げる電光掲示板が停電のせいで機能していなかったため我々は二時間かけて今来た道を引き返す事となったのだ。

 (これってガチの災害なんだな…)

ここらへんでようやく事態の深刻さに気付く。何が対岸の火事か。方々へと火の手が回っている事に気付いていなかっただけではないか。

恐らくだがこうして災害復旧に来なければ、次の日も普通に仕事をして「まだ信号止まってる地域ありますね~w」なんて言いながら暢気にエアコンでも付けていたのだろう。片道一時間ちょっと行った地域は深夜にコンビニに何も無いなんて事さえ想像すらせずに、アホ面引っさげて部屋で将棋解説動画でも眺めていたのだろう。

 (この無関心さはもはや罪だぜ…)

僕だけじゃないはずだ。だからと言って何もボランティアをしろとまでは言わないが、せめて自身のために備えるぐらいはしておきたい。

延いてはそれが災害復旧の一助となる事だってあるんだろうし。
 

5日現在、ようやく県内のほぼ全ての信号機は復活したようだ。それでもなお、浜松市を始めとして未だ1530戸の停電は続いている。情けない話だが、僕は金曜に高熱で倒れてダウン。現場から離れる事になったが、今現在も班員は保守活動を続けている。一応元請の話では土日(七日)までには完全復旧を予定しているそうなので、残りの数日災害復旧班のみなさん頑張ってくださいまし。

よい経験と言っちゃあアレなんだけど、確実に意識改革には繋がる出来事であった。

さすがにもう台風でワクワクできなくなるかもしれないwとりあえず25号は勘弁してください(;^ω^)

コメント

  1. のっぽさん より:

    我が市の復旧にご協力いただきありがとうございます。聞いている範囲では火曜日の夜には電気が通った感じです。山奥がまだなのかな?
    ゆっくり休んで元気になってください。

    寝込んでいるumiさんには申し訳ないですが、私は今日と明日で連続ゴルフ!復旧万歳!

  2. ドラ猫 より:

    復旧作業お疲れ様です!
    静岡の遠い方停電か〜位で何の危機感もなかったけど、こういう作業をみんながして直っていくんですね。
    頑張ってるから万枚出ても許したるで!

  3. kenji より:

    70連勤とかはありましたが
    夜勤絡むとキツさ10倍ですよね
    漆黒の連勤術士(時間)

  4. キヨ より:

    なんや。考えさせられるいい記事やないか、今回は。
    お疲れちゃん。

  5. はりねずみまる より:

    お仕事お疲れ様です。
    子供の頃は、台風でワクワクしてしまうものです。
    「うひょ!風つよ!一反木綿飛べねーよ!」
    大人になると、台風でワクワクしてしまうものです。
    「安全第一です。早めに帰りましょう。」
    現場の生の声に反省です。
    お大事に!

  6. umi より:

    >>のっぽさん
    たしか浜松天竜区?、森町辺りは最後まで残ってました。明け方になると浜松バイパスがメッチャ混むから疲れ倍増ですたい><

    ゴルフかー。興味はあるんですが時間と腰の問題でこの先触れることがあるのやら・・・楽しんできてください!日常を皆さんが楽しめてこその復旧強行軍です。

    >>ドラ猫さん
    僕も過去何十発という台風ではしゃいで来ましたが、その裏でこういう事があるとは想像さえもしてきませんで…そしてこの歳になって触れるというのだから面白いものですね。
    三連休の最後半日、モンハン触ったんですが…ストレスにストレスを重ねる結果になってまた寝込みかね無い感じですw万枚よりアマツが欲しい…

    >>kenjiさん
    自営業でもないのに70連勤とか、すごいというか哀れみさえ感じてしまうわ(;^ω^)
    夜勤はもう厳しいねw疲れが取れないし昼寝ても夜ちゃんと眠くなるし、時差ぼけ直すのがすごい大変だったしでもう雀荘で働くの無理だ…

    >>長渕さん
    冷静に考えると俺らの地元って災害的に相当やばそうだよねw海・山・川・無限大って感じで、そういえば昔19(ジューク)でそんな歌あったよな。

    冗談はさておき、そろそろ近況報告聞きたいんだがw?

    >>はりねずみまるさん
    ワクワクしてるけど終ぞ台風で仕事が休みになった記憶がない…
    どころかこれからは猛烈な台風の度に復旧に怯えることになりそうで(;^ω^)何事も裏側なんて知るもんじゃありませんねw

  7. ヨシホイ より:

    お疲れ様です!体調崩されたのですね・・連勤の計の後にはちゃんと連休の計を使って下さい!

  8. umi より:

    >>ヨシホイさん
    ところがどっこい!

    連休どころか来週から一週間の出張?そしてその後三週間笑いあり涙あり夜勤ありのハードな過密スケジュールをブラック会社より言い渡されました(;^ω^)仕事あるときだけ呼んでって言ったら仕事だらけにされたでござるwwwwウケルwwwww