『これからも贔屓にさせて貰うぞ!!』
あまりの美味さに感動し、帰り際、こう心の中で呟いたお蕎麦屋さんに僕は有限実行、あれからも足繁く通っている。実家から一時間半ぐらいかかる距離にも関わらず、それを苦に感じさせない蕎麦湯の魔力。ラーメンマンから蕎麦男にモデルチェンジして以来様々な有名店を廻っているが、未だここより美味い店を僕は知らない。
さて、話はGWにまで遡るのだが、帰省した際にアホ面を引っさげて件の店へと向かった時の事だ…
(って、ちょっ!!!??)
衝撃のシャッター演出が僕を出迎える。なんと、店が閉まっているではないか。それも、休みとかじゃなく、閉店の気配をビンビンに感じる気配に冷や汗がたらり。
(うそ・・・だろ(;^ω^))
とてもじゃないが、店を閉めるほど切迫した経営状況には見えなかったが…
「…ん?」
と、よく見ると閉められたシャッターに紙が貼ってあり、そこには『移転しました』との文字と地図。
(ほほう、駅の近くになったのか…)
どうやらよりよい箱を求めて街へと移動したようだ。確かに今までの場所は結構不便であったし、駅から歩いていける距離になるならこちらとしても願ったり。結局この日は時間の都合上新店の方に顔を出すことは叶わなかったものの、期待を胸に帰路に着き、それから一月ほど経った先日、ようやく来店の機会が巡ってきた。
(お、あったあった♪)
駅から歩いて数分、懐かしの暖簾を見つけ気を引き締める。まず第一歩が肝心である。結局僕は初めてこのお店に行ってから、およそ月1ペースで通っているのでギリギリ常連と言ってもいい位置づけにはいると思うが、如何せん妙なこだわりから未だに店主との会話も無く、存在感は幽霊みたいなもの。
だからこそ今日、この第一歩は非常に肝心なのだ。高校デビューよろしく、新店デビューしたい。この新しいシマでは端から「常連ですが何か?」みたいな態度で行きたい。勝手知ったる様子で、できればメニューなぞ見ないで注文してやりたい。
延いてはそれが僕の悲願である「大将、いつもの!」に繋がるわけだ。
本音を言えば店主が僕の顔を見て「おっ!ご無沙汰でしたね、旦那!」とか言いながら、「旦那はいつものヤツでよろしかったんでさぁ?」とか言ってくれれば最高なんだけど、それはまだ今の段階では高望みしすぎだろう。
(とりあえず、新規客どもに舐められないようにしないとな)
パンパンッ!!頬を両手ではたき、気合を入れて暖簾をくぐった。
「いらっしゃっせー!」
店に入ると気持ち、店主が「お!」みたいな表情をしたような気がするが、その真偽を確かめる術はやはり今の僕には無い。澄まし顔にてカウンターへと腰を下ろす。
(・・・ふむ、だいぶ狭くなったんだな)
以前の店に比べ多少狭くなった店内を見回す。四人がけテーブルが一つ減っているし、カウンターも二人分ぐらい狭くなっていた。なるほど、これが駅近というやつなのか。地価というものをまざまざと感じさせられる。
(さて…)
ここが肝心や。後ろの四人がけテーブルに座るカップル共に見せ付けるよう、僕はお茶を用意するウエイトレスさんを待たずにメニューを見ず発声した。
「すいません、三色、一つ」
以前の店でもそうであったように、俺はこれしか頼まないぞというオーラと共に注文する。三色とは(セイロ・サラシナ・イナカ)という製法の違う三種類のお蕎麦セットの事で僕のお気に入りだ。決して麻雀とは関係ない。
(ふっ、店主よ。これで俺の事を思い出し
「すいません、サンショクはこっちじゃやってないんスよ^^;」
あろう事か、「いつもの」が消えていた。
コメント
(^ω^店)「もっと客の来る場所に移転するぉ」
(^ω^バ)「いいっすね で、どこらへんすか?」
(^ω^店)「駅近にすれば客が沢山来るはずだぉ」
(^ω^バ)「流石店長 ぱねーっすわ」
(^ω^店)「駅前に移す時にもっと回転数上げたいんだがなんか
良い案はないかぉ?」
(^ω^バ)「うちはメニューが多いと思うので
もっと単純なメニューだけがいいっす」
(^ω^店)「じゃぁ麺を3種類も使うめんどくさいこれは
いらないな。元々カイジしか食べてなかったし」
(^ω^バ)「そうっすよね 別にカイジだから別のものでも
いいんすもんね」
という会話があったとかかなったとか
いつも楽しく拝見してます。
普段ブログに、コメントとかしないんですが、思わず吹き出してしまったです。
いつも感心するんですが、文章力半端ないですよね。
自分にとっては「いつもの」ブログなんで
移転したり消えたりしないでくださいねw
関西のおっさんなら
「あれ?前の店でよく食べて美味しかったのに、無くなっちゃうとか勿体無いわー」
と以前から通っている事をアピールしつつ
「じゃあこっちではどれお勧めなん?」
とか話す→妙に仲良くなる、て感じなんだけどw
つうか「いつもの!」にしたいなら
しょっちゅう通える近所にしなよ(´・ω・`)
私はかお覚えられやすいです。
恐らく開店1番かお昼遅くかの客の薄い時間に現れ、大将に話しかけるからかな?おまけして貰えるようにすぐになって、まかないが食べられるようになれば常連に認定じゃないでしょうか?
この運の悪さ、格好のつかなさ……
やはりうみさんは僕と同類だ!!1!
三色が無理なら一通にすればいいじゃなイカ(適当
>>kenjiさん
店主の蕎麦に掛ける情熱を知ったらとてもそんな妄想は言えなくなるぜぃ!?
マジレスすっと、狭くなったから必然冷蔵庫も小さくなったからメニューを減らさざるをえなかったんだと。初めて店主と会話したよw
>>名無しさん
どもども^^マジでドラちゃんみたいなリアクションとっちゃいましたよw
文章は…継続は力なりって事なんでしょうかね^^
>>ギッチョさん
それは今後、僕の「いつもの」生活がどういう変化を遂げるかによりますなw
爺さんになっても続いてたらいいとは思いますが、そこで「今日の海物語は…」とかは書きたくないなぁw
>>やす@豊中さん
おお、なんかわかるw関西人の気さくさ…って地域のせいだけじゃないんだろうけど、なんかわかります!
近所にも贔屓にしてる店はありますけど…なんすかね。やっぱその先にある馴れ合いが嫌だから結局自分から距離を置いてるのかな僕は^^;
>>( ・ω・)y-~~~~さん
あれ?本当にあなた( ・ω・)y-~~~~さん???
言ってる事がまともすぎるぞ!?
>>おがさん
ど、同類??
ざわ・・・ ざわ
>>椰子さん
87点
一人の時は食わないかコンビニで済ませてしまう自分には、絶対に訪れない…。
意外と蕎麦って食べる機会がないですよね。
むしろ一人の時にこそ発掘のチャンスでござい^^モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで……
蕎麦はそうですね、ちゃんとしたのは意識しないと行かないですよね。駅前の立ち食い蕎麦やラーメンなんかとは一線を画してる。