1/25　　誰誰詐欺

二十時を回った頃、ようやっとクソ寒い中での拷問のような労役を終え部屋の暖かさにホっと一息ついていると母から電話。何か理由もないが良くない感じを受け身構える。

　「なんじゃい(´・ω・｀)？」

すると母の第一声は予想だにしないものであった。

　（と、とうとうボケたか（；＾ω＾））

初めそれはギャグだと思ったが、話しているとどうも本気の様子。

　「ボケたの？」
　「あの、あなたが昼間私に電話してきたようなので･･･」
　「え？」
　「え？」

聞けば昼間に僕の携帯から二度着信があったらしく、その折り返しをしているようだ。にしてもおかしいな、それなら僕の名前で番号が出ているはずで、つまり僕の番号を登録していないとか今更ありえるのだろうか。最近携帯を変えたなんて話も聞いてないし･･･

　「あれ？あんたうみ？」
　「やっと気付いたか。それ、携帯壊れてんじゃない？」
   「えー？そんな事ないと思うけど」

念のため僕の携帯も確認してみる。作業中に誤作動などで発信してしまうなんてよくある話だが、しかし履歴を見ても一切母に連絡した様子は無い。

これは一体どういう事だろう？

単なる母の携帯の故障だとは思うが、昨今流行のライン乗っ取りなどもあるし、携帯電話の乗っ取りだってあってもおかしくない（今更だが僕の電話用携帯はガラケーだ）。とりあえずは僕より情強である弟達に事情を話してみろと言い電話を切ったのだが、

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

　「あれ？今度は私ｗ？」

すぐさま妻の携帯に電話がかかってきた。相手は母だ、嫌な予感がする。

　（マジでボケてんじゃね？）

が、またもや僕の予想は裏切られる事になる･･･。驚愕の母から妻への第一声がコレだった。
　
　「もしもし、妻さん…

どうやら母は携帯の故障よりも先に僕の偽者説を疑ったようで（；＾ω＾）

　（っていうか息子の声ぐらい判れよｗ）

ともあれボケては無さそうで一安心かな。かな？