1/22　　主導権争いに忍び寄る黒い影

　「おう、うみさんよ、今やってるのはしばらく休みでいいからさ」
　「え」

さすがは晴れ時々地獄を地で行くブラック企業である。

　（前日に言う事じゃねえだろｗ）

突然天国のような１人気楽な仕事を中断させられ、翌日より地獄が始まった。何が恐ろしいって一応協力業者に仕事を割り振っているというのにお金の話は一切せず、そして本人の了承も全く得ないまま予定を組んでくる点。

　「あのー、自分こないだ休日出勤したから次の月曜代休入れてんすけど」
　「…………」
　「(´；ω；`)」

うちの会社は一応第二、第四土曜は休みなのだが彼らの法にそのようなものは存在しない。

とは言えお金はしっかりくれるというか、それなりに稼ぎのいい仕事を割り振ってくれてはいるので後々出来高を聞いて「え？そんなに」というのもあるのだが（ちなみにいつぞやの災害復旧の時は日給3万ちょっとだった。北斗無双の26/ｋぐらいの台ｗ）、

そういうときは大体「日当」制であり…
　　

　「はぁはぁ･･はやく寝たい(‘A`)」

地獄初日、ようやく事務所へ戻ってこれたのが18：00を過ぎた頃であったのだが、

　「よし、じゃあこの工事で使う機械の講習やっちゃおうか」
　「え！！？？」

日給制をいいことにここぞとばかりに予定を詰め込んでくる。果たして狙ってやっているのかどうかは定かではないが、残業代が出ないのに講習とか酷くない？普通こういうのって前もって時間とってやるもんでしょ？？

結局この日帰れたのは21時を過ぎてからであった･･･

　「明日も終わったら別の機械の講習ね」
　「･･･はい。」
　「あ、あと土曜（休日）の夕方会社出てきて。必要な資格とってもらいたいから」

　（マジでブラックだわこの会社(‘A`)）

と、そんなのが毎日続いたのが先週の出来事。疲れ果て活動時間の合わない愛娘二号との触れ合いがほとんどないまま一週間を過ごした結果…

 「ああ、やっと休みだ。タプちゃん･･･疲れたよ、癒しておくれ」

　「おう、誰だおめえ見ねえ顔だな」
　「！？」

なんと、ほんのちょっと風呂に入れたりご飯をあげたり寝かしつけをしなかっただけで、娘二号の中での僕の家庭内順位が一気に下がってしまったらしいｗそれこそこれまで毛嫌いしていたはずの一号に懐く様は戦慄を覚えたほどだ。

毎朝、僕の顔を見て嬉しそうにずり這いをしてきた姿はもうどこにもなく、夜中に寝かしつけを買って出ても体全体を使って妻の方へと逃げ出す始末。以前まではこんな事はなかった、僕が二号を一番うまく寝かせつけられるんだぁ！という自負を持って生きていたというのにだ、
　　

最近おぼえた「ずりばい（匍匐前進のような動作でハイハイの一歩手前らしいが、そんな名前があったのか）」では、決して一号に寄ることは無い。

反面で僕や妻は既に無条件で味方だと信じきっている様子。毎朝、僕が起きたのを確認すると目を輝かせ笑顔の匍匐前進でこちらに駆け寄る様など正に今が旬の親の醍醐味であろう。　　

赤ちゃんでもここまで露骨に好き嫌いが出るのだなぁと感心してしまうぐらいだ。

…上の文は1/10に書いたブログから抜粋したものであるが、そこからたかだか二週間程度でここまで露骨に評価が変わるのだなぁと感心してしまうｗ

晴れて娘二号の推しメンの座を不動のものとした妻が、心なしかしたり顔。全身からにじみでるドヤ感が耐えられない。それは以前まで僕が出していた筈なのに…うらむぞブラック会社。