4/11　　熱き血潮に胸打たれ

　「別れようって言われた(´；ω；`)」
　「ﾌﾟｷﾞｬｷﾞｬｷﾞｬｷﾞｬー――m9(^Д^)――!!」

続・娘一号の初彼氏物語。
　　

あの後、結局すぐにでも会いに行くのは断念した模様だったがではいつなら会っていい？と。

　「そうだなぁ、七夕の日とかロマンチックじゃね？」
　「え？七夕ならいいの(ﾟ∀ﾟ)!?」
　「まあ向こうが来るなら考えてやらんでも･･･」

少し早いかなと思っていたけど、しかし出会いに早い遅いも無いと考え直した。ネットで知り合って二日で付き合うのがダメなら、では一週間ならいいのか？一ヶ月ならどうなのか。一年なら？

個人の感覚では一ヶ月ならまあ･･という所だが、それも熟考すると曖昧な線引きだ。そもそもネットでの出会いという方が引っかかりを感じる要因だろう。顔も見ずに付き合うなんて･･･

　（む？だったら尚更会ってみないとダメなのではないか？？）

堂々巡りしてるようで、やはり考えを巡らしていると新たな発見がある。

結局僕はポッと出の新人が気に喰わないだけなんだと思う。例えばこれが小学生の頃から好き好き言ってた野球少年Ｒ君だったら･･･まあ、許したろうな。

ただそれ以外ほとんど話しに出てきたことすらない学校の男の子だったとしたら、塾で出会った高校生だろうと何だろうと皆同じだったろうと思う。そりゃあ前々から付き合いがあって好きになるエピソードがあって･･･、という方が少なからず安心も出来るのだけど、恋愛の世界にはいつだって一撃必殺「一目ボレ」なんてものがある。

そう考えれば顔を見ずに付き合おうが、既に付き合った今となっては出会い方などそこまで重要ではない気もしてくるわけで･･･

考えれば考えるほど僕がポッと出の新人の千葉サッカー少年を否定する理由があまりないのだ。

前回も書いたがスポーツ特待生として他県の有名高に進学したらしい彼は、怪我で選手生命を絶たれそのまま退部→退学というコースを辿っているそうだ（どこの漫画の主人公だよｗ）。そして現在は通信高校に通いながらバイトして学費を自分で払っているそうだが･･･

果たしてその話がどこまで本当かはともかく、しかしここに来てそれらの話を多少は裏付けるエピソードが出てきたのである。

　「うみ～、やっぱり千葉行っちゃダメ(´；ω；`)？」
　「･･･昨日の今日でおまえ＾＾；」
　「だって、○○くん（彼氏）のお母さんが付き合うなら一度彼女を連れてこいって言ってるみたいなんだもん」
　「お母さん！？？」

なんてこったい。高校生にもなって付き合うのにお母さんの許可が必要なのか（；＾ω＾）

これを聞いてお父さんドッカンですよ。

　「ふざけんじゃねー！なんで年下の中学生の方に来させるんだよ、見たきゃテメーらで来いってんだ！大体なんで彼氏のお母さんが許可出さなきゃ付き合えねーんだよｗ普通逆だろうがｗｗ」

割とカッと来て怒鳴ってしまったが反省はしているｗ　

しかし同時にこういう考えも浮かぶわけで。

　（さすがにここまで来ると出会って２秒でＡＶデビューみたいのはありえなそうだなぁｗ）

聞けば聞くほど相手側の事情が透けてくるようで、テレビ電話も含めてそこには等身大の高校生の小僧しか見当たらないわけで･･･既に電話口の向こうには姉と妹まで出てきたらしいｗするとどうやら言ってる事に嘘がないのでは？と、今ではそう思うに至っている。

相手側の親もどんだけ常識がねーんだよと思っていたが、聞けば例の発言は「アンタは高校を辞めたばっかでそんな事してる場合じゃないでしょう！付き合う子に本当にこの子（彼氏）でいいのか状況を説明してあげるから連れてらっしゃい」という事らしい。

まあだからと言って年下の女子中学生に来いってのはアレだが、自分が同じ立場だったらわざわざ見に行くなんて発想にはならないだろうしなぁｗ

で、娘が受験を控えているのもあり、彼も彼でいろいろ考えなきゃならない事は山ほどあるというにお互い遠距離恋愛なんてしてる場合じゃなかろうという意味合いを込め、冒頭の「勉学がおろそかになるなら別れなさい」という事態に至ったらしいが･･･

なんと言われた娘はともかく、相手もそれを伝えながら二人して涙したのだそうだ。

　（･･･俺達が失ってしまった何かだ、これはっｗ･･･!!）

若干の胸焼けを起こしそうになりながらも、この若者達のまだ始まってもいない物語の序章を彩る涙に僕はそう悪い印象を持たなかった次第。

っていうか、もしかして彼氏君案外いいやつなんじゃね？とまで思ってしまったのだｗ

　「短い付き合いだったが縁があればまた会えるさ」
　「は？別れないし」
　「あらあら」

そうして二人で話し合った結果、とりあえず娘の受験が終わるまでは会わないことにしたそうだ。おおよそ一年という所だろうか。

　「受験終わったら千葉まで行ってもいい？」
　「さすがにそこまで続いてたら文句は言わないよ。がんばれ」

結局収まるところに収まってくれたようで、今後どうなるかは神のみぞ知るといったところだが人事は尽くした感があり、望外の着地点のようにすら思える。

後は我々保護者達の出来る事と言えば、文字通り若さが暴発しないよう見守る事、そして･･･

　「何ヶ月続くと思うｗ？」
　「うーん、お互いの誕生日ぐらいは行くんじゃない？」
　「俺は冬は越せないに10000ｶﾞﾊﾞｽ!!」

賭ける事ぐらい、だろうかｗ

ガンバレ若人。何だかんだで父は少し応援してやりたくなってきたぞ。