6/26　　薄毛の巨人

生まれてこの方アパート暮らししかしたことがなかった僕には初体験。

庇に蜂の巣があるやんけ！！

今回蜂の巣が見つかったのは1.5階とでも言えばいいのか…平屋の天井が高くなっている部分の軒下で、妻に言われて見るとなるほど、確かに小さなハチの巣が出来ていやがる。飛んでる蜂の種類的には足長蜂のようだが？

と言ったものの、蜂の巣の除去って結構怖いイメージがあるんだけど大丈夫だろうか？昔二度ほど蜂に刺された事のある身としてはアナフィラキシーショックが心配なんですが…

そういえば最近やけに料理の味が濃いような…

それはともかく、まずこういうのって素人がやっていいものかと調べてみるも、スズメバチならともかく足長蜂程度なら巣が小さい内なら大丈夫らしい。活動は夏場が最盛期らしく、時期的にも今回のうちのケースはまだ小さい方だろうな。

仕事が終わりさっそく巣の移動に取り掛かる。そう、この時点ではあくまで移動をするつもりで考えていたのだが…

とりあえず駆除の方法をネットで調べた感じ、流れとしては殺虫剤などを巣に吹きかけて、蜂が死滅したのを確認したら巣を除去。そして同じ場所に再度巣を作らないよう、周辺にも入念に殺虫剤を吹きかけて…と。

先ほどの写真、画像だと見えにくいのだが巣の左下辺りに番人のように一匹の蜂が待機していて、近づくと即座に威嚇してくる。

まず確認のために巣に近づいてみた途端、血の気の引くような凶暴な羽音と共に襲い掛かってきて危うく死にそうになった。

と言うのも何も大袈裟ではなく、先ほどのイラストに書いた通り平屋と言えど天井の高い部分の軒下なので普通に屋根上での作業になる。走り回る事は出来ないし、素早く逃げる事もできない。何より足場が不安定で転げ落ちそうになるしで本当に危ない。

これには博愛主義者のウミさんもさすがに方針を変更せざるをえないか…　一応、蜂は夜目が利かないらしく日没後なら巣を刺激しても襲われる可能性が低くなるそうだし、勝負は夜だな！

…と思っていたら、外で働いていた蜂が帰って来たのか、急に数匹の蜂が頭上をブンシャカ飛び回ると言う緊急事態に！！！

　（ぎゃあああああああ！！！！）

慌ててとりあえず持ってきたゴキブリ用の殺虫剤を手当たり次第辺りに噴射して蜂を遠ざけようとすると…　瞬く間に一匹二匹とコロリと落ちて、ちょうど風下に巣があったのだが、番人ものたうち回りながら巣から落っこちた。

そしてしばらくすると巣の中にいた数匹の蜂も苦しそうに飛び出してきて、そのまま力なく地面に落ちると二度と飛び立つ事は無かった…

気付いたら大量虐殺者である。

最高に気分が悪い。不可抗力とはいえ‥‥いや？不可抗力か？どのみち殺虫剤は噴射するつもりではいたが、まさかここまで効くとは…

蜂からしたらたまったものじゃないよな。これって突然巨人が自分たちのコロニーに襲い掛かってきて…感覚的には進撃の巨人の第一話みたいなものだろう。

さて、念のためさらに殺虫剤を吹きかけても音沙汰がないのでもう中には誰もいないのか？それか、女王蜂や幼虫が中で息絶えてるのかな…　気がどんよりと重いが、この巣をそのままにしておくとまた蜂が戻って来るそうなので心を鬼にして撤去を開始する。

巣のあった場所に謎の黒点が染みついてるのだが…なんだこれは？拭いても取れない。蜂蜜を煮詰めたようなものに見えるが、これを接着剤にして巣を釣っていたという事なんだろうか。蜂たちの英知の結晶、それを一瞬で破壊してしまった罪悪感で胸がいっぱいだ…

巣を除去してからも、数匹の蜂が辺りをうろついている。巨人に一族を根絶やしにされた生き残りという事か…

さぞや恨まれているんだろうなぁ…すまぬ。…すまぬ。