8/5  知られざる名作

寄生獣といえば誰しもが挙げる名作漫画であることは疑う余地がないのだが、同じ作者の作品でもヒストリエは読んだことがある人も多いだろう。だが、七夕の国という作品は知っているだろうか?僕は知らなかった。

1996年辺りの作品らしいのだが、おすすめ漫画スレなどでもこれまで一度も目にしたことがなかったし、なんなら漫画喫茶に置かれているのすら見たことがない。

今回、なぜかその作品が映画化するということで、登録しているアプリに原作漫画がアップされていたので読んでみたら…面白い!!表紙の主人公が既にパラサイトにアゴを乗っ取られたような状況だが実際はそんな事はなく、

主題はその下にあるエイリアンのような手。今作もやはり地球外生命体?が介入している寄生獣ちっくなSF作品であるが、例によって読み応えは抜群だ。土着信仰じみたとある地方の謎の風習を紐解いていく謎解きのような要素もあり、結末に近づくにつれ秘密が明らかになっていく様は見ていて快感ですらあった。

これを読むためにまた5000円くらい課金してしまったくらいだが後悔はしていない(´;ω;`)オススメします。

さて、漫画つながりという事で…

メルカリですごいお宝があったので即購入してしまった。

僕の暗い趣味の一つに麻雀漫画とパチ漫画の収集というものがあるのだが、久々に名作パチスロダイオヘッドを読み直したいなーと探していたら、なんとそれを含めた63冊がたったの6300円でまとめ売りされていて・・・はっきり言ってこれはお宝だ!

なんせ古本屋でダイオヘッドを全巻揃えようとしたらそれだけでもう5000円近くかかるわけで、その上に伝説の名作フラグのジョーの1巻や、パチスロ一人旅の全巻、そしてまさかの伝説の指南書「シノギ」まで揃ってるとあっちゃあマニア垂涎の一品と言わざるを得ない。

ちなみに話がそれるが、界隈で有名な「麻雀漫画50年誌」が画像の隅にチラリと写っているが、こちらも麻雀漫画好きにはたまらない一品なのでぜひ購入してほしい。麻雀漫画マニアの僕ですらまあまあついていけないぐらいマニアックな本であるが、だから良い。ぜひともこの情熱を買って貰いたい!

さて話を戻そう。

先程から当たり前のようにダイオヘッドと言ってはいるが、皆さんご存知…だよね?長らくスロットルを打ってりゃ一度ぐらいこの表紙を目にしたことがあろう。

恐らくパチスロ漫画の中で最も内容が濃いナンバーワンスロ漫画…だと僕は思っている。

とにかく内容がマニアックというか変態的で、出目から演出まで一般人が絶対にやらないような異常に細かい部分を狙っていくスタイル。例えば上記画像では、初代ハードボイルドで「3桁リール出現時限定の出目」を楽しもうというお題で出目と液晶の絡みから通常狙わない場所を狙っての激アツ目を拝もうとしているのだが、他にも番長の「前兆の前兆」の起点ゲームを探そうとか…果てはサーフトリップという昔の不遇AT機ですらビタで小役ハズレ目を狙っていこうとか…、よくそんな事を思いつくよなと、そしてよくそれを漫画にするよなと…w

かと思えばマニアック一辺倒ではなく、ちゃんと「漫画」としても成立している点が素晴らしい。そして大抵のスロ漫画がいつの間にか打ち切りのように消えていくのに対し、一応きちんと最終回を迎えてしっかりと終わった点も評価せねばなるまい。まさかの夢オチエンドではあるが、それまでがしっかりしすぎていたのでこれくらいでちょうどいいと思わせるだけの名作であった!!

…が、熱く語ってしまったが今日書きたいのはダイオヘッドの事ではなく、先程も触れた「シノギ」というタイトル。

ご存知だろうか?マッパチの漫画が印象に強い藤丸あらた先生の作品。

結構なマニアじゃないと覚えてないと思うが…ダイオヘッドがマニアックなオタク道としてのナンバーワンだとすれば、シノギは攻略面…指南書としてのスロ漫画ナンバーワンであったと僕は強く訴えたい。

まずこの作品のすごいところは、当時のスロプロの「立ち回りのすべて」が詳細に描かれていた点にほかならない。

立ち回りの全てとは、動きだけでなくそこに至るまでの心理、現役パチプが使っている小技、マメ知識、暗黙の了解、それこそスロプロとしての矜持まで…!

台選びの基準や店選びの基準だけでなく、季節柄の立ち回りや客や店の心理をついた台選び、果ては大型連休や給料日までも計算に入れた時期に合った動き方などが惜しげもなくまとめられている。

これは確実に凄腕の現役パチプが監修してたんだなと思わざるを得ない、まさに初心者から中級者にとってバイブルといって差し支えない充実した内容である。

そういえば昔、やはり精神面からの攻略を説いていた当時として異彩を放ちすぎたスロ漫画があると紹介したのだが、ディープスロットという作品を覚えているだろうか

…と言うか元々知ってる人のほうが少ないか(;・∀・)w

あれも考え方としては素晴らしいものがあったが、やはりどこか極論めいたエンターテイメント臭がどこかにあった。しかしどうだ、この「シノギ」という漫画にはそれらが一切ない。

ただただ勝つための知識を出し惜しみなく描き続けている恐ろしい作品。なぜこれがもっと話題にならなかったのか不思議でならない。

例えばビタ押しマシンが出るたびに定期的に話題になる「目線」の話。

それを突き詰めるとメーカー毎のリール窓の遊びに発展していくのだが、今でこそ常識的なこの知識を20年前にここまで詳細にまとめた作品があっただろうか?

その他にも技術面だけで言えば当時でもそれなりに突っ込んだ内容のものはあったと思うが、しかし…次の画像を見てくれ!!

 

「センス」と来たよ。ハッキリ言ってすごいよこれは( ・∀・)

僕の知る限りこの立ち回りの「センス」についてここまで言語化した作品は後にも先にもこの漫画だけだ。他の作品では「ビビビときた」とか「アドリブ」とか、もはや本人にもよくわからない感覚的なものでしか表現されていなかったホールの「空気感」や「雰囲気」。

それって実は『経験値や知識に裏付けされた無意識下での勝ちへのシグナルを拾っている状態』という事だったんだろうが、その感度差こそがまさしく個人の「センス」であると言えよう。

クソボッタホールであろうが何であろうが結局のところ、最終的に自分が勝てるかどうかが全てである。

100台中50台が高設定だろうがツモれなければ意味がない。たとえ100台中5台しか当たりがなくても、そいつを50%以上の確率でツモれる根拠がある店の方が価値があるのは言うまでもなかろう。

そしてそれは店選びに限った話ではなく、機種選びにしてもそう。高設定は多いが競争率の高い新台を選ぶよりも、高設定こそ少ないが過疎っていて獲りやすい不人気台を狙う。

自分にとって有利な状況を探す、それこそが立ち回りでありそこに至るまでのプロセスこそがセンスなのだ!!

これは技術こそ凡百ながらも長年そのセンスのみで食ってきた自負がある身として非常に響いた。大げさではなくこれこそがスロプの奥義と言っても過言ではないと思っている。

監修したスロプの人?はよくもまあここまで書いたもんだ…

そう思い、「シノギ」の監修のところに目をやると…香坂遼、と。誰だろう。少なくとも雑誌等はで一度も目にしたことがない名であるし、今現在も…(ググったらレンタル彼氏の同姓同名?の人しか出ないw) 


だとすれば本当に無名の凄腕スロプが取材に協力したということか、はたまたただのペンネームか。1978年生まれということは存命ならば46歳… 未だ現役であるのなら軍団の親にでもなってそうだけど、、、そうでない事を願いたいねw

まことに勝手な邪推ではあるが、恐らく彼はこの漫画の監修を最後に引退したのではないだろうか。最後だからこそ出し惜しみ無く全てを書き残そうと思ったのでは…と、そう思わせるぐらいの濃い内容の作品である。

時代こそ違えど、考え方は通ずるものがある。もっと評価されて然るべきだと思うんだがなぁ。

せめてこの場末のブログでくらいその偉大なる功績を称えたいと思う。special thanks 香坂遼‥プロ!

コメント

  1. つば苦労 より:

    シノギはかなり読んでた記憶があります。
    稼働に影響を受けた漫画ってありますよね。

    タイトルすら覚えてない漫画ですが、素人の姉弟が5号機アクエリオンで、よく分からないうちに出玉取って、挙動は悪くないが700ハマり、天井が見えてきてしまったってところで、

    あえて、辞めるって選択を取ったのが衝撃だったのを覚えてます。プラスのうちにすっぱり辞めるって選択は幅を持たせてくれてる気がします。期待値考えると良くないんですが、あくまで娯楽なんだって思えるようになったと思います

    個人的には七瀬あゆむ先生の漫画が好きです

  2. KeM より:

    シノギ、懐かしいw名作ですよね。

    麻雀漫画は、「リスキーエッジ」、「東大を出たけれど」が、(・∀・)イイ!

  3. 三重県人 より:

    ディープスロットのコメント欄見て10年前ってことに震えています( ゚д゚)

    パチ漫画はコロナ間もない時にコンビニで立ち読みが出来なくなったのを機に見ることもなくなっていきました。開店待ちに買うというのも抽選がデフォになってからはほぼなくなったなあ。
    カワサキカオリの漫画くらいしか最後の方読んでた記憶が無いす。

    シノギ読んでましたけど伝説の指南書って悪いけどちょっと草w

    パチスロ漫画家や漫画キャラががスロットになるとかもうないんだろうなあ。

  4. umi より:

    >>つば苦労さん
    七瀬あゆむ先生ってパチスロバカップルの人ですよね。当時のパチスロ漫画界ではかなり絵が上手な印象だったのでもっと売れるかなと思ってましたが求められてる層と違ったのか…と言った印象。

    >素人の姉弟が5号機アクエリオンでよく分からないうちに出玉取って

    これなんてむしろ真っ先に七瀬あゆむ先生の作品かな?って思い浮かんだんですが、好きな作家さんというんじゃ違うんでしょうね。素人の姉弟ってワード見ても全くわかりませんでしたw 

    影響受けたって意味では自分は本文中でも書いてるディープスロットに学生時代に出会えたのはある意味で幸運だったかもしれませんねw

    >>KeM さん
    リスキーエッジは短い中できれいに纏まってるのが素晴らしいですね!押川漫画はどれも超ハイレベルだと思うんだけど、どうしてキンマ本誌から追い出されたのか未だに納得いきません><

    コロナなったんで久々にキンドルアンリミ入って麻雀小僧となまけもののストック読んでますが最高です!!

    ところで東大を出たけれどって少し前に子持ちになった続編始まってた気がしたんですけどいつのまにか消えてますね(;・∀・) そういうとこだぞキンマ

    >>三重県人さん
    そうですね。昔の並び順の時代とパチ雑誌ってのは相性良かった面もあるんでしょうね。わざわざ家で読むために買おうという内容ではないですもんねw

    草生やしてますが、シノギはあの時代にプロの考え方をあれほど正確に丁寧に書いている媒体が他に存在していないという点で伝説扱いしても過言ではないと思いますよ!!わりとマジに。それぐらい内容がしっかりしてる。

    同時期に出ている一人旅やら養う男の立ち回りみてるとド素人と大差ありませんしね(;・∀・)っていうか、養う男の星野さんって会社立ち上げてパチプ卒業してたんですね。昨日初めて知りました。

    そしてその会社のHPやら本人のツイッターやらが今現在全く更新されていない恐怖… 

    パチ漫画家やキャラの代わりに演者やライターユーチューバーがスロットにされる時代ってんだからあの頃は想像もつきませんよねぇw

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