9/26　　思い出を覗くとき、思い出もまたこちらを覗いているのだ

小学生の頃、毎日のように通っていた駄菓子屋があった。

入口には昔ながらのゲーム筐体が並べられ、中に入るとお菓子の山。そして奥に行くと軽食スペースがあり、富士宮やきそばや静岡おでんが食べられ酒も飲める、そんな昭和の遺物のような夢の空間。

昭和の遺物である僕らはここで育ったのだ。

パズルボブルもKOFも海賊版ストⅡも、おでん横丁でバカにされたしぞ～かおでんの食べ方もそう。未だに一番好きなかき氷の味がカルピスなのもそうだ。富士宮やきそばという特殊なB級グルメが焼きそば界のスタンダードなんだと本気で思っていたあの頃、僕の常識の6割くらいはこの場所で作られたと言っても過言ではない、そんな聖地のような思い出の詰まった駄菓子屋だ。

時は流れてあれから二十余年。

当然と言えば当然だけど、時代の流れに逆らえずいつのまにやら世の駄菓子屋は潰れていって、勿論ここも例外ではない。店を畳んだとは風の噂で聞いてはいたが、数十年ぶりに見に行ってみると跡地はへんてこな駐車場になっていて…

何気にここの娘さんと同級生なのもあって要らぬ情報も入ってくるのだが、とにかくそんなわけでもうあの焼きそばもおでんも食べられないのかという喪失感すら忘れかけていたあくる日の事だ。やはり同級生で同じ時を過ごしたキヨハラくんから思いもよらぬお知らせを受けたのは…

そう、その駄菓子屋をやってたお母さんの居酒屋に行こう行こうと思いつつ話しつつ、気付けば3年以上が過ぎていた。

コロナ禍の影響ももちろんあったんだろうけど、本心では思い出は思い出のままにした方がいいという思いがみんな心のどこかにあったのかもしれない。そもそもおばさんが店を始めたところで同じ味のおでんが出るとも限らないし…　

そんな言い訳ばかりして気付けばこんなに時間が過ぎていたんだけれど、先日懐かしい知り合いと数年ぶりに飲む機会があって…ふと、この店のことが思い浮かんだ。

懐かしい知り合いとうのはこのブログでもたまに出てくるブログ経由で知り合ったヨシホイさんという方なんだけど、なぜだかそこに同郷のキヨハラくんも同行するという謎のメンツ構成。

ヨシホイさんと言えば、以前おでん横丁で辱めを受けた際もご一緒だった方であるｗ

俺が生まれ育ったおでんを今度こそ見せてやろうじゃないかという事で、おでんリベンジにはおばさんの店しかないと選んだわけだ！！見事期待に応えてくれるであろうか！？

道中、期待とも不安ともつかない心持ちでこんな会話をしていたのだが、果たして議題の通り二十年ぶりぐらいに顔を見せた娘の同級生がわかるだろうか…？否！！僕には自信があった。なぜって、地味に高校になってからもプーになってからも潰れるまで帰省するたび年に数回ぐらいは件の駄菓子屋におでんを食べに通っていたのだから。

小学校時代の有象無象ならイザ知らず、大人になってからも通っていた筋金入りのヘビー常連である。さすがになんとなくわかって貰わないと寂しいぞ、と…入店！！

店に入ると確かにおばさんがいた！懐かしい！！

およそ常連客で持っているであろう小さな店内はおばさん一人で回しているようで、しかし妙だな…？普通知った顔や懐かしい顔が急に現れたらハッとしたような表情の一つでも出そうなものだが(；・∀・)

それどころか、急な一見さんにちょっと困惑している素振りさえ見せているじゃないかｗ

断られたら元も子もないので不本意だがこちらから切り出す事にする。

結局名字を言ったら思い出してもらえたんだけど、やっぱりそんなものか。小さい頃はうみ君うみ君呼んでくれてたんだけどなぁ(´・ω・｀)

ちなみにおでんは以前と全く同じ味でとても満足したのだけれど、それよりも気になった事が一つあって…

同級生の娘さん。おばさんに似て非常に美人だったんだが…何なら小学生の頃惚れてたのだが（///)。

そんな当時の僕らのマドンナ的存在だった高嶺の花子さんがまさかの独身子なし宣言に一同騒然。

まあ僕は冗談としても、ちょうどキヨハラくんが独身で最近ふつふつと結婚願望があるとか無いとか語っていたので、何か面白い事が起きないかと今後の展開に期待age( ・∀・)

間違っても40男女の合コンとかには参加したくはないが、覗きたくはあるｗ