3/15  趣味:反省

この業界、というより職人の世界には一人親方と呼ばれるいわゆる個人事業主も多く、人手が必要な際には貸したり貸されたりと助け合いの精神で成り立っている部分も多い。

 「おめえ、明日、暇か?」
  「(休みなんだけど(‘A`)・・・はい」

ある日、なぜか知らんが僕が貸される事になった。いや、その日が暇な事を知ってて白羽の矢が立ったというのが正しい表現だけど、土日に仕事に出て平日休みにしてるんだから暇っていうのとちょっと違う気がゴニョゴニョ… なんて、断れる雰囲気ではなくこうしてみんな社蓄になっていくのかしらん(´;ω;`)

と言うわけで、本来休みの日に見ず知らずのオッサンと二人きりで、車に乗って現場に向かう破目になってしまったわけだが、技なし力なし甲斐性なし。一体僕の何を貸せと言うのだろうか。まさか…アーッ!!

しかしこのオッサン、話してみると面白いし思考は若いしで存外に気が合って、会話に困ることがほとんどなかった。思えば最近色んな人と絡んじゃいるが、皮肉にも義父意外とは大体良好な関係である(;^ω^)身構えるのが良くないのかな?

車中でオッサンと趣味の話で盛り上がる。なんでもオッサン、最近マラソンにお熱をあげているそうで、毎日10kmぐらい走ってて大会ではフルマラソンも完走するそうだ。実際にマラソンが趣味で大会に出てるという人は初めて会ったので興味津々で聞いてみるのだが…

 「タイムどんぐらいなんすか?」
 「それがさー、こないだ初めて4時間40分切ってよー(゚∀゚)」

なんて嬉しそうに語られても、聞いといて何だが正直よくわかんないのw

ただこのオッサンの年齢が六十近い事、昔魚君が死にそうになりながら完走したタイムが6時間15分だった事を考えると恐らく凄い事なんだろうな。

 「僕前から思ってたんですけどね、マラソンの大会って参加費あるじゃないですか?ボランティアとかで多少かかるのはわかるんですけど、酷いトコだと一万円とかかかるじゃないっすか?あれ、高すぎると思いません?」
 「それは思うな~!」

こないだ静岡でもフルマラソンの大会があったんだけど、参加費一万円で参加者12000人だったそうで…他の部門もあるのだが、フルマラソンの部だけでも参加費だけで一億二千万という計算になる。果たして一体どこにそんな金額がかかるっちゅーねんw

なんて思っていたら、とあるマラソン好きの方のサイトでは「東京マラソンの一人当たりの経費は約5万円かかるそうだ」なんて書かれてて…マラソンって身一つで出来る究極に金のかからない趣味だと思っていたが、大会となると全然違うんだな。つーかそんな金かかるなら無理に街中でやるなやと思うのはマラソンの魅力を知らない人間の暴言なんでしょうかね。

オッサンは他にもスキーに車にバイクにラジコンに料理にと、多趣味で何でも話せる方で…僕はこういう時趣味は?と聞かれると「将棋を少々…」などと言うのだが、するとオッサンにんまりとサイフの中から「将棋三段免状」と書かれたカードを取り出し…(携帯用らしいw)、人生楽しんでるなーと、語れる趣味がたくさんあって羨ましい限りと思わされた。

だが僕にだって他にも語れる趣味はある。小説や漫画、麻雀()の話とかなら結構深いとこまで出来る自信はあるのだけれど、しかしなかなかそれを言い出せないだけだ。

麻雀はともかくとして、漫画や小説なんかも星の数ほどある作品の中で語り合えるものなんてそう多くないわけで、そう考えると趣味「読書」と言っても現実は趣味「遠藤周作」みたいに限定して言わないと駄目なんだろうなと気付かされ…これは映画や漫画も同様であろう。

 (相変わらず語れる趣味がねーな俺は(´・ω・`))

別の日に会社の初めて絡む人と一緒に現場へ行って話してて、その人の趣味が漫画というので最近は何がオススメっすかー?と聞いたら、「銀魂」と言われて、「お、おう…」みたいになってしまったw 別に作品が悪いわけではないが、特に思い入れもないような作品を挙げられるとこの手の話題は諸刃の刃だなと感じずにはいられないわけで…

こういう時、パチやスロの往年の名機の話だと鉄板で盛り上がる自信はあるんだけど、それをしたくないがために「趣味」をずっと探してきた半生でもある。だがいざ現実に直面してみると、何を語ろうが深くのめり込んだ者同士でもない限り大した話は出来ないのだなーと今更ながらに思う。

これはまた別の日の話なんだけど、例の整骨で例の如く無理やり会話してくるスタッフに趣味を聞かれ、何となく将棋の話をしてみたけれど…

 「はあ?将棋って面白いんすか?」
 「なんかコンピューターが凄いみたいっすね」
 「はあ、聖の青春?今度検索してみます」

 (…これも仕事の内なんだろうけど、興味ないなら無理に聞かなくていいんだが(;^ω^))

つまらなそうに、しかしその「将棋」というキーワードを必死に探ってなんとか会話しようとする姿に僕は悟った。会話に措いて、趣味が合う人とカチ合わない限りどれだけその世界を極めていようが発言者の単なる自己満足の世界なんだという事を…

 (語れる趣味が欲しい、という願望そのものがズレていたとようやく気付いたよ)

この歳まで僕はなんて幼稚な思想に縛られていたのだろうか。無いものねだりのようなものだったんだろう。

好きにやろうぜ。誰も他人の趣味なんて本当に気にしちゃいねえんだからw会話のとっかかりとしてはいいかもしれないけれど、その趣味がかち合わなければ天気の話とそう変わらん。

コメント

  1. ヨシホイ より:

    例えば格ゲーで東海チャンプになったぜ!とかやってない人からするとふーん。としか思えないですよね世界チャンプとかなら体外の事には食いつくのでしょうけどw
    リアルでパチ・スロを趣味の話の時に出したくない感は異常w話題にでても極力流す
    でもちゃんと知ってる分かってる人と話すパチ系談議くっそ楽しいというジレンマ

  2. ししゃも より:

    趣味:物書き(ブログ)でいいじゃない!!

    知り合いには、知られたくない系なんだろうけど・・・。

  3. umi より:

    >>ヨシホイさん
    相当珍しい趣味とかなら会話の種にもなるんでしょうけどね~。多少かじってる世界だとどうにも…例えば麻雀プロと名乗る人に出会っても絶対穿った見方しちゃう自信はある(;^ω^)w

    パチ・スロはやはり黄金時代を生きてきたんだなって今はっきりとわかりますよね。人によっちゃコンドルとかタコスロの時代なのかもしれないけど。演出はどうでもいいけど、イベントや裏物の話するのが凄い好きですw

    >>ししゃもさん
    そうだなー。言われてみるとブログも言いたくは無いがw、世間でブログやってる人で堂々と「趣味・ブログです!よかったら読んでね。アドレスは…」なんて言う人いるんでしょうかねw?

タイトルとURLをコピーしました