10/28  安く売り込む事よりも、高くても頼まれるよう

最近ようやく僕の代わりにブラック企業に行ってくれるという贄が現れ、ちょくちょく本業の方に顔を出すことが出来るようになったわけで…覚えなきゃならない事は山ほどあるのだが、見積もりもその一つ。

 「175,000円くらいでどうっすか」
 「はぁ??」

一緒に下見に行った現場。シャッチョさんが僕に見積もりを出してみろと言うので値段を提示してみたらお叱りを受ける。

 「どうすりゃそんな安くなるんじゃい!」
 「じゃあ社長ならいくらになるんすか」
 「ほれ」

そう言って見せて貰った見積書には僕より85,000円も高い数字が記載されていた。確かにかなり特殊な現場のため僕の想像していなかった工程が含まれ多少は高くなるのはわかるが…それにしてもこの値上げ幅はエグくね?

 「なんすかこの“工具消耗代”って」
 「見たまんまだよ。使えばどんどん消耗して壊れていくだろうが」
 「えぇ…それを毎回代金として請求するんですか!??」
 「うるせーいいんだよヾ(*`Д´*)ノ”彡」

なるほど、随所に僕にはない項目でお金を取っていて、しかしそれがこの会社の…社長のスタンダードなのだ。

実際、社長の取ってくる仕事は利益率高いからねぇ

よくそれで発注が続くもんだな。

個人的には多少安くしても次に繋げた方がいいんじゃないか、という考えがあるのだが…

 

馬鹿め。次なんて考えなくていいんだよ。取れるところからは取る、それが仕事ってもんだ

ふ~む。実際それで何十年もやってきたんだからすげえな。

実際、電気工事の仕事というのは一家庭につき何年に一度とかそういう単位だ。引っ越しやら付き合いやらもあるだろうし、『次』という考え方はあってないようなものかもしれない。それから、『次』というのは文字通り同じ客からだけではなく、『横』の繋がり…つまり親戚とか友達とか、口コミや紹介に繋がればいいなという考えもあるのだけれど、、

オメー、親戚って…どこに住んでるかもわからねえ相手を考えてどうすんだ?

まあ・・たしかにエリア外だと辛いな

友達にしたってそう。そもそも一回の工事で多少安かったぐらいで近所や親族に触れ回るなんて事があるだろうか。友達にしたって親戚にしたって、自分に置き換えてみればはっきりわかるが、小学生じゃあるまいし、近場に住んでいる人の方が少ないぐらいだ。ましてやその紹介者がちょうど都合よく電気工事を必要としているかなんて…

 (確かにそのために安くするメリットはほとんどないかもしれない)

そもそも足元を見るというわけじゃないが、工事を依頼してくる人というのは必要に迫られている事がほとんどだ。タイミングさえ合えば多少の金額的な違いは気にしないよという人がほとんどだと思う。

後のことを考えるより、目の前の仕事で喰ってくんだよ

う~ん… こんな焼き畑農業みたいなやり方でやってけるんだろうか

結局僕から見るとかなり高いだろうと思った見積もりはすんなり通った。通ってしまった以上、これが会社としての正解だった…と言えるか?

これは販売店を通しての依頼だったが、担当者が高すぎるから次は別のところに振ろうなどと考えないだろうかと僕は思ってしまうのだが、なんだかんだでこの販売店、この担当さんとの付き合いも長い。双方納得の上でのこの値段ということなんだろう。

僕が思っている以上に金に頓着しない顧客が世にはまだまだ多いのかもしれない。

というより、数年に一度、下手をすると生涯で3度もないようなイベントかもしれない電気工事。相場を知らない、気にしないという人も多かろう。

 (相場か…今はネットで調べればある程度わかるもんな)

例えばエアコン工事などだと、ネットで検索すると個人の方がそういうサイトに登録し広告を出していて、価格競争が激化しているのか目ん玉が飛び出るぐらい安い。本当にこれでやっていけるのかというレベル。

価格を気にする人らはこういうところで頼むのだろうし、メーカーの販売店を通さずにネットや家電量販店で自ら物を買ってくるのだろう。そう考えると僕らに仕事が回ってくる時点で確かに金に頓着していない客ばかりという気もしてくる。

 (つーか、個人の人って安すぎて逆に不安なんだけど大丈夫かいな(;^ω^)?)

安かろう悪かろうってわけじゃないが、エアコン工事にしたってそう何度も行うものじゃない以上、多少高くても「安心」を買いたいという心理は無くならないのかもしれない。ましてやそれがエアコンよりももっと馴染みの薄い電化製品だとすれば、より確実な方を選びたい気持ちは自分にすらある。

しっかりとした仕事をしていれば多少高くても文句は言われないのだよ

う~ん。結果が出てる以上言い返せないぜ

もちろんむやみやたらにボッタくるわけじゃないにしても、それにしたって自分の想定より高めに設定するのはなかなか抵抗があるものだ。

で、頼まれてた親戚の家のエコキュート工事の見積もりは?

うん、あれとそれとこれをオマケしてやって・・・〇万円!

安ッ!!ほとんど利益ないよそれ

俺の話を聞いてたのかこいつは…

それが会社を経営していくために必要な事とわかっていても…いつまで経っても慣れてこない。僕が完全にこの思考に染まる前に、工事を頼めた人はラッキーかもねw

仕事
堕落blog録

コメント

  1. kenji より:

    工事する為には、道具、人工はもちろんの事
    受注する人やお金の管理する人の人件費や事務所の保全費等色々乗っけるので
    工事原価を出した後に30パー程利益があった方がいいと思います。
    知り合いだから安くしてあげるとしても23パー前後は欲しいですね。
    一度工事現場台帳とか目を通してみてはいかがでしょうか?

  2. umi より:

    工事台帳なんてウチにあるんだか(;^ω^)?そもそも現場毎にやる事が違うわけで、技術に対する対価ってのはどう数値化すればいいのかがわかってません。30%や23%って数字もどういう根拠かわからんし…

    ある程度のテンプレはあるんだけど結局見積もりの段階で何をどこまでやるかが完全にわかってない=経験不足なわけだから、まだまだパっと数字を出せるわけがないなーと思っております。

  3. ヨシホイ より:

    うちの会社で長い事、出入りしてる電気業者さんの見積もりもアバウトですよ「人工」とか「技術料」という名目でそれなりの金額を持っていきますw
    会社としても暗黙の了解みたいな所があって、どんな工事でも「あー、大体〇万円くらいは持ってかれるよねw」って感じですやはり自分たちで出来ない(手間がかかる)事をやって貰えるので高めに出しても通る事が多いですね

    あ、家のエアコンは格安でおねしゃすwちなみに今って本体も頼んだら大体いくらくらいなんでしょうか?

  4. kenji より:

    人工と材料費を計算した後に
    項目は適当にでっち上げでもいいから作って
    利益が30パー出るように逆算すればいいんですよ。
    諸経費、技術料、損耗費等で。

    なんかしら別の物使ったり、手間が思ったよりかかっても20パーを切る事は無いように。
    どのくらいの利益取れば良いかは会社規模によって変わるだろうけど
    単一店舗の電気工事業者なら30あればいいと思います。

  5. umi より:

    >>ヨシホイさん
    お抱え業者ってそういうものですよね。設備の状態や場所やら色々わかってるので楽だからと値段気にせず惰性で頼み続ける…と。どこかで知識をつけられるのが何より怖いですが、それでも使って貰えるプラスアルファが今後は必要なのかなーと思ってます

    エアコンは本体のサイズにもよりますが、本体+15kくらいが相場じゃないっすかね。工事内容…例えば新規でダクト孔開けるかとか化粧カバー付けるかとかで変わってきますので応相談ですがw 安い個人のとこなら10kくらいで付けてくれるところもあると思いますけど… クオリティは保証しないw

    >>kenjiさん
    そもそもにして人工計算が一番あやふやだからなぁw

  6. kenji より:

    自分でやったら何日位かなーとか
    やった事ない案件なのかな?
    でも全部安いってことは全く計算出来てないって事やな。
    銭勘定は大切でっせ
    わからん、知らんで投げ出せる立場では無いのだから

  7. umi より:

    ある程度のテンプレはあるんだけどね、個別案件ではまだまだ対応できない事の方が多いね。人工は元より部材の値段から調べなきゃならんぐらいだし(;^ω^)

    意識してみます。

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