・二日目
(・・・ッ!)
昨夜の心配は現実となり、起きてすぐにわかったが唾を飲み込んで確信。この喉の痛み方は扁桃炎か、それとも…
実は旅行に行く二日前に娘が溶連菌に罹っていて、高熱と喉の痛みと症状がそのまんまだ。うつってしまったのだろうか?しかしながら溶連菌感染症というものは成人すると罹り辛く、一般的に感染率は20%そこそこだと聞いていたのに…FUCK!よりによって引いちまったか、引いてはいけない1/5。花の慶次の苦い思い出。ちなみに嫁も寝込んでいた。ヒキのかわいそうな夫婦。
(しかし、熱は何とかなったな…)
昨夜から熱はあったが、布団を被りまくって汗を散々搔いたのがよかったのか、現在熱の方はそれほど無さそう。喉の痛みだけなら最悪抗生物質を飲めば何とかなるかもしれないので、とりあえず遺跡観光に向かう前に薬局へ寄ることに。。
ぶっちゃけ喉の痛みが酷く、今すぐ帰国したい気持ちだった。
10:00 ホテルの前。下は昨日19時前の同じ通りの写真なんだけど、明るいとずいぶん印象が違うね。
「おかしいですね?10時に待ち合わせのはずなのに…」
昨夜パブストリートで契約した執念の男、AKの姿が見えない。今日は彼のトゥクトゥクを一日チャーターしてアンコールワット周辺の遺跡を案内して貰う予定なのだが…?
「Hey,Sorry!」
5分程して、悪びれずにこやかにAKがやってきた。別に5分や10分の遅刻ぐらいどうでもいいのだが、ここらへんの悪びれなさがいかにも外国時間って感じだね。
いやぁ、それにしても夜乗っても昼乗ってもトゥクトゥクは最高だ!フィリピンのジプニーより俄然気持ちがいい。
街へ寄って薬局へ。欲しい薬はわかっていたのだが、日本と同じ薬が置いてなかったため適当に「antibiotic=抗生物質」と書かれたそれっぽいのと気休めにトローチを購入。なあに、かえって免疫がつく。
「ペラペーラ ペラペラ ペラ」
「OK!」
向こうの薬剤師風の方の説明をゆうたさんに通訳してもらう。
「なんですって?」
「なんか1回5粒。それを朝晩5日続けて飲め、だそうですよ」
「ああ、溶連菌のページにも似た感じで書いてありましたしこれで大丈夫そうっすね!しかし…とすると?」
「どうしたんです?」
「いや、この薬なんですけどね」
見れば購入した薬は1セット10粒で、すると1回5粒飲むと一日分しか無い事になる。
(ほう、さすが海外!薬でさえもバラ売りなのか(゚∀゚)!!)
と、妙に納得し感心し、言われたとおり五粒飲んでみたのだが… 実は後で別の薬局に行ったときにわかるのだが、ここでの説明が間違っていたらしく、実際は1回1粒を朝晩2回、合計10粒飲めばよかったらしく、最初に購入した10粒というのは5日分ピッタシだったらしい。すると僕は3日分を一度に飲んでしまったわけだが、幸いちょっと腹が痛いかな?程度で肝心の喉の方はトローチも含め著しい回復を見せてくれたため旅の続行が可能となった。案外一気飲みの荒療治がいい方向へ作用したのだろうか?バカヅキ!!
やっぱ海外での病気はちょっと恐いなと思ったけど結果オーライ!大事に至らなくてよかった\(^o^)/
「icokaでいこか!」
準備も整い体調も整い、AKに連れられいよいよ本丸アンコールワットへでっぱつです!!
(おお!!)
市街からアンコールワット遺跡へはトゥクトゥクで15分ほどだが、道中至る所で「遺跡らしき」建造物が見られテンションは高まる。仏教大国なのでもしかしたら遺跡というより単なる宗教施設なのかもしれないが雰囲気は良し!
と、遺跡は当然無料では入れないのでまずはチケット売り場へ行こう。
1dayパスポートが20$、3dayパスポートが40$、7dayパスポートが60$となっているのでそれぞれの日程に合わせた買い方をどうぞ。
ちなみに、今回我々は3dayパスを買いましたが、購入した日から3日間有効ではなく、購入した日から(恐らく)最大一ヶ月以内の任意の3日間という使い方が出来るようです。
チケットは顔写真を撮られますが、無くした際の再発行のためというよりは転売防止のためらしいです。近場のゲストハウスなどではそういう使い古しのチケットを安く売る詐欺が横行しているようなので気をつけましょう。
裏面は1~31までの数字が書いてあり、3dayパスなら日付に対応した穴が最大三つまで開けられる仕様。
尚、アンコールワット周辺の遺跡群はこのパスポートがあればどこでも入場可能ですが、郊外の大型遺跡へ行くとその限りでは無いので悪しからず。
チケット売り場を後にして、森を抜けると大きな濠が見えてきました。近づくにつれ車から自転車まで、交通量も段々と増え賑やかになってきた。どこの国へ行っても中国人の団体がやたら目立つのはご愛嬌。
橋の入り口。この質素な感じが嵐の前の静けさを思わせてイイネ(58)!
橋の上でさっそくゆうたさんが絡まれていた(笑)
なんでも、「おめえいいカメラ使ってんなぁ。オレのと交換しろ!」だそうでw差額が万枚分以上あるんだけど…
さて、気を取り直して進む。見事な石畳の橋が本殿まで続いている。中央には進路方向を明確に示した分離帯らしき境目がありますが、これだけでもうどれだけ秩序だった空間が僕らを迎えてくれるのだろうと、興奮を禁じ得ません。
そして、特筆すべきは濠の巨大さ。
(なんじゃこりゃぁぁ)
シェムリアップリバーより幅のあるこの濠は母なる海を模したもので、中央に聳え立つ大寺院は聖山「須弥山」を模したもの。そして両者を繋ぐ回廊・参道は平原を模しているそうで、アンコールワットとはヒンドゥー教をまるごと詰め込んだある種の“世界”のようなものなのでしょう。
今でこそ寺院として扱われているが、元はと言えば当時の王の墓として建てられたものらしく、理念はピラミッドや古墳と似た様なものなんだろう。それにしたって山だけでなく海や平地まで備えようというのだからスケールが違いすぎるが。
橋を抜け、第一の門。西門だそうだ。緑が栄えるね。
この門もちょっとした寺院なんかよりよく作りこまれていて、中には仏像などが奉られ通路も両翼に大きく伸び、ぐるっと園内を取り囲む構造となっているらしい。
頭のテッペンから足の先まで、全部見ようと思ったら一日仕事になっちまうなぁ…
門を抜けると開けた風景が広がり、度肝を抜かれる。どんだけ巨大なんだ。
中央に架かる石畳の参道は先が見えず、当時これを作らされた奴隷達の苦労が窺い知れる。聖帝十字稜など目じゃないね。石畳は継ぎ目も隙間無く綺麗なものだ。後に他の寺院に行くとわかるのだが、ここの石は他の寺院に比べ質が良い。いい仕事してますねぇ。
第二の門。おうおうおう、勿体つけるねぇ。
第二の門を抜けるとまた開けた空間が広がり、再度の石畳の参道。そして…奥には見覚えのあるシルエットが!!
聖堂の傍まで来ると参道の作りも変わります。
通称第一回廊。これまでの回廊に比べ開放的な作り。
ごらんのようなレリーフが石壁一面に彫られています。
壁一面にですよ!?気が遠くなりそう…
第一回廊を抜けると本殿?が聳え立っていました。
突然高い作りになるためか、階段がとんでもなく急です。というか、この国の遺跡の階段は例外無く皆すごい角度となっておりまして…
上り下りが結構恐い。
手すりがあってもこの恐さ。当時の人達は壁を這うようにして登っていたのでしょうが、王もそうしてたのでしょうか?誰か苦言を呈する人はいなかったのかな… 落ちて大怪我した人もたくさんいたろうに(‘A`)
楼閣(第三回廊)より見下ろす風景は格別。
第三回廊内の柱には落書きが目立った。また韓・中どもの仕業かと憤慨してたら日本語で書かれたものも何点か見受けられ恥ずかしくなる。他国でこそ愛国心は育つのかもしれん。アホどもめ!
回廊には仏像が何点も安置されているが、そのほとんどは首が無い。
1972年のカンボジア内戦によりクメール・ルージュ(ポルポト派)によって多くの仏像の首などが刎ねられ破壊されたという説と、それからここアンコールワットの神像や仏像には高価な宝石や宝玉を埋め込むという習慣があったそうで、貧しい人や盗掘者が貴金属を探すために頭を持ち去ったという説があるそうな。
しかし、ガイドの人々は皆ポルポト!という単語をいう時怒ったような口調で喋るし、前者が有力なのかな。遺跡内にあちこちある銃痕がその説を後押しします。言われてみれば濠があって楼閣があって、図らずも(墓だけに)日本の城などとアンコールワットは作りが似ています。内戦の際にここを拠点にされても無理も無い事だったのでしょうね…
回廊内はアップダウンが激しいので結構疲れる。
たまに落石なんかもあるみたい。地面の剥がれた石畳とそばに落ちてる石と、どう見てもサイズが合わないなと不思議に思って天井を見上げたらぽっこりジャストサイズの穴が空いていた。
「石作りって地震が無い国だからこその文化ですね」
「確かに日本でこれ作ろうとしたらここの数倍の労力必要でしょうねー」
そういえば、道中様々な遺跡でこのような窪みがあって、これは何だろう?とゆうたさんと話していた。なんだっけかなこれ?宮島の厳島神社とか思い出すんだよなー、これ。
「集会場…またはゴミ捨て場とかw?」
「僕はコロッセオじゃないかな、と」
「あー。処刑場って線もあるかもしれませんね」
気になって帰ってきてから調べたら「沐浴場」だそうで。なるほど。潔めの儀式の場は寺院には欠かせないものだな。そこらかしこの寺院で見かけたのも納得だ。
最後は「聖池」に映る「逆さアンコールワット」で締め!
一通り見たら時刻は12時。到着したのが10時半過ぎだったので思ったより時間はかかってなかったのだが、しかし暑さもあって疲労はそこそこ。この後アンコールトムなどまだまだ予定はありますが、体力が心配です。ワイ、病人やねんで。
to be continued →
コメント
リアルシノハユですな!(´・ω・`)
若、次はどこに?タージマハルどう?
今までROM専でしたが書き込みします。
ブログ期間工時代から拝見してました。
ぜひ一度酒でも飲みながら話ししたいです。
へたくそな文章で申し訳ないですが、ぜひ一度飲みに行きたいです。ヨロシクです。
抗生物質治療は最初が肝心なのでどかっと飲んでもいいみたいです。アメリカなんかだと1粒500mgの錠剤を診察時に渡されてその場で飲んで終わり、とかだそうですよ。
………5粒で750mgでしたね、多すぎかもww
飲みすぎですw
僕もバリにいった時は色々びびって毎朝、抗生物質とか整腸剤のんでました。
ホントに遺跡って当時の風景とか思い描きながら観光するとすごくいいですよね。アンコールワットいいな
>>( ・ω・)y-~~~~ さん
シノハユって言葉よく見るんだけど何なんですか?敢えてググらないで聞いてみます。なんかの漫画のタイトルっぽいけど…旅漫画??
次はマチュピチュかグランドキャニオン行きたいお><お金出して、義理の息子さん!
>>ヨッシーさん
どもども^^期間工時代からって人凄い多いなぁ。やっぱ特殊(?)な環境だから面白かったのかしら
飲みは時間と場所の都合が合えば是非とも^^!よろしければメールなど頂ければと思います
>>やす@豊中さん
ほほう。ドカ飲みOKとは知りませんでした。量はともかくw
でもたまたまOKな薬だったから良かったけど、睡眠薬とか間違って飲んでたら偉いことになったかもしれませんし恐いっすねw
>>ヨシホイさん
抗生物質の飲みすぎってあんまよくないんじゃないの?俺が言えた義理じゃないがw
アンコールワットはマジでオススメですが、本当にオススメしたいのはこの後来るベンメリア遺跡とかちょっと郊外にあるところです。
屋久島で屋久杉より白谷雲水郷の方がおすすめなのと一緒やね!
いやぁ、毎度面白い文章。
金とれるぜほんと。
補足するなら遺跡やピラミッド等を作った人は
奴隷と考えられてましたが、実は高給を貰える
職人のような名誉職だったという説もあるようです。
まぁ、仕上がりを見れば納得できますよね。
仏像の頭の件は両方正解なんでしょうが、やはり
ポルポトが酷かったんでしょうね(=゚ω゚)
そういえば結婚しても神奈川にいるんですか?
マジで?聖帝十字稜のイメージしかないんだけどw
でもそうだなぁ。第一回廊のレリーフの完成度は完全に当時の最高技術だろうし、国を代表する職人がやったんだろうなぁ…仕上がりを見て納得ってのはその通りですね!
今はしぞ~かですよ。遊びに来たら案内しまっせ^^2027打ちいこーぜw