次は何を読もうかなと、図書館をブラついてたら見た事のあるタイトルが目に入った。
『病葉流れて』 白川道
これの漫画版が数年前に近代麻雀に載っていて見た事がある。あまり面白かったというか、そもそも大した印象が残っていないのだが、ヒロイン?が意味ありげにシャボン玉を飛ばしているシーンがやけに印象に残っている。
確か「始まりの儀式」とか何とか言ってて昭和だなぁ等と思っていたものだ。
(こいつ、こんなヒロイン面してるくせに出番ほとんどねえんだぜww)
作者の白川道という人に関しては何も知らない。ただ、時折麻雀大会などに大御所風に登場していて何やねんこの爺さんと思っていた。阿佐田哲也レベルの扱いに些か戸惑っていたぐらいである。
(どんなもんかね?)
分厚い本をパラパラっと捲ったら牌画が見えたので麻雀放浪記的なのを期待して読み進める事にした…が、何コレ?面白いやん(゚∀゚)!!麻雀好きという事もあってか、ぐいぐい引き込まれる。
(っていうかこの本、麻雀放浪記顔負けの名作やんけ!!!)
これまで知らずに損をしていた。是非、麻雀放浪記やドサ健ばくち地獄みたいのが好きな人は読んでみる事をおすすめしたい一作です。
内容はかなり麻雀放浪記に似てるような似てないような。ただ、見方を変えると村上春樹の小説のようでもある(キザなセリフ回しやとにかく主人公が無条件で女にモテる辺りがw)。しかし反面で人生哲学的な面も多々にあって、なるほどハードボイルド作家と言われるだけある。少なくとも麻雀大会での扱いに関しては間違ってはいなかったのだと僕は感じた。老害扱いしてごめんなさい。
あれよあれよと次巻に手が伸びていくのだが…
・病葉流れて
・朽ちた花びら ~病葉流れて2
・崩れた日なにおもう ~病葉流れて3
・身を捨ててこそ ~新・病葉流れて
・浮かぶ瀬もあれ ~新・病葉流れて2
・漂えど沈まず ~新・病葉流れて3
・そして奔流へ ~新・病葉流れて4
このシリーズ、結構分厚い本が七冊の超大作である。とは言えギャンブル小説でこれはなかなか読み応えがあって嬉しい悲鳴だが(゚∀゚)
特に、三巻で一度物語が終わったと思ったら、次巻から「新・病葉流れて」となっているにも関わらず、外伝的な話でなくそのままストーリーが継続されてると分かったときは凄く嬉しかった。三巻のラストがラストなだけに設定を変えての再スタートを普通に覚悟していただけに!
これは物語に感情移入できている証拠だろう。名作の証である。
こうして二ヶ月ほど、取り寄せなどしつつスラスラと読み進めていったのだが、最終七巻目も半分を過ぎた頃にある不安が胸に過ぎった。
(これ…残りページでどうやって終わるんだろ??)
どう見ても尺が足りないというか…このままだと適当にフェードアウトしてしまいかねない。現状出ているシリーズは全七巻のため、ここで終わるはずなのだが…それともなにか、俺達の戦いはこれからだENDも十分ありえる。
(やはり。。。)
不安は的中というか悪い方に当たってしまい、物語は何も解決しないまま終わってしまった…
が!!!ちょっと待てよと調べてみると、なんと最終巻の刊行が2014年となっているではないか。
(あっ、わりかし最近の本なんだね)
というわけで、次巻を楽しみに待とうと思った矢先に…作者である白川さんが昨年4月に急逝していた事を知ってしまうのであった。
(この続きが永遠に見れないと言うのはあまりにも辛いぜ…)
作者が亡くなってしまって続きが読めない作品と言えば、最近で言えば伊藤計劃の「虐殺器官」に続く「ハーモニー」を読んだばかりなのだけど、あれは生前親交深かった盟友とも言える人が親族の了承を得て、ある程度骨組みが出来ていたストーリーを引き継ぎ三部作の締めとも言える作品を完成させている。
しかし病葉流れてはある意味で白川道の人生を綴った私小説でもあるらしいし…そういう期待は出来ないだろうな。モヤモヤする反面、キッチリした終わりを期待すべき類の作品ではなかった事がせめてもの救いだろうか。
ある意味では、「らしい」終わり方のような気もする…
いつか科学が進歩して、クローンや脳細胞移植等、本人の記憶・人格をそのまま次世代へ移せる技術が発達したらこういう問題は解決するのかな。魂の所在の話のようになっちまうが、よしんばそれで続きが書かれたとして、そのときファンはどう思うのだろう。
コメント
もし仮にクローン的なものが確立されて故人と同じだよとなってもオリジナルの方がよかった、あの部分はオリジナルならこうするとかいう人達が現実でもネットでも(ネットは特に凄そう)でるのでしょうね
僕自身も心のスキマ?的な?ものを感じるのかなと思っています(ドーーーン
ある作品が2009年が最新刊でもう駄目やろ・・となっていたら2014年に続きが出た時の嬉しさったらなかったですそこから早2年;;
近麻の病葉流れて、読んだ記憶があります。
主人公が麻雀打っては一発ヤッてを繰り返してたようなw
白川先生、去年亡くなってたんですね。
本をほとんど読まない僕でも天国への階段とか単騎、千里を走るはわかります。
Wikiみたら投資で1年で1億使ったり、インサイダー取引で逮捕されてたりと破天荒な人生送られていたようで凄い人だったんだなあと
思いました。
いや~新年早々色々とありすぎて全くコメントできなかったです。人によるとは思いますが、結婚までの道のりって本当に大変ですね。
小説を自分が読まないからか、語れる人ってカッコイイと思う。umi氏素敵。
その時はファンも魂の所在を問われる立場だからモーマンタイ
お久しぶりです。
昔、相互リンクさせてもらっておりましたかえるです。
前のブログでは何の断りもなく急にブログを消去し、ご迷惑をおかけしました。
色々ありまして、閲覧以外のネット断ちをしておりまして、、、、
今までお詫びする事なく、大変申し訳なく思っております。
しかしこの度またしょーこりもなくブログを始めまして、よろしければリンクして頂きたく思っております。
身勝手なお願いではありますが、よろしくお願いします。
何時もの本の話と思いきや、いきなりSFになったw。
今のうちに細胞凍結しときますか?w。同じ記憶だけど別人ですが
クレヨンしんちゃんの作者亡くなってからも続いてますね。
なんか最近スピンオフで野原ひろしのグルメ系マンガが始まったみたいなんですが漫画書く人が、スロマンガの「ぐわー!ハマったー!!」でお馴染み?の人で笑いましたw
>>ヨシホイさん
恐らくそうなるんでしょうけど、違いなんて無いのに違いを感じる部分が魂なんだって話になってきちゃいそうですね。すると「我思う、故に我あり」的な話になりそうだな。大昔から考える事って大して変わってないのかもしれませんねw
その時を経て出たある作品が何なのかわかりませんが、僕もweb漫画とかの更新ではそういう思いをした事が何度かあります。罪深い行為ですよねあれはw
>>椰子さん
>主人公が麻雀打っては一発ヤッてを繰り返してたようなw
概ね合ってますよw他は賭け金のインフレ具合がバトル漫画顔負けなぐらい酷いぐらいですw
僕は逆に白川さんのその他の作品、有名な「天国の階段」なども知らないのですが、名の売れた方だったんですね。wiki見て思いましたが病葉流れては正しく自伝のようなものだったんだな…と。続きが読めないのは寂しい限りです
>>のっぽさん
結婚関係で色々あったのですね!親族関係のゴタゴタなのかもしれませんけど、結婚前に色々決着付けときたい問題ですな>< 僕はそこらへん適当過ぎて、今でも適当なので人それぞれとしか言えないと思いますが…
小説は僕なんかまだ語れるレベルじゃありませんけど、のっぽさんが食わず嫌いしているのであれば是非一度趣味の合いそうな方にオススメを聞いて読んでみる事をオススメしたいです。お風呂とかで半身浴しながら読むのとか、毎日その時間が楽しみで仕方がありませんよ♪
将棋と小説だけは自信を持って薦められます!是非騙されたと思って
>>ドニートさん
なるほどと言いたいとこだが、有象無象の魂なんてどこにあろうが変わらないでしょうw その時こそオンリーワン至上時代がやってきて、世界に一つだけの花狩りが始まるのだっ!!!
>>かえるさん
ぉひさしぶりです!お元気でしたか^^ 前のブログの消滅の経緯は、かえるさんの相互リンクだった方のブログを辿って行って何となくわかってましたよwお気になさらず。
そしてかえるさんは絶対ブログを復活させると思ってましたよwっていうか別名義でやってんじゃないかと密かに探してたりしましたw
リンク復活了解です、近い将来お互いスロブログとは遠い位置に行きそうですが、変わらずよろしくお願いします!
>>kenjiさん
いつもの本の話だよw同じ記憶だけど別人…なの?空想科学読本で「どこでもドア」を通ると、分子が分解されて再構築されるから、ドアを通った後の人間は別人なのか?と議論されてたのを思い出す話だねw
kenjiさん勝手な印象だけどSF好きそうだし、まだ読んで無いなら伊藤計劃は一度読んで見なよ。ハーモニーより虐殺器官がオススメ。っても僕は星を継ぐものシリーズとこれぐらいしかハードSFは読んだ事ないから他を知らないだけだがw
>>三重県人さん
クレしんはなんか作者名の後に&○○みたいなプロダクションが付いてやってるみたいですね。その野原ひろしのグルメ系漫画は初耳ですwしかしひろしのグルメ漫画って…時流に乗って来たなぁ・・・(;^ω^)
しかもパチラッチの人でしょw???絶対笑いますよwアカン、要チェックや!!!
SFというか、私は理系の修士なのでガチサイエンスですがね。
Aから細胞を取ってBというクローンわ作った時
aから見ればBはB、Bから見た時は自分がAでAはBである。
結局、自己の生命とは一つの矢印であり、分岐したり別の時代に生まれれば
その生命は、やはり別人なのだ。
また、機械に脳の情報を移したところで
やはりこれも、別人なのである。
一昔前に人間のクローンは倫理的に問題があるという話が出たが
それは建前で、クローンがオリジナルを殺したり
犯罪用に作られたら、人間という種がクローン人間種に取って代わられることとなるだろう。
(な、なんか語り出したぞ…!!!)