2/23　　犬かキャットかで喧嘩にすらならない

仕事で住宅地を歩いているとなんとまあ犬に吠えられる事か。

インターホンを押すと犬の合唱会が始まる家も多いし、家に近づくだけで室内から気配を察知してワンワン喚くやつもいる。酷いところだと庭に放し飼いになっていてインターホンまで辿り着けない所もあった。

さすがにあれだけキャンキャン吠えられると些か犬が嫌いになりそうになる。

だが、考えてみれば彼らは自分の職務に忠実なだけなのだ。怪しい人間を警戒して吠えるようプログラミングされているのだから何も間違っちゃあいない。むしろさすがと褒めるべき場面である。

実際吠えられると相当嫌なもので、目立つしイライラするしで犯罪に対する抑止力は確実にあると思う。

…けどまあ勘弁してくれよと言うぐらい吠えられると辟易するのもまた事実で、そんな折に吠えずにちょこんと座っている犬を見るともう可愛くって愛しくて震える。きっと、自分で飼ったら他人に吠えて自分に吠えない究極のパートナーになってくれるのだろう。やはり以前も書いたが人類は犬と共に生きるべきなのだ。

　「猫欲しいにゃー☆」

妻が最近、いや、考えてみれば結婚してからずっと言っているが、ここのところまたその声が大きくなってきている。猫のために引っ越そうと本気で部屋を探し始めたり、娘もそれには乗り気のようだ。近々内見に行くかもしれない(‘A`)

　「名前をタプ公にするなら考えてやってもいいぞ」
　「う～ん…」

　（あ、悩むんだ（；＾ω＾））

最悪名前をタプ公にしてもいいぐらい猫が欲しいそうだが、犬は名前が自由でも駄目らしい。ぶっちゃけ僕だって猫は可愛いと思うし飼えばそれなりに可愛がると思うが、きゃつらは鼻っから犬という選択肢はないようだ。歩み寄る気すら見せない、なんなのだ一体。

　「だって散歩とか面倒だし…」
　「そうか？猫だってそれなりにやる事あるんじゃね？」
　「そうでもないよ。とにかく私は手のかかるパートナーはあんた一人で十分なんだから犬は辞めて」

　（あ、俺の事パートナーって認識あったんだ（；＾ω＾））

不覚にもこんな言葉を嬉しく感じてしまう辺り、僕こそ飼い慣らされている。ここで吠えてもいい事ないんだワン。