昨今どんなサイトを開いても広告が表示されるのだが、大抵は記憶にも残らない。しかし時折ハッと印象に残るものもある。
スマホアプリで2chを見ていた時の事だ。広告ブロック設定をしていないので様々な広告が上部バナーに出てくるのだが、その時は漫画アプリの広告だったんだろう。上記の画像が紹介広告として貼り付けられていて… 初めは特に気にもしていなかったように思うが、何度か目に入るうちに「んんん???」と二度見した。
(これはどういう状況なんだろうw?)
明らかにうろたえているおじいちゃん。と言う事は恐らくこの人達の娘が妊娠したとかじゃなく、信じられないが多分このおばあちゃんが妊娠したという事だろう。浮気?それともお盛んですね…じゃなくて、とりあえずこの先一体どうなるんだw…!?
とまあ、気にはしていたものの、さすがにそのためだけに漫画アプリを入れる気にもならず次第にそんな事も忘れかけていた先日、いつも漫画を借りるツタヤで気になるタイトルを発見してしまう。
(セブンティウイザン…七十歳の初産!??)
まさかと思いパラパラページをめくってみたらビンゴw
(どうやら本当にこの老夫婦の妊娠話のようだw)
冒頭で「この話を両親に捧げる…」みたいに書かれていたので、恐らくは作者の両親が高齢出産をして自分を育ててくれた話が元になってるのかな…等と想像してしまうが、なんたって設定が70歳。
現在の世界最高出産年齢が66歳であるのに対し、それをずいぶんと飛び越えてきたお話作りに興味津々だ。
(きっと生まれてくる子供に障害が出たり、もしかしたら出産の際におばあちゃんが命を落としたりするんだろうなぁ…)
アホみたいな高齢にしたからにはきっとそういう流れになるんだろうと思いつつ読み進めていくと、、
大してアクシデントもないままふつーに生んで、後は普通の自虐系ほのぼの育児漫画になってしまったw
これはこれで結構面白いのだが、敢えて70歳にする必要があったのかなってw?いや、現に僕が「妊娠しました」のシーンに引っ張られてこうしてわざわざ借りてしまったわけで、その時点で作者の目論見は成功したという事なのかもしれないけれど…
(しかしせめてマスコミに追いかけられるとかぐらいは欲しかった><)
育児漫画としてはこないだ紹介した「ママはテンパリスト」よりよほど“あるある系”で共感を呼び、珍しく妻も面白いと最後まで読んでいた。最近第二部がスタートしたらしいし、そちらの方では終活にも触れるそうなので興味のある方は思い出した頃にドーゾw
では本題。
久々にガチで面白いと感じた漫画…いや、作品に出会ったので紹介しよう。
例によっていつも僕が見ている漫画アプリで一部無料閲覧が出来たので何となしにパラパラ見ていたのだが、読む前はこの一巻の表紙のスタープラチナみたいなキャラのせいで色物漫画だと勝手に決め付けてしまっていたのだがとんでもない!
巻数にして一部14巻、二部11巻の超大作にも関わらず読み始めたら止まらなかった。
この作品のジャンルは…SFなのかな?現生人類から進化した新たな「種」の繁栄を賭け、六人の新人類達の闘争を描いた本作は、SF・政治・宗教・死生観・バトル・能力物・成り上がりと贅沢にも様々な要素を詰め込みつつ、決して色物にならず最後まで綺麗に駆け抜けていく。
終わり方に賛否両論あるようだけど、僕はかなり良いラストだったと思う。
(結局『クロックアップ』の仕組みというか意味が最後までよくわからんかったなぁ(;^ω^))
作中でクロックアップと呼ばれる、常人の80倍の速度で脳を働かせる機能を新人類達は持つのだが、走馬灯やアスリートが集中した際にボールが止まって見える「ゾーン」のようなものだとそれについては説明されている。
しかしその説明はわかるが、どうして脳の働きで体の動きまでが高速になるのかがよくわからないし説明もされていない(SF界ではそういうものなのか?)。クロックアップ機能を持たない現人類の目には、新人類達のそうした動きは目にも止まらない速さとなって映るのだそうだ。
これではまるでゾーンや走馬灯というより、加速装置でありキングクリムゾンである。
それから、進化するにあたり「特性」と呼ばれるいわゆる能力的なものも付加されているのだが、例えば日本の新人類(オメガ)は太陽の光を操り?(これについてもほとんど説明がないまま数回使われて終わった設定)、中国の新人類は水を操る。
他にもイタリアオメガは運を操り中東オメガは大地を操るなど一応そういう設定はあったにも関わらず、ほとんど説明されないまま、物語の根幹に関わらないままフィナーレを迎えてしまった。
(設定を全て余すとこなく使わないのが逆にツウなのかもしれんが…気になるなぁ)
などなど、他にも道中詰め込みすぎたというか迷走しかけた?ような流れは多々あれど、紛れも無い名作の部類だと感じる。それは単に読後感の良さから来るものなのか?
特にクライマックスであり作品の中核を担う「祭り」のシーンでは登場人物たちがまさしく自由に動き回っているかの如く展開が二転三転していき目を離せない。劇中で登場人物自らがこの「祭り」というイベントをインプロヴィゼーション(即興、アドリブの意味)方式で行うと宣言していた通り、これは決してメタ的な発言ではないはずなのに何やら漫画という枠を超え不思議なものを見ているような感覚に陥ってしまったぐらいだ。
よく「名作はキャラが勝手に動き出す」などと巨匠が語るがw、まさしくこれがそうなのかと思わされる。僕はこのシーンは先が気になりすぎて課金して一気に読み進めてしまった。人によってはこの「祭り」こそが駆け足すぎてダメだというらしいが… 駆け足ではなく疾走感と表現したい。きっと作者の脳も「クロックアップ」してたんだよw
と、この記事を書くに当たって色々検索していたら作者本人によるオメガトライブの解説ブログがある事を知った。作者曰く終わったものを消化するための「解説ではなく解体」なのだそうだが、なかなか珍しいこの試み。作品に対し感動と同じぐらいモヤモヤが多かった僕には願ったり叶ったりのブログであるのだが、最終更新日から既に八年経ってしまっているので今後の解体には期待できないかなぁ(;^ω^)
(各々のキャラの立ち方が素晴らしいw)
妻にも魚君にも読んでもらえそうもない人を選ぶ作品だと思うけど、エヴァやら甲殻機動隊みたいな小難しい話が好きな人にはオススメです。
2001年の作品らしいけどどうして流行らなかったのかしら?その答えを皆さん自信で探してくださいましw
コメント
ごぶさたしてますー。
これ両方リアルタイムで読んでますけど、同年代なのにオメガトライブに関しては知らなかった事にビックリしました。
スピリッツでやってましたよこれ!
オメガドライブ見てみます!
脚光を浴びる作品は何かしら光る部分があるとは思うのですが、面白いのに埋もれてしまう作品は本当に勿体ないですよね。
内容が良くても読んでもらえないと評価の対象にもならないため、奇抜なタイトルが増えているんでしょうね。
高齢すぎて子供が親孝行する前にいなくなったりで色々と可哀想なことになる気しかしない(^_^;)
ファンファン大佐の娘を最近テレビ
で見ましたが7歳の時に大佐亡くなってますし。
オメガトライブキングダムの途中まで読んだ記憶がありますが置いてあったパチ屋が全部置いて無くてそのまま放置してしまった。
僕はあしたのジョーが好きだなあ。
オメガトライブ面白そうですね!考察系ってちょっと苦手意識がありますが勢いで読んでみようと思います
じいさんのやつはちょいちょい広告でみますね
オメガトライブがここで出てくるのは意外ですが
設定詰め込んでコロコロ展開を変えて
あさっての方向に飛んでった記憶があります
ぶっちゃけ主人公のモブ顔も思い出せないくらいなので読み直そうかな
>>メガネさん
ご無沙汰ですたい!スピリッツ読み始めたの結構?最近なんですよ。少なくとも2001年はスピリッツどころかヤンマガヤンジャンさえ絶対に読んでなかったですから知らないのも当然や!!
>>のっぽさん
これは人によってはマジな駄作と言うかもしれません(;^ω^)下の方でkenji大先生も仰ってますが傍目に見ても設定変えすぎで右往左往してましたしw ただ、僕はそれを余り補っても「祭り」という核心部分の疾走感が素晴らしかったと思うし、あれだけ迷走していた?話を見事に畳んだラストが素晴らしいと感じての評価でございます。
こう言うのはアカンのでしょうけど、設定煮詰めなおしてリメイク版とか出したらSFファンを唸らせる作品として挙げられるようになるんじゃないかなーと。
タイトルというか、最近の「異世界」「無双」系は読む前からお腹いっぱいになってしまいます(‘A`)面白いのもあるんでしょうけどね…あまりにも多すぎてw
>>三重県人さん
ファンファン大佐って有名なんすかw?ググったけどノリダーに出てたと聞いてもピンと来ないな(;^ω^)おかげでしたは見てたはずなんですけど全く記憶にないなwここらへん若干のジェネレーションギャップかもっすねw
>>元トナカイさん
僕は巨人の星ですね
>>ヨシホイさん
考察系なんてとんでもない!なんちゃってSFと勢いの融合なので小難しい事考えずにエンタメとして読んでください。水華姐さんのツンデレっぷりがたまりません
>>kenjiさん
さすがkenjiさん、何でも知ってますね!正しく設定詰め込んでコロコロ展開変えたんですが、最後にしっかり本筋に戻してまとめた力量を評価したってや!!
やっぱあの「特性」だの「オメガバトル」だのはテコ入れ的に加えられた後付け設定だったのかな?とか気になりますよね。主人公が徐々にカリスマ性出ていく感じは嫌いじゃなかったです。なんでハゲたか謎だけどw