5/29  突落ち

仕事で上手くいかない事があって、それを「ハマる」なんて表現するんだけれど、不思議な事にハマりには連続性がある気がしてならない。焦りがミスを生みミスが焦りを呼び…の負の連鎖という一面もあるのだろうが、それとは別に負のオーラのようなものがあってそいつがハマりを呼び込んでいるんじゃないだろうかと思えるような事もしばしば。

と言うのも、仕事のミスとも言えないようなただただ不ヅキの連続…具体的に言うと変なお客さんに連続してぶち当たる時というのはなぜか間隔が短い。仕事柄いろんなお客さんと話す機会があるのだが、普段変な…特徴的な人に当たる割合なんていいとこ百件に一つと言ったところ。

なのに一度ヤバい人に出会うと、すぐにまた変な人に出会ってしまう。まるで赤信号に毎回ぶつかるが如く、惹かれあうようにドン引き案件に連続してぶち当たるという現象が定期的に起こるのだ。

ぱちぷ時代の僕は悪い事が起きる時期を「落ち目」などと言っていたが、現実世界にも立派にこうした事象がある事を不思議に思う。

ちょうど三件も連続して変な人に当たってしまったので書いてみようと思う。

 「俺さー、こないだまでマニラにいたんだけど」
 「え゛ッ!??」

サーっとなった。一応相手はお客さんなのでバッと飛びのいたりはしないものの、マスクもせずにケラケラ笑っている目の前のお爺さんをこのとき僕はきっとすごい目で見ていた事だろう。

 (というか、世が世なら逮捕案件だろこれw)

愛想笑いも出来ないでフリーズしている僕だったが、その様子を見て奥さんが笑いながら近寄ってくる。

 「ごめんなさいねwこの人マニラに行ってたって言うのは本当だけど、2月の話ですから」
 「あ、…ああ、そうなんですか^^;」
 「こういうご時世でしょ?面白がって会う人会う人みんなに言ってるんですよ」
 「そ、そうですか^^;」

ホッとした様子の僕を見て爺さんがてへぺろ♪みたいな表情を浮かべていたが、奥さんもこの爺さんもなぜこんなに近づいてくるのか。冗談を辞めろとも言わないし、家の中でマスクをしろとまでも言わないが、せめて最低限人と接する距離ぐらいは…

 (いやー、ヤベー夫婦だったな^^;)

マニラとか、いくら二月とは言え症状が現れていないだけのキャリアの可能性もまだあるんじゃ…とは思わずにはいられないものの、そんなことを言ったら今はどこに行ってもその危険性はあるのだ。まあ奥さんがピンピンしてたので恐らくは大丈夫だr

 「ちょっと、おにいさん」
 「!??」

高所作業車に乗りながら先ほどの夫婦の事を思い出していたら、下界から声が聞こえてきた。ちょうどそのとき二階の外壁部分の作業をしていたのだが、見れば地上から見慣れぬおばあさんが声をかけている。

 「なんですか!?」
 「ちょっと、いいかしら?」
 「?」

なんだろう。音がうるさいとかいうクレームだろうか。めんどくさいながらもブラック企業にクレームなんて入れられたらもっと面倒くさいので真摯に対応すべく急いで降りると、なんだろう?おばあさんはホウキと雑巾を持っていて…

 「ちょうどよかったわ!おにいさん、悪いんだけどそれ終わったらうちの家の屋根をお掃除してくれる?」
 「え?」

何を言ってるんだろうこの婆さんは… と思う間もなく真面目な顔で説明を続ける淑女。

 「うちね、そこなんだけど…ほら。最近蜘蛛の巣がすごいのよ」
 「はあ」
 「どうしようかと思ってたんだけど、お兄さんちょうどいいのに乗ってるじゃない?あれなら屋根登るの簡単でしょ」
 「はあ?」

だから掃除しろと??一体どういう思考回路なんだろうか、おばあさんは僕が自分の家の屋根掃除をすると信じて疑っていない様子。その証拠にホウキと濡れた雑巾をこちらに差し出しかけている。なんなんだろう。僕を市のボランティアか何かと勘違いしているのだろうか。

 「いや、あの、仕事中なんで」
 「やってくれないの?」
 「はい」
 「どうしても?」

心底びっくりした表情で聞き返されて、僕のほうがおかしいのかと一瞬錯覚してしまった。もちろん丁重に断ると「なんでよ、ケチ!」と言わんばかりの呆れた様子でおばあさんは不満そうに帰っていった。

 (もしかしたらお金払うつもり…なわけねーよなw)

あれは一体なんだったんでしょうね?とガードマンのオッサンと話していた正にその時、嘘みたいなタイミングだがブラック企業から電話がかかってきた。

 (まさかさっきの婆さんの件か!?)

慌てて電話に出ると…やはりクレームの件。だが、先ほどのお婆さんではなく、この後行く予定の…

 「え?なんでまだやってない家からクレームくるんすか??」
 「え?まだやってないの?」
 「今から行くとこですが」
 「えー???」

もう何がなんだかわからないが、どうもこれから行くお宅の設備が故障したとかでクレームの電話が…って知らねーよ!!!!w

こういう日は何をやってもうまくいかない。さっさと引き上げる事にすると事故渋滞に巻き込まれた。落ち目は辛えや!!

仕事
堕落blog録

コメント

  1. kenji より:

    まぁ仕事としてなら受けられなくもないんですが、、、
    的な感じでバイト代稼いじゃダメなのかね?
    まぁ時間かかりそうだから辞めた方がいいか

    対人は疲れるのぅ

  2. ヨシホイ より:

    ハマるってやっぱどこでも言うんですね
    ウチの会社でも面倒な案件に巻き込まれた人にとハマりましたねwって言うなあ

    家も蜘蛛の巣が凄くて屋根のすぐ下に配電盤?分電盤?があるんですけど高くてどうやっても取れない状況なんです
    何かあったら嫌だなぁって思ってるのですがなるほど!高所作業車に乗った人に頼めば…って言えないよなぁ

  3. ドニート より:

    一緒に行く人間でハマる確率が変動したりもしますねぇ

  4. 武器屋 より:

    やっぱり無職最強じゃね?
    しかし、蜘蛛の巣を片付ける事によってサラリーマン金太郎的な事が起きる事すら分からないとは残念です。
    それにしても歳を重ねる毎に良い人はさらに良い人に。クソなヤツはさらにクソなヤツになって行く現象はなんなんだろうか。
    私の腐った性格はどうなってしまうのだろうか。

  5. umi より:

    >>kenjiさん
    自分ちの仕事のときならいいけど、さすがにブラック企業の制服着てるときはアカンかと^^; なんて言いながら何度かその制服着て自分ちの電気工事受けてんだよな-w

    ぶっちゃけおばあちゃんの態度がもう少しマシだったらサッとやってあげても良かったよw

    >>ヨシホイさん
    ドツボにハマルとか、泥沼にはまるとか、パチンコ用語の「ハマる」もそもそも同じ意味で使われるようになったんでしょうな。

    屋根のすぐ下って屋外の話ですよね?保安器とか詰め込んでる配電盤かな?蜘蛛が卵とか産み付けてなきゃいいですね^^; この時期ドバーっと蜘蛛の子を散らすという意味がわかる場面によく出くわしますよ… どうしてもというならバケットで行ったるでえ!!

    >>ドニートさん
    それ単にその人の仕事が雑すぎるんじゃ…w とは言い切れない相性ちっくなハマりが存在する不思議。自分も特定のガードマンが付いたときに限ってハマる確率上がる気がしてて検証中ですw

    >>武器屋さん
    良い人の周りには良い人が集まり、逆もまた然り…という理由がもっともらしい要因な気がしますw 

    金太郎よりも蜘蛛の巣を片付けてる最中に屋根を破損してしまい…という未来しか見えなかったw

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