2/10  青春がくどくなる頃

なんだかんだで回顧厨な僕は定期的に昔好きだった漫画を読み直すのだが、本棚にある日々ロックを意図的に避けている自分がいる事に最近気が付いた。

なぜだろう、あんなに好きで周りにも薦めていたぐらいなのに。そしてソレに気がついてからも一向に手を伸ばそうという気になれないのは。

 (う~む・・・)

この感覚は、「胸焼け」に近いのかもしれない。

油ギッシュな分厚いステーキを見たかのごとく脳裏に走る若干の不快感。決して嫌いというわけではないのだが、少なくとも「今」の自分の体はそれを求めてないぞと訴えて…

或いは眩しすぎるのかもしれない。その青春の汗臭さが放つエネルギッシュな内容が現実の自分を詰るのだ。
  

時期を同じくしてか、青春系パンクロックを歌うのが辛くなってきた自分も認めている。

車の中でなど、昔は大声で歌っていたのだが今は歌いだしのテンションにまで達する事はなかなかない。久しくカラオケなども行ってないが、きっと昔好きだったガガガSPやゴイステなんかを率先して歌おうという気分にはならないんじゃないかな・・・

 (知らなかった、胸やけって食べ物以外にも起こす『感情』だったんだな)

昔、まだ僕が渋谷でぶいぶい言わせていた頃(?)、雀荘での帰り道にしょっちゅう先輩や師匠達とカラオケに繰り出していた。当然の如く賭けカラオケなのだが、いくら不利を悟ろうが点が出ないとわかっていようが、果敢にパンクロックばかりを歌い続け、しかし一緒に行く人達がこういうジャンルを歌わないな~と少しだけ疑問に思っていたものだ。

あの頃は単に点数が出ないから、好みじゃないからとだけ思っていたのだが・・・

 (もしかしたらそういう事だったのかもしれないなぁ(´・ω・`))
  

大人になって、いや、今だって自分が大人とは思わないが、年齢を重ねてみて当時の自分と付き合ってくれていた人々と同世代になってわかる事がある。子供が生まれ父となり、そこで初めて自分の父の偉大さを知るのと似ている。

自分で言うのもナンだが、僕は結構なズレた人格だったはずだ。今でこそその皆さんのおかげで多少なりとも常識は身についちゃあいるが、当時はさぞや酷かった事だろう。行動にしても言動にしても、何かしら色々と引っかかる事が多かったと思う。

それは僕が最近仕事で若い子達と触れ合っているから感じる事でもある。ちょうど年代的に僕がネットで色んな人と知り合い付き合ってもらっていたぐらいの年齢差。あのときの僕が彼らで、あの時の皆さんが僕である。

だからこそ思うのだが、若者は馬鹿者である、それは間違っちゃいない。

そしてその馬鹿者を周りの大人達は暖かく見守り嫌な顔一つせず付き合ってくれてたんだな~・・・と、当時の自分を振り返るととてもよくわかるのだ。

 (・・・何言ってんだこいつ?)

と、若者たちと話していて思う事は多い。

特に人生観やら物の見方など、彼らの拙い人生経験の中でそれを当然の如く思っている場面によく当たる。最もそれは当時の僕の方が遥かに酷かったとは思うのだが、多少なりとも経験を重ねてきた今だからこそその視野の狭さや言動の痛さに気付く事もできる。

それを臆面もなく言えるのが若さでもある。
それを暖かく見守ってやれるのが経験である。

いい人達に恵まれてきたなと思う。何時の間にかお手本として心の中に残っているのだから。

だけど当時自分が周りの大人達をどうとも思っていなかったように(笑、今一緒にいる若い子からも僕はただの落伍者予備軍ぐらいにしか思われてないのだろうな。まあ当時の僕が付き合ってた人達とは違い、僕は正真正銘駄目な大人なのだけど^^;

人生
堕落blog録

コメント

  1. kenji より:

    若者は味わいがくどい
    中年は話がくどい
    老人は話すことがくどい(リピート)

  2. のっぽさん より:

    私も当時はパンクロックとか好きでしたが、今はumiさんが言うようにくどかったり、すぐに飽きちゃったりで長時間聞いていられないです。
    昨日久しぶりにCD屋に行ったら「Lucie,Too」というバンドが押されていてLUCKYという曲を聴いたら実際良かったですよ。ベースに相対性理論を感じるのが懐かしくて。って良いなら良いで終わればいいのに「何かっぽい」って思うのが良くないのかなぁ。

  3. ぶり より:

    「胸焼け」の先もあるんだぜ。
    10年立てばわかると思うけど。

  4. 三重県人 より:

    見たり聞いたりするのも力がいるんだなぁと実感するこのごろ

  5. umi より:

    >>kenjiさん
    で、kenjiさんはw?

    >>のっぽさん
    今LUCKYという曲を聴いてみましたが、確かに終始落ち着いたメロディが良かったです。にしてもこの歌詞で「LUCKY」というタイトルって何か引っかかりますねw

    「何かっぽい」と考えちゃうってのは言われてみるとその通りかもしれません。作品を素直に正面から捉えていない証拠ですよね、経験が邪魔をするってやつなのかなw僕もその節はあるので気をつけます…

    >>ぶりさん
    十年ってwと言いたいとこだけどここから先の十年なんてあっという間なんでしょうね(‘A`) 胸焼けの先は…「胃もたれ」、とかw?それとも逆に「悟り」とか「中毒」とかそっちに行くのか、楽しみです!

    >>三重県人さん
    わかるw 今まで何気なくやってた行動一つ一つに疲れを覚えてしまう今日この頃。だからこそやる事やらない事の取捨選択をしていかなくちゃとも思えます。

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