では言い訳を始めたいと思います。
その日はね、夜番だったんですが前日までパチンコがとても調子がよくてね・・ そのため、前日は閉店まで打ち切っていたわけでして、結果私は昼型モードに入っておりました。つまり、朝の八時に目が覚めてしまったんですよ。そういえば昨日は帰ってすぐにバタンキューしてしまったなと思い出し、自分がぐっすり9時間寝てしまった事を悔いました。快眠です。
とはいえ、もはや今更何を言っても仕方がありません。本来なら今から寝て体調を整えておかねばならないのですが、如何せん全く眠くないのだからどうしようもない。午後に昼寝が出来たらいいなと、もはや諦め半分で「とりあえず」前日打ったパチンコの釘を確認しに行く事にしました。釘が据え置かれていたら打とうかなぁと。
(なんてこったい!)
そしたら気付けばバイトの時間ですよ。相変わらずパチンコは好調でサクサク当たって時間が経つのも忘れさせてくれました。勿論それはそれで大変素晴らしい事なのですが・・・
(ほぼ徹夜の状態であの店に行ったらヤバくねぇか?)
私は勝ちの喜びもそこそこに、こちらの心配の方が大きいのでした。いくら今まで勝ててると言ったって「日本一強い雀荘」を自負するぐらいのお店です。少し気を抜けばたちまち地獄が待っているのは目に見えております。ましてや、ただでさえコンディションばっちりで行っても後半バテて頭が回らなくなるぐらいの激務をこなさなければならないお店だし・・
「おはようございまーす」
しかし、やはり今更何を言っても始まりません。サボるなんて論外です。覚悟を決め、ほっとレモンを二本飲んでから戦場へ赴きました。そうさ、前回のように人が全くいなければいいんだ。それなら全く問題は無いんだ!そんな淡い期待を抱いておりましたが・・・
(げぇ、Oさん!)
見かけたら残念、かなり滞在率の高い常連のOさんの姿が目に入ってしまい私のテンションはガタ落ちです。彼は何の仕事をしているのだろう?というぐらい四六時中打ちっぱなしの超常連さん。このお店にそれだけ通えるだけあって腕前もかなり達者な御人です。こりゃ、終日打ちっぱなしコースかもな・・・
(よし、ボロボロに打ち負かせて帰らせよう)
店員失格かもしれませんが、私は彼を殺す事にしました。なあに、かえって免疫力がつく。悪いが死んでもらうよOさん。
数時間後、血みどろになったのは僕の方でした。
予想はしていたとは言え、やはりどうしても頭が回りません。いや、回っていてもこの日勝つのはどうやったって無理だったんじゃないかというぐらい魔に魅入られたような展開が私を襲いました。言い訳がましいですが、こういう日はどうやっても勝てません。麻雀をやった事がある方ならあるいはわかって頂けるかもしれませんが、こんな日は帰る以外どうしようもないんです。
しかし、それでも打ち続けなければならないのがメンバー業の辛い所。
調子の良し悪しがあるなんてオカルティックな事を・・・ なんて思われるかもしれませんが、あるんですよ。確かにあるんですよ!少なくとも、そう見えるだけの何かが誰にも訪れるのです。
対してOさんと言えば、彼はホクホクでございました。帰るそぶりを全く見せません。ちくしょう!そうこうしている内に一人、また一人と客が帰っていっていよいよOさん一人が残る展開になりました。
まずい!!!!
「メンバー3入りです、よろしくお願いします」
(ぎゃああああああ!!!)
ついに恐れていた事態が訪れました。メンバー3入り。
メンバー3入りとは読んで字の如く、客一人と従業員三人という事です。Oさん、僕(メンバー)、麻雀プロ(メンバー)、麻雀プロ(メンバー)という極悪極まりない面子で麻雀を打つことになったのです!!やばいって。マジやばいって。今日は危険日だよ!!
(Oさん、頼むから帰ってくれ(´;ω;`))
その願い虚しく、こういう日に限ってなぜかなかなか帰らないのは古今東西お約束。それにしても連日連夜、卓が立たなかったりメンバー3入りだったりと・・・
(どんだけ客がいねぇんだこの雀荘は・・・)
店の心配をしていると、自分の心配もしなければいけない事に気付きハッとしました。
(そういえばこの人達と打つのは初めてなんだよな・・・ )
麻雀プロ二人との対戦なのですが、よく考えてみると初めて打つ方々です。噂ではかなりお強い方だと他の人から聞いていますがどの程度なのでしょうか・・・?
(お手並み拝見だね)
正直に言いますと、私は若干麻雀プロを舐めてる節がございます。そして、それが悪いとはちっとも思っていません。麻雀プロがプロであるだけのパフォーマンスを見せられていない証拠なのですから。だから、やはり心のどこかで他の客と同じように見てしまっている自分がいたのは確かです。
しかしどうでしょう?
(・・・・・・なんだコイツら?)
(・・・うそっ?それを止める?)
(えっ?マジっ?えっ?えっ?)
「はい、ラストー!」
(・・・・・・・・)
(こんな強い人達初めて見たよ・・・)
ちょっとばかしショックを受けました。
それもその筈、麻雀ってのは実力差を感じる時点で本人が思っている何倍もの差があるものです。恐らく役者が一枚や二枚違うってレベルではないでしょう。パチンコの世界で言ったら、彼らがパチプロだとしたら僕は海物語で時短中にスーパーリーチが一度も来なかったからと言って台移動をする人です。少なくとも、僕はそれぐらいの差を感じました。初めて麻雀プロを死ぬほど強いと感じました。プロがいました。ここに麻雀プロがいました!
もちろん、勝てるはずもありません。
実力差があっても勝てる事があるのが麻雀なのですが、正直それでも僕には太刀打ちできる相手ではございませんでした。
(そうか、今までのは極上のマグレだったのか!!)
天狗の鼻が折れた瞬間でござい。打てば打つほど、その差を感じずにはいられません。歯を食いしばって耐えていても、お金はどんどん減るばかり。麻雀を打ってて自殺したくなるやつの気持ちが始めてわかった気がしたぜ。
3日目 東風戦 16回
トップ 5回
二着 2回
三着 2回
ラス 7回
この日の収支 -47,800円
(この成績でこの負け金は正直イカれてる)
4日目 東風戦 30回
トップ 5回
二着 6回
三着 11回 ←ひたすら耐えてもこうなるのが麻雀
ラス 8回 だが、それがいい!
この日の収支 -40,500円
───────────────────────────
総計¦本走79¦一着23¦二着15¦三着18¦四着23¦-57,500
この二日間の地獄の勤務で、私の麻雀収支はあっと言う間に-57,500円になってしまいました。前回までと比べると、ツイた時の恩恵に比べツカなかったときの被害がいかに大きいかが見て取るように分かって頂けると思います。
そうです、これが麻雀。これが麻雀なんです。この理不尽さこそ麻雀の醍醐味っ!
ただでさえ激務の打ちっ放し。負けると疲労の度合いが半端ではありません。どれだけ僕はどんよりしていたのでしょう?先輩の麻雀プロが心配して声を掛けてくださいました。
「うみ君さぁ、落ち込んでるけど君東風戦初めてなんだよね?」
「はあ、そうですが」
「じゃあこんなの当然だよ。押し引きのポイントが全然違うんだからそれは体で覚えていくしかないんだって。初めからそれが出来たらヤバイからw」
「じゃあこの負けとかって・・」
「うん、普通。超普通。普通過ぎるから。この店最強の店長でさえ、一日に10万負ける日があるんだよ。俺だって連日8万負けとかあるし」
「恐ろしい話っすね・・」
「麻雀ってそういうもんだろ?」
そういいながら、先輩プロ達は明け方、客が居なくなったのを見計らって僕のために勉強会を開いてくれました。麻雀について熱く語り合える仲間が欲しいと思ってた僕がどれだけこの時間を待ち望んだ事か。一歩上から僕に意見をくれる師匠のような存在を・・・
「ここで追っかけリーチは?」
「駄目だね。絶対駄目だね」
「絶対っスか?」
「理屈は後回しだ。体で覚えるんだ!」
話してみるとなるほど。考え方が根本から違う部分がたくさんありました。それが元々のセンスなのか、これから培われていくものなのかはわかりませんが、とにかくやるしかありません。やって駄目ならそれまで。まずはやってみよう。
(ちくしょう!!絶対強くなってやる!!!)
正直悔しいです。このままでは終われません。なんとしても、給料を残せるぐらいの実力をつけるまで頑張りたいものです。そして、彼らに一目置かれる存在になれるように・・・。
僕は麻雀プロに対する認識をこの二日で随分と改めました。パチプロはプロとは呼びたくないけれど、麻雀プロはプロと呼んでもいいかなと今は思ってます。
(ん?)
感心しきりでその日は終わりましたが、帰り際、成績表を見たら僕を感心させた先輩もその日3万ちょっと負けている事を知ったわけで・・・
(・・・そうか、そういう場所なんだな)
恐ろしい場所に、僕はいる。
3日目の麻雀成績 -47,800円
4日目の麻雀成績 -40,500円
四月の給料予定額 0円 (マイナス分は翌月繰越しです)
コメント
地獄も地獄、底なし沼じゃないっすか^^;
東風戦の勉強あるのみですね^^
ところで質問なんですが、ボーダーなどはもちろんクギなど一切話しに出てこないバイト先のメンバーに
「ニャンチュウ、どこかケイジで連チャンするお店知らないの?え?パチンコせずに20円のスロット?そんなの勝てないしお金なくなるからやめときな」
と言われ、どのような返しをしたらいいんですか?
「出るお店あったら僕も教えて欲しいっすわ~^^」
この返しにもそろそろ飽きてきました^^;
海さんの今の日常は、そのうち本に出来そうですね
その日が来るのを楽しみに待ってます
Oさんが最強なわけね
ネットとエアコンができるようになった所で腰痛発生。 パチ屋の捜索すら未だできず。(;´Д`)
それだけ実力差があるなら、その店辞めた方が
いいんでないの?(´Д`;)
うわぁ、体調不良で仕事行くとホントやばそうですね。
そこらへんの社会人なんかより、
体調管理が大事じゃないですかw[E:virgo]
これを機会にマージャンプロ→雀荘開業への道も考えてみるとか・・・
あんまり負けが込むとどうなるんでしょうか
「こちらの方で精算の話してね^^」と奥からマルボウな人が、みたいな事あるのかしら
>にゃんちゅうさん
「もうパチ&スロはやめちゃいました^^」とか
「勝てないけど好きなんです^^」でいいんじゃないでしょうか
金金言う奴に限って、詳しくないにも関わらず変に人の勝敗を気にして取り付いてくる気がするので
話が合わないように思わせるぐらいでいいのでぃば
どの世界にも上には上がいるものですね。
良薬にするにも毒薬にするにも海さん次第。
良薬になって行けばいいですね。
にゃんちゅうさん
まだ地獄のじの字も見てないのさ。
先輩にはガイアって優良店をお勧めしたらどうでしょう?初当たりさえ引けなければ連荘もクソもありません。あの店で初当たりをもぎ取るには10万ぐらい必要だ!その前に諦める事でしょう^^
よもぎさん
パチンコ→麻雀 じゃあまりにもありきたりなので、ここから更に裏カジノとかラスベガスとか鷲頭麻雀とかそういう要素が入らないと難しいでしょうな(´・ω・`) とはいえ、僕ももっとはちゃめちゃな人生になってくれるのを期待してますw
つまりさん
麻雀プロがスロプロならば、Oさんはジャグラーのゾーン狙いしてるレベルです。
( ・ω・)y-~~~~ さん
引越しが多いとめんどくさそうな反面、マンネリ化しなくて楽しそうだなぁなんて思ってしまいます。
いっしーさん
気分は不屈闘志。
「これだ、これが逆境だっ!!!」
通りすがりさん
まあ体調不良はある意味言い訳ですw単純にドツボモード入ってしまっただけっす。これは誰にも防げません(A`)
麻雀プロ→雀荘経営 は考えてない事もありませんが、このままじゃ絵空事ですねw
Gさん
あまり負けが込むと、麻雀を極力打たないような選択肢も選ばせてもらえるらしいです。まあ基本はバックれw
髄さん
良薬だとは思ってますが、組み合わせの悪いモノと一緒に服用すれば一瞬で毒薬に変わる類のものなんじゃないかなぁと考えてます。
学生だったりすると、一気にノメって留年確定・・・みたいなのが悪い組み合わせの例w
僕の場合は・・
事実は小説よりも奇なり。
umiさんの雀荘勤務の記事はまじで興味深いっす(俺の知らない世界だし)
今日の記事とか後半いい話とかあってリアルに本にできそう^^
・・・ところで沖スロは収支じゃないんです!
ただ光らせたいんです!(。>0<。)
パチは友達からもよく言われるんですけどねーー。
余裕ができたら挑戦しようかな^^;
TAKEさん
本かぁ・・・ いいなぁ。もう少し書いてみて反響があまりにも大きかったら竹書房辺りにキチンと書いて持ち込んでみようかしら(遠い目
>・・・ところで沖スロは収支じゃないんです!ただ光らせたいんです!(。>0<。)
これは失礼しましたw悟りを拓いておられる方とは露知らず・・・ そういう事なら好きなだけお叩きくださいwああ、ジャグラーもそういう理由で打ってたりするんですかね(;^ω^) 光り物は確かに楽しいですもんね。僕はピカ五郎が一番好きです。
パチは、真面目に、余裕が無い時代だからこそ開拓っすよ!!!