1/22  身の丈

俗に言う「回らない寿司」というやつに行ってきました。

僕の記憶が確かであれば人生初だと思います。ノースピン,ジャパニーズ"SUSHI"ヴァージン!!最寄の駅の、前からちょっと気になってたこぢんまりとしたお店…

 「怖い怖い怖い><」
 「うるせーいくぞ」

…の前で怯える僕をけしかける本日のゲストはかの有名な魚界の重鎮、魚先生!!

実を言うとこのお店での奢りを賭けたゴチ麻雀勝負で負けてしまったため、本日は僕の奢りなのです。

 「いい加減観念しろや」
 「鬼っ!魚っ!!(´;ω;`)ッ!!」

奢りという重圧もさることながら、それ以上に未だ正体の見えぬ圧迫感…というか、正直な話この段階では僕らはここを「多分寿司屋だろう」程度でしか認識していないのです。なんというか、例えば将太の寿司でいう「鳳寿司」のような、恐らく一番想像しやすい瓦家屋の門構えじゃないんですよ。今風というか、ちょっとライトに半面ガラス張りで、その半面を覆う布看板に書かれた草書体での「すし」との文字がかろうじてそこを僕らに寿司屋と認識させるのですが…

そんなわけで、値段は全くの未知数。

 (見た目通りライトな店なのかもしれないし、もしかしたら寿司界のパイオニア的店主による知る人ぞ知る名店なのかもしれないし…)

怖かった。とにかく怖かった。地方の場末の雀荘に入るよりも余程勇気がいる。

が、僕は賭けに負けたのだ。

 (いずれ行かねばならぬなら…くぅぅぅぅ><)

イカサマチンチロで負けた某班長ぐらい渋りつつも、いよいよ意を決してドアを滑らせる…

 「へいらっしゃい!」

…という、期待していた第一声は無かった。

 「…ッ!!」

一見客が珍しいのか…?いや、恐らくはこの場に不釣合いな浮浪者みたいなカイジと生きた歩く生魚の現出に驚いたのだろう。

想像通り狭めの店内。大将を取り囲むようにしてL字に作られたカウンター席が七つに、横には二人掛けのテーブルが二つ並んでいる。客は四名。カウンター席に一つ飛ばしで単体客が二名と、隣合わせに座る二人組。

その全ての目が僕らに向けられたのだ。 ←被害妄想乙

 「い‥らっしゃい!」

やがてハッと気付いたように大将が声を出し、同時に一つ飛ばしで座っていた常連さんらしき人が席を移動しようと立ち上がった。この人が隣にズレるとちょうどカウンターに二人分の余裕が生まれるのだ。

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 「あっ、奥のテーブルで大丈夫っすから^^;」
 「いやいや、いいって!こっち座りなよ」

そこまで歳のいってなさそうな三十台半ば風の男性がいそいそと移動する。

 (…クソッ、常連面しやがって!!)

彼とのやり取りを見ていた大将もそうしなそうしなと声を掛けてきた。

 「あ、なんかすいません…」
 「いいっていいって!」

そこまで言われちゃ座らないわけにもいかない。

 (くぅ~、このアウェイ感!!たまらん><!!)

これぞ正しく僕の思い描いていた「回らない寿司」像そのものである。

 (…江戸前の旬を毎週読んでいて良かった)

しかし、本音を言うと僕はこういうのが嫌いでもある^^;常連面というか、和気藹々とした雰囲気というか馴れ合い感というか。いや、正確に言えば既に出来上がっているそういうものに入り込むのが嫌なんだろうな。パチ屋の常連グループに頑なに話しかけない辺りにもその傾向が窺える。…と、これに関しては単なる僕の性癖なんで分かって貰おうとも思いませんが、まあこういう人もいるということでね(;^ω^) 常連さん風のご好意はありがたいと思いますし、いい人だなと思いますよ。ただ、僕がひねくれてるだけって話で。嗚呼、なんか早くも帰りたくなってきた。

 「どぞ!」

話を戻す。

満を持してカウンターへ着席した僕達にすかさず見習いかバイトか、若めの男性がおしぼりとお品書きを持ってやってきた。いよいよ未知との遭遇である。

いくらだ???いくらだ??いくらだ??いくらだ???

 (さあ、鬼が出るか蛇が出るか!)

お品書きを手に取

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もうすぐ外は白い冬。

が、よく見たらたまたま値段の高いゾーンを最初に見てしまっただけで、裏面を見たらまぁ…こんな感じだろうなという程度の、ちょっぴり高めの居酒屋ぐらいのお値段が書き込まれていて何と言うかまあ、生きてるって素晴らしい。

 「ほらこれ、鮭児の認定書」
 「おお!これがあの幻の魚の!?」

この後は無難にコースメニューを頼んで単品を2~3にお酒。大将がその都度ネタの説明をしてくれるのだけど、こういうサービスは正しくカウンターならではですね。

ちなみに魚君の名前は正にその幻の魚であり某傾奇者と同じなんですが、そんなわけで鮭児には人並み外れた思い入れがあるらしく、それが出てきたときのテンションの上がりっぷりといったらもう。

 「実は僕の名前も…」

なんて誰も聞いて無いし興味も無いのに自己紹介を始めちゃった時には、こいつは本当に魚としての誇りをちゃんと持ってるんだな、なんて妙に感心しちゃったりして。(僕らが彼を魚と呼ぶのは何も顔を見てだけではないのですよ)

 「それにしてもうめぇな…」
 「ああ、うまい以外の感想が無い」

気になる味の方はもう、大大大大に大をあと2個ぐらい乗せた感じの大満足。よく漫画でシャリの形がどーたらなんて言ってましたが、これがそうなのか!??と、いや、きっとそうなんだろうなと。

某巨匠なら頂ました、ほしみっつ!!と叫びだすのは間違いない。

 「やっぱ回転寿司とは違うね」
 「ああ、これが「寿司」なんだな…」

さすがにいい値段取るだけの事はあります。食に金を掛けない主義の僕ですが、やっぱり金を掛けなきゃ見えない事もあるんだなーと。人生勉強のつもりでたまにはこういう行動してみた方がいいかもしんないと考えさせられました。

 「ありがとうございます、お値段の方、……円です」
 
 (あれ??想像より全然安いな)

で、最後はなんか予定よりかなり安い金額を言われて驚いたのだけど、一見客ということで多少サービスしてもらったのかな?単品料理を頼んだ際にメニューになかったけどいいよ!ってな具合だったのですが、なんにせよ二人で一本いかなかったのはそうとしか思えません。僕がビビって安いのばっか頼んだってのもあるのだろうけど、こういう気遣いも回らない寿司ならでは??なんでしょうか。こうして皆常連になっていくんだろうなぁ…

かくして僕の回らない寿司初体験は終了です。

感想としては、まだ僕らには早すぎるかなという思いが第一。第二にそろそろこういう場所の似合う男になりたいねという憧れにも似た感情。

常連さん風はやはり、どこか垢抜けて仕事が出来そうなオイニーをプンプンと感じさせますし、というか値段が値段ですのでこの店の常連になる時点でそこらへんは間違いが無いわけですよ。

逆説的にこういう場所に通う内にそのような風格めいたものが身に付くのかもしれませんがね…、やはり今の僕の身の丈に合って無いなとは思い知らされたのでコツコツやっていきたいと思います。

なんにせよ、遊び人を自称するならこういう体験はするに越した事がありません!!いい経験だったと思うし、とても勉強になりました。

 (さあ、次はどこにしよう^^?)

祇園を最終目標にステップアップを図りたいと思います!!

コメント

  1. ( ・ω・)y-~~~~ より:

    海原先生のように難癖つけて、なんでもマヨネーズつけて食べてくれるネタかとばかり・・・・(´・ω・`)
    どうせなら、ゴチになりますの店行って、リアルゴチやってきてよw

  2. がせじろう より:

    前に中華料理の店にラーメン食べに行った時のアウェー感は半端なかったです
    店に入ると驚いた顔するし、ラーメン出したら後は常連っぽい人と会話してて相手にしてくれなかった
    この店は合わないじゃなく、来るのが早すぎたと思いましたね
    はやく大人になりたいのれふー^p^

  3. せがた より:

    んーumiさん好物なんでしたっけ。
    やっと少し暇になってきたのでご一緒しましょう。

  4. 0.34 より:

    回らない寿司屋に入る怖さは共感できますw
    僕が初めて行った寿司屋なんてメニュー表に値段表記してませんでしたよ・・・涙
    友人と二人合わせても半人前な頭を使い熟慮の結果、海鮮丼が無難だと判断して、海鮮丼だけ食べて帰りました。
    結局、バカ高い店じゃなかったみたいですが、値段表記なしのメニュー表の威圧感は半端じゃなかった・・・

  5. あおめがね より:

    市場近くの寿司屋なら値段表記なくても高くなくて美味しい店多いのでお勧め。
    名古屋には24時間365日やってる怪しげな寿司屋があって値段表記ないですが美味しくて安いです

  6. のりおたく より:

    初めまして。
    ブログが移転移転する前から見させてもらっています。
    これからも楽しみにしてます。
    話は変わるんですが、umiさんって煙草吸ってそう(パチやら麻雀から)なのに吸ってませんよね。
    今まで吸ったことがないんでしょうか?それとも辞めれたのでしょうか?
    なんとなく気になったので教えてください。

  7. umi より:

    >>( ・ω・)y-~~~~さん
    どっかの居酒屋でゴチ企画とかやんないんすかねー?もちろん終わった後で会計はちゃんと説明する感じで。よっぱらった馬鹿達がじゃんじゃん金使ってくれそうに思うんだけどなぁ
    >>がせじろうさん
    よほど格式の高い中華料理屋だったんですかね?さすがにその対応は何か他に理由がありそ・・・
    ま、いっか^p^
    >>せがたさん
    umiさんの最近の好物は蕎麦です!一人じゃ入りづらい名店とかあったらぜひとも連れていって頂きたいですね^^あと夜のメニューならジンギスカンとか好きですYO
    >>0.34さん
    あー、値段表記なし^^;恐ろしい・・・wちなみにそれって「時価」ってやつとは違うんですかね?単に書いてないだけだとしたら意味わからんですね。恐怖を煽るだけっていうw
    ちなみに僕も魚君と似た様な事した事ありますw 高い寿司屋に入ってランチメニュー頼もうとしたらランチタイムが終わっててあわわわわwみたいな。
    >>あおめがねさん
    1回行っちゃえば勝手がわかるんでしょうが、そういうお店って一見で入るの超怖いっすよねーw 
    今回思いましたが、こういうのは上司などそこを行き着けの店にしている人などに連れてってもらうのが入門編としては正しかったんじゃないかなーって^^;
    >>のりおたくさん
    どうも初めまして!なんでそんな事気になったのだろう^^;
    タバコは一度も吸ってませんよ。うちの母が超がつくヘビースモーカーでして、小さい頃からタバコが死ぬほど嫌いだったんでその影響でしょうね。僕と同じ理由かはわかりませんが兄弟揃ってタバコはみんな吸ってません。ある意味で英才教育ですなw

  8. kenji より:

    次は
    値段がない寿司屋
    ですね(≧∇≦)

  9. umi より:

    なにその「題名のない音楽会」みたいな寿司屋

  10. 椰子 より:

    こち亀で全部時価っていう寿司屋が昔出てましたね。
    次は銀座の久兵衛とかチャレンジしてみては?

  11. umi より:

    こち亀はネタっぽいけど実際ありそうですよね全部時価…。しかし時価って響きでビビっちゃうけど実際死ぬほど高いってわけでもなさそうなんだよなー。マグロの赤味一貫で2000円いくかいかないか…と思ってるけど実際見たら目ん玉飛び出ちゃうんだろうなーw

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