7/4  大海物語inカンボジア その4

・二日目 その3

名も知らぬ寺院を出て、お次はタプロームという遺跡へ。この遺跡は森の中にあるため、トゥクトゥクで入り口近くまで行きそこから少し歩きます。

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遺跡までは一本道なのですが、道中は現地の人々が色々やっていて、この人達は木に生った実を「パチンコ(良い方)」で取ろうとしているのだとか…

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昼食のパイナップル。こういう場所だと水分が豊富な果物が本当にありがたい。疲れすぎて食欲は無かったけどおやつ感覚でほいほいイケた。ほぼまるまる一個分で1ドルしないんだから安いよなー。

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タプローム寺院。見た目はまあ、普通…っていうのもナンだけど、どうしてもアンコールワットやバイヨン寺院みたいな巨大遺跡と比べるとその他の遺跡はインパクトに欠けてしまう。

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…と思いきや!!あった、インパクト。

ここタプローム寺院は森の奥深くに位置していた事もあり、樹木が遺跡の中にまで入り込んでとても神秘的な印象を受ける場所だ。

遺跡と樹木というのは相性がいいのか、とても映える。これを見て僕の脳裏に最初に浮かんだ情景は「ゼルダの伝説」だったが、一般的にはやはりラピュタなんだろう。後にそのラピュタのモデルとなったとされる遺跡にもいく事になるが、これらの作品の影響で僕が今この光景にしっくりきているのか、はたまたこれらの光景が美しいからこそゼルダやラピュタの絵が脳裏に刻みこまれているのか… ふと、そんな事を考える。

 (鶏が先か卵が先かのような話だな)

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この寺院は撮影スポットとしても人気だそうだ。インパクトに欠けるとか言ってごめんよ。

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せっかくなので1枚撮ってもらう。・・・って、おぉ!同じ場所なのに全然迫力がちがうな。さすがはプロのカメラマン(一緒に行ってるゆうたさんは一応カメラの仕事をしている人です)。

それにしてもこの巨木、どことなく屋久島の縄文杉を髣髴とさせるね。

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同じポーズで。しかしこの写真2007年だもんなぁ… まるで成長していない・・・と言いたいとこだが、一応海外に行けてるし何より帰れば待ってる人がいる状態だもんね。成長したかどうかはともかく、動いてはいるんだよなー。。

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さてお次は… バンテアイ・クディ寺院。

 (う~ん…)

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申し訳ないが、今度という今度こそインパクトに欠けるような…遺跡慣れという言葉がチラと脳裏を過ぎったが、贅沢なものだ。

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掃除?ボランティアのおばちゃん達の緑色の服ばかりが記憶に残る。

後にカンボジア旅行中はこの緑の集団の神出鬼没さに度々驚かされる事になる。行く先々で、遺跡でも街でもただの林道でも場所も問わずに見かけた事から彼女らはボランティアでは無く国の政策として行われている清掃のために雇われた業者なのだろう。

ゴミ拾いから草刈りまでこなすこの緑の組織を見ていると、カンボジアという国が清潔さにどれだけ気を配っているかがよくわかる。

気付けば時刻は16時前。この日の遺跡巡りはここまでとして、街へと戻ります。

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途中で両替所へ。先ほどおばあちゃんから死守した一万円をドルに両替すると92ドルに(1ドル108.69円計算)。

ちなみにここまで触れてきませんでしたが、このカンボジアには「リエル」という自国通貨が存在します。しかしながら為替レートが高い事と(1ドル=4000リエルぐらい)、国外ではほぼ無価値のため貨幣としての信頼度が低い事、二つの理由からあまり歓迎されません。

そのため買い物はほぼUSドルを使う事になるのですが、1ドル以下のお釣り等、細かい計算にのみリエルが使用されます(ドルはあるけどセントは無いため)。中にはリエルで支払おうとすると拒否される店もあるぐらいです。

現地の人々が何とかしてリエルを処分しようと2ドルのお釣りのところをわざと8000リエルで返そうとされた事もありましたが、自国通貨がこれほど信用されていない文化というのは日本では考えられませんね。

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シェムリアップで一番大きい(?)スーパーである、ラッキーモール。日本語で「ラッキースーパーマーケット」と書かれているが、なにか間抜けな印象を受ける。

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夕飯はパブストリート近くのナイトマーケットと呼ばれる夜店市の中にある屋台村?へ。ここは文字通り昼は開いておらず夜になるとぞろぞろ面倒くさそうに店が開く。

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主に観光客向けなのだろう。お土産屋さんと屋台が並び、中には日本人が経営する日本食の屋台もあった。名前の通りのいかがわしい通りは道路を挟んで向こう側。二日前に婚約者の親に挨拶に行ってきたばかりなので自重。

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こっちはご飯がうまい…と言うか、僕には合う。中でもAngkorビールと空芯菜の炒め物はとても気に入った。

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帰り道は突然の大雨。…って言っても、一応時期としては雨季に入る頃だったのでこの日一日しか雨に見舞われなかったのはラッキーとも言える。

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慌ててトゥクトゥクを拾ったら幌がついていた。なるほど、雨の日はこうやって使うのか。

 「アートセンター、OK?」
 「yeah!!3$で行くよ」 (英語です)
 「2$で!」
 「・・・・OK」

で、このトゥクトゥクのおっちゃんにホテル傍の「アートセンター=美術館」まで2$で乗せていって貰う様に交渉したのだが、ここから悲劇が…

 「おう!ここらでいいか?」 (英語で)
 「?」

やけに長いなと感じつつ、気付けば見知らぬ場所で止まるトゥクトゥク。

 「ここはどこ?」
 「は?ここがアートセンターだ。アートセンターマーケット!」
 「いやいやw」

何か、お互い思い描いていた場所が違うらしい。運転手の彼が言うにはここは「アートセンターマーケット」という大通り。対して僕らが言っているのは美術館そのもの。真逆の方向へと走ってきてしまったようで。

 「ここじゃないよ、アート・センターだ」
 「だからここがアートセンターだぜ?」
 「いやいや、マーケットなんて言ってねーだろ」
 「でもアートセンターと言ったら普通はここなんだ!」
 「そんな事言われても困る。引き返してくれ」
 「…チッ。わかったよ。でもここが一般的にはアートセンターだからな!!」

激しい口論の末、渋々運転手も引き返すのですが、信号待ちなどで止まる度に「あそこがアートセンターだ」と何度も何度もこちらに向かって叫んできて…勘違いさせた僕らにも責任が無かったとは言えませんが、それにしても何度も何度も

 「あれが、アート・センターだ!覚えとけ」

と言われてる内に腹が立って来たのも事実。

 「悪かったから一応3ドル渡しておきましょう」
 「そうですね」

しかしまあ、長い距離を走らせてしまった負い目もあるし、お詫びの意も込め到着後2$のところを3$払ったのですが、

 「NO!4doller!」
 「!!??」

なんと運転手はさらによこせと4$を要求してきました。普通パブストリートからホテルまで、2$が相場だというのに… 一応こちらも悪いと思って3$出したらこの対応。

 「fuck’n!!調子乗んな!そういう態度ならこっちだって言い値の2$しか払わねーからな!!」

先ほどまでの苛立ちも手伝い、ここでプッツン。結局怒って2$を握らせて「Go home!」と僕らはその場を去るのですが、すると怒声が聞こえて振り向けば渡した2$をびりびりに引き裂く運転手の姿が…

 「テメーらみたいなクソ野郎から貰った金なんて誰がいるか!!」

ゆうたさん曰く、怒声の内容はそのようなものだったそうです。

さて、この騒動どちらが悪いのでしょう。どちらにも責任があるような気がしないでもないですし、1$上乗せさせた対応が手前味噌ながら落としどころだったように思っていますが… それにしても、この騒動を見て「たった1$ぐらいくれてやればいいじゃん?100円ちょいなんだし…」と思う方もいるかもしれません。

 (そうなのだ。これが謎なのだ)

外国ではちょっとしたトラブルで何が出てくるかわかりませんし、たった100円で危険を回避できるのならばしない方が阿呆だと今なら僕だってそう思います。

しかしながら不思議なもので、たった1$とはいえ向こうでの1$はこちらの100円とはどうしても思えず…これはパチ屋の中で1000円札が紙切れになるのと似ています。

さらに言えば、例えばこれが109$のものを110$にしてくれと言われたらまあいいかとなりますが、2$を3$にしろと言われると激しい拒否反応が起きて…

これは後にストリートチルドレンなどにお土産を押し売りされる場面でも思う事なのですが、何なのでしょうねこの現象。単なるケチとも言えそうだし、状況による価値観の変化という心理学的に何か名前の付いていそうな現象。

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なんにせよ、少々後味悪く二日目が終わるのでありました。

 to be continued → 

コメント

  1. なまこ より:

    タプローム・・・タプハームならネタになったね。

  2. ヨシホイ より:

    やはり思い浮かべるのはタプ・・
    なまこさんのタプハームは秀逸っ・・!くやしいっ・・!うまいこと言えなかった自分が!
    日本と違って感情表現の仕方がダイレクトですね
    日本で札やぶいてまで怒るってそうそうないですよ
    それにしても>パチンコ(良い方)ワロタw

  3. 椰子 より:

    金持ちケンカせず、という言葉があるようにホリ○モンとかワ○ミ会長みたいな人だったら運ちゃんの言い値で払うんでしょうけどね。
    ただ、今まで事なかれ主義で相手のいう事をウンウン聞いてきた結果「日本人はゴネればいう事聞いてくれる」みたいに相手をつけあがらせてしまってる面もあるかと思うので、うみさん自身が班長ばりに「通るか、こんなもん!!」って感じたのなら強気に出ていいのではないでしょうか。
    どうしてもこの手の話は某隣国を思い出してしまうのは僕だけかなw

  4. キカンコー より:

    道南アジアのナイトマーケットは楽しそうですな。祭りの縁日を胡散臭くした感じだけど活気に溢れてるのが伝わってくる

  5. ( ・ω・)y-~~~~ より:

    この間8人載り旅客機で離島行かされて怖すぎ(;´Д`)
    ここ1週間忙しすぎでツライ。。
    早くオッキーさんのように、えびちゅお世話係になりたいなぁ(´・_・`)

  6. kenji より:

    僧侶タプ公。。。

  7. umi より:

    >>な真虎さん
    そ、そうか^^;?文字にしてみると「タプ」が際立つんだけど、実際向こうにいる間は特に何とも思わなかった不思議!
    >>ヨシホイさん
    え、タプハームってそんな秀逸かね^^;?僕が何か見落としてるのかな??
    感情表現は本当にそうですね。札や名刺を破るような場面を現実に見たのは初めてです。今回の件に関しては両成敗的な面もあるし、そこまで怒る事ないのに…と思うんですけどね
    >>椰子さん
    確かに道が間違ってた事がわかってからというもの、ひたすら怒ってたし火病っぽかったと言えばそうかもしれませんw 正直報復行為があったら恐いなぁと二日程警戒してました^^;
    たかが1ドル、されど…
    不思議です。
    >>キカンコーさん
    本当、縁日のような雰囲気でした。外国人観光客向けの場所なのでここら一帯だけ活気づいてる感じです('A`)
    >>( ・ω・)y-~~~~ さん
    んー。沖縄で離島行くときってそんなもんじゃないっすか?僕もsetuさんと波照間行ったとき小さな飛行機で超揺れて恐かったです。
    そうそう、八月に沖縄行くかもしれませんよ\(^o^)/
    >>kenjiさん
    そのギャグ?はわからんが、トゥームレイダーの舞台になった場所らしいね、タ・プローム。

  8. ヨシホイ より:

    ハーム→ハム→公=タプ公(^^)って良くないですか!?
    僕はレベルが低いのか・・・

  9. umi より:

    すいません。ワタシのレベルが低すぎてわかりませんでした><
    よくわかりましたね、それw

  10. なまこ より:

    ヨシホイさんので合ってますw
    たぷたぷ

  11. 記念パピコ より:
  12. umi より:

    >>なまハムさん
    生言ってすいませんっした!!正直タプ+ハムって何言ってんだこいつ?ハムってそもそも食品のハムなのかハムスターの事なのか、いや…どっちにしろ面白くねーし…??と思ってました!先生とは長い付き合いになりますがそんな程度の事をわざわざ言うキャラじゃないのはわかっていたはずなのにすいませんでした!
    >>記念パピコさん
    子供の年齢とかはこの際何も言わないからさ、せめて交際相手の「娘」の記事にしてくれよw

  13. ( ・ω・)y-~~~~ より:

    台風いまからだ

  14. umi より:

    本場沖縄の台風をお楽しみください!って言えないぐらい今回は酷そうですね>< 田んぼの様子とか見に行かないように!

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