3/18　　彼の名は

娘も早いものでもう小学校を卒業だ。基本小学校の行事は妻に任せっぱなしの僕も、この日ばかりはガチ勢に囲まれながら着慣れないスーツを着て出席した次第。

ガチ勢↑ｗ

くっそ寒い講堂の中、開式三十分以上前から撮影場所を確保していたようですが流石ですよアンタら…

つい最近、小学生の間で袴で卒業式に出るのが流行っているなんて記事を見たばかりだけれど、こんなド田舎の学校にまでその波は押し寄せていたようだ。女子の2割ほどが袴で出席していたが、実際こうして遠目に見ても煌びやかであるし着せたくなる気持ちはわからんでもない。帯が苦しくて退場した子がいたのはご愛嬌ってか＾＾；

うちは娘がそもそも希望しなかったので普通のブレザーっぽい格好だったが、希望してたら着せていたかもしれないそうだ。

ちなみに男子で袴を着ている子が一人もいなかったのは何か、男子と女子に対する親のファッションに対する温度差のようなものを感じて面白いね。

それから、見ていて驚いたのだけど小学校六年生の男子と女子って中身もそうなのかもしれないけど、見た目もかなり差があるように感じた。具体的に言うと、男の子はぶっちゃけ小2～3と言われても信じてしまいそうなほど幼さを残した感じの子が多く、逆に女子は中学～高校生と言われても通用しそうなぐらい既に大人びている。

実際このぐらいの年代では女子の方が早熟と言うのは定説なものの、目に見えてココまで実感できるレベルとは思わなかった。最近の男子がガキっぽいというより、最近の女子がＡＫＢや変てこなアイドルの影響でビッチ化しすぎてんじゃないかと心配になるぜ…

なんて思っていたら、後日面白い事があった。

　「うみー、これ何て読む？」
　「んー？」

時は少々遡って卒業式の数日前の事。

未だ飽きずに楽しんでくれているスプラトゥーン（wiiU）で、見知らぬ人から突然娘にフレンド申請が来たそうだ。僕はよくわからないが、フレンド登録をするとチャットなどが出来るようになったり専用ルームで1vs1で遊べるようになるという認識で合っているのかな？

ともかく、娘に見せられた画面には「＄коЯ＋：＝/」みたいな意味の分からない記号の羅列。ただ、名前の読み方こそわからないが会話の中で小学生の男子らしいという事はわかっているようで…　

　「同じ学校の子じゃない？」

真っ先にそう思ったが、娘曰くスプラトゥーンをやるような人のＩＤは身近な所は大体みんな知っているそうで、今回の「＄коЯ＋：＝/」みたいな名前は初めて見るそうだ。

　「おまえと話すために作った新規ＩＤって事は？」
　「この人結構やりこんでるみたいだから最近作ったって事は無いと思うけどなー」
　「じゃあなんでまたおまえにフレンド申請なんてしてきたんだろう」
　「さあ、よく対戦で当たってたからじゃない？」
　「ふーん」

そもそも小学生ってのが嘘かもしれないし、出会い系紛いの可能性もあると思いＡちゃんみたいな事にならんよう気をつけるんだぞと釘は刺しておいたものの、以後は何度か対戦やチャットなどをして楽しくやっていたようでそんな事さえすっかり忘れかけていた…この日、卒業式が終わってその夜の事だ。

　「うみ～、今からスプラトゥーンやってもいい？＄коЯ＋：＝/（「へんな名前の人」と呼んでいるｗ）が今から1vs1で遊ぼうってさ」
　「ええよ」

いつものように？対戦に興じる娘。だがこの日はどういうわけか、試合後チャットなどをしているうちに名前の話になったらしく、＄коЯ＋：＝/をなんと呼べばいいの？と聞いてみたそうだ。すると、待ってましたとばかりに…

　＞【えー？どうしても知りたい？】
　＞【しょうがないなーｗじゃあヒント！】
　＞【実は苗字は○○で、最後に○が付きますｗ】

　（これ、もしかして…ｗ）
　
たまたまそのとき傍で見ていた僕は、この流れるような一連の行為にもしやと思って画面を直視出来なかったが、

　「ええー！？無理無理ｗなにこいつｗ」

やはりというか、娘が突然大声を上げ貰ったばかりの卒業アルバムを取り出した。

　「＄коЯ＋：＝/の正体、絶対こいつしかいないんだけど（；＾ω＾）」
　「ほほう。確かにあまりいなそうな名前がぴったり一致するな」

娘が見せてきたのは別のクラスの男子で、どうやら昔一緒のクラスになった事がある程度の大して仲もよくない子であった。恐らく人づてに娘のＩＤを聞いて特攻してきたのだろう。ピンポイントでのフレンド申請にわざわざ本名のヒントを晒してきた点でそれは疑うことなくほぼ確定であろうが、思えば彼も思い切った事をしたものだ。これってほぼほぼ想いを伝えているようなものではないか。

　（こんなえなりかずきに似た子がなぁ…）

卒業式での袴もそうだけど、恋のアプローチの仕方一つとっても時代の変化を感じずにはいられない今日この頃。昔、好きな娘の家の前をマラソンコースに設定して毎朝走っていた頃を思い出してほっこりしたが、娘はそれ以降彼とは対戦していないようだ…(´；ω；`)