4/26　　今際の際で見たい日々

おかえり、ではなくようこそ。

家族に対しそうそう使う事のない第一声で出迎える娘二号の退院日。自然分娩ではなく帝王切開だったため妻の入院も一週間と長かったのだが、いよいよこれから本当の子育てが始まる。

ちなみに今回、ちょっといい産婦人科を選んだのだが、請求額は…十万ちょっと。

娘一号の時は出産祝い金が32万出たそうで、それが今は42万に増額されている。その上で当時はおつりが出て今回は支払いに回っているのでその差は歴然だろう。まあ前回が自然分娩+四人部屋、今回が帝王切開+個室というのも大きいんだろうけど、なんにせよ妻が満足してくれたようなのでオールオーケーだ。最終日にはお抱えシェフによる「お祝い膳」なるフルコースまで出て至れり尽くせりであった。

　──「人は泣きながら生まれる。このあほうどもの舞台に引き出されたのが悲しくてな」

　（リア王は赤ん坊が泣くのをこう言ったそうだが、娘二号は庶民どもの家に引き擦り込まれて泣いたりするのだろうかｗ？）

　娘二号（なんかここ前より環境悪くね…？）

と言うわけで週末より始まった四人での生活。

そう言えば書いてなかったが、妻が入院していた一週間は娘一号も妻の実家で寝泊りしていて実質一人暮らしのようなものであった。仕事とお見舞いで毎夜僕の帰りが遅いのと、ご飯の世話などもあってそうしてもらっていたのだが、久々の一人暮らしは開放的で…それでいてちょっぴり空虚で。一人の夜というのは静かだなーと数年ぶりに思い出して、笑い声のある部屋の温かみを今さらながらに思い知ったわけだ。

一人は楽だけど、一人じゃないってだけで世界はこんなにも広がる。例えそれを望まなくとも、一人になるときはなってしまうのだしｗ、今はこの幸せの中で存分に過ごす事としよう。

　（きゃわわｗ）

授乳後、ゲップをして空気を抜くのだけど、酔いつぶれて介抱されてるババアみたいで面白い。

　（ぶっさｗコミュ抜けるわｗ）

どうやら風呂が好きらしく、ものすごく気持ち良さそうな顔をするのがたまらなくかわいい。このおちょぼ口がどうやらこいつの満足顔のようだ。そしてお腹が減った顔、オムツが汚れて気持ちの悪い顔、見ていて少しずつ判別がつくようになってきた。ただ笑顔と言うのはまだこの段階では作れないらしく、それらしい表情をしても単なる偶然だという。

それでもニヤっと永沢君ばりのニヒルな笑みを浮かべてくれれば家中騒然。みんなが釣られて笑顔になってしまう。懸念であった娘一号との軋轢も、そんな姿を見てると杞憂だったと胸をなでおろす。むしろ率先して世話をしてくれていてやっぱりかわいくないはずが無かろうて。

一号が二号を抱く姿には感慨深いものがあった。

　（今、人生の中でも結構な幸せのピークにいるんじゃなかろうか＾＾；）

夜泣きにオムツに、聞いていた通りの忙しなさだけど、何も文句は無い。俺みたいな堕落者がこれ以上望めば罰が当たるってもんだ。けれどそうさな、後は仕事が上手くいって、あのキャラが売れてくれれば思い残す事はな…

ほら、こんなクソコラばっか考えてるんだよｗ