9/21  愛より重し

話はペルシュウを食べる六時間前に遡る。

前回も書いたようにこの日は妻の誕生日。リクエストされた壁掛け時計と僕の独断でペルシュウなど買ってみたはいいものの、実はそれよりメインのプレゼントが用意してあって、それは「一人の時間」。

妻は元来休日は家で一人でボーっとしてるのが好きなのだ。遊びに行きたい僕と利害が一致してこれまでは上手くそういう時間を作っていたのだけど、二号が生まれてからはそれもなかなか難しくなってしまった。乳幼児を外へ連れ出すにも限度があるし、一人になりたいならば妻が外に出て行かなければならないわけで…

 (でもこれ、よく考えてみたら俺がミルク持って実家にでも行けば解決すんだよな(;^ω^))

という事で、非常に面倒なのでこれまで考えないようにしていた案を実行に移すときが来たのだ(ピキーンドゴーン)。なお、母にその日の予定を聞いた結果、どうせなら親戚の家に二号の顔見せに行ったら?という事になったのでそうする事に。

 (そういえば生まれてからまだ一度も母方の親類には挨拶に行ってなかったっけ)

母方の実家とは、つまり僕でいうところのマツコの家。生憎あんな性悪はうちの親戚にはいないが、それでも妻からしたら好んで行きたい場所でもあるまい。この日はちょうど娘一号が部活で1日家を開けるとの事だったので、これ幸いと娘ニ号を連れて出発!

 「うわ~、うみ超久しぶりじゃん(゚∀゚)!」
 「なにこの子、うみソックリすぎて笑えるんだけどw」

 (しばらく見ないうちに親戚がネズミ講のように増えてんな(;^ω^))

母方の親戚には母の姉と兄がいて、姉の方には娘が四人。兄の方には男女一名ずつが皆もう成人してバリバリやっている。この日やってきたのは母の姉夫婦の家なのだが、そこの娘…つまり僕の従姉妹にあたる人らが二人会いに来てくれた。四姉妹のうち、長女が四人、次女が三人、三女は独身で四女が三人と…ここには長女と四女の子らがいるのだが、もはや多すぎて名前を覚える事が出来ないぐらいw

昔、母の父…つまり僕の祖父が大勢の孫を前に「ゴッドファーザー」をモジって自らを「ゴッドちゃん」などと呼ばせていたのだけれど、次代のゴッドちゃんである母姉の夫はいい加減勘弁してくれと苦笑いするばかり。ゴッドちゃんも大変なのだ。
  

 「さて、タプちゃんそろそろ腹が空いたかな~?」
 「は?うみ、おまえまさか…」

粉ミルクと哺乳瓶、それからお湯の入った水筒を取り出した僕に二代目ゴッドちゃんが戦慄した。彼の感覚からするとこれは考えられない行為らしく、そして反応を見るからに娘の夫たちもそういう事をしない人種なのだろう。

慣れた手つきでミルクを飲ませる僕に従姉妹達も驚きの表情を隠そうとしない。

 「えー!うみってイクメンだったの?」
 「ちょっと、写真とってうちの夫に見せていい!?」
 「え?これってそんなに珍しい事なの(;^ω^)?」

言いつつ、イクメンという言葉にまんざらでもない表情を浮かべながらミルクを飲ませ、オムツを替えて… (ここで再度女子からの歓声) 寝かしつけまで一連の動作を滞りなく済ませたときには会場のボルテージは最高潮に。

あまりにも褒められたため、実は僕の方ががおかしくて妻に洗脳されてしまっているだけなのかも?と疑ったぐらいだったが、

 「あのうみがこんな風になるなんてねぇ…」
 「人間どうなるかわからないねw」

 (ああ、不良が良い事すると数倍増しでよく見えるようになるっていう例のやつか^^;)

僕の親類の間での評判など想像に難くないわけでw

 

そんなこんだで何とか夕方まで時間を潰し、さすがに一日というわけには行かなかったが妻も満足してくれたろうと家に帰ると何やら違和感。

 (・・・なんだ、この痛み!?)

首筋に焼けるような痛みが走る。初めそれは単発のものだと思っていたが、夜が深まるに連れ間断なく繰り返されようになった痛みの波にいよいよこれはおかしいぞ、と。

 (というかこれ、完全に菌が入ったときの痛みだわ><)

痛みは首筋、もっというとアゴの下辺りのリンパだと思われ。心なしか熱っぽいし痛いしで、ペルシュウもワインの余韻もそこそこにさっさと布団に入る。というか普段飲まないワインなんか飲んだから…とか一瞬考えたけど、さすがにそりゃないよな。記憶はなくすが酒で体調が悪くなった事はないはずだ。

 (あー・・・体がだるい)

首筋の違和感は翌日も続き、その日はちょうど健康診断だったためついでに先生へと聞いてみる事にした。

 「なにかリンパに菌が入ったとかそういうのでしょうか?」
 「う~ん…」

すると先生から思いも寄らぬ一言。

 「何かいつもと違う仕事みたいな事した?力仕事とか」
 「え?うーん…(強いて言えばブラック会社かw?」 

  
 「これねぇ、恐らく肩こりっすわ。何か心当たりあります?」

 「心当たりって……ハッ!!」

 (で、で、でぶにゃんの事かー!!!!)
 
イクメンも大変なのだ。

コメント

  1. ヨシホイ より:

    うみをよ・・実家に帰る時がきたのだ・・!(IKUJI+1)
    こんなに子供が集まる家も今時めずらしいっすね僕ん所も早くしないと親をゴッドちゃんにしてやれないどころか跡継ぎがいないと最後孤独死はホント勘弁やで・・・
    たぷちゃんミシュランマンみたいでかわいいのぉ><

  2. kenji より:

    ピキドゴ反応先にやられた_(:3」∠)_

    赤ちゃんは手やない!腰で持つんや!!
    左手は添えるだけ

    にしても子供多すぎワロタ

  3. 愛知のクマ より:

    私はようやく沐浴するのにドキドキしなくなりましたわ。
    娘は1ヶ月と21日になりましたが見違えるように大きくなりました。
    持ち上げると前より重たいのが嬉しいなぁ。
    しかし、就寝時の子供のミルクとかあやすの大変だなぁ

  4. 三重県人 より:

    肩こりって連動して他の部分もおかしくなること多いっすよホントに。

    最後の写真が脚の形した大根とかでよく見る形でワロタ。
    それにしてもアニメみたいなテカテカ肌ですなwピッチピチにも程があるぜ

  5. umi より:

    >>ヨシホイさん
    ゴッドちゃんは…実際ゴッドファーザーからモジってる部分もあって、かなりの大家族じゃなきゃ呼べないのかなぁと思いますよw跡継ぎ問題に悩む気持ちはあるのでしょうが、授かり物というぐらいだし腰を据え人事を尽くして後、待つしかありませんね><

    たぷちゃん週ごとに巨大化してるような気がしてならない…

    >>kenjiさん
    腰で持つって案外、イメージはみんな持てるんでしょうがやってみると難しいですよ。特に腰痛持ちには地獄です(‘A`)
    子供は、ここには写ってないのがまだ四人いますからねw今後本格的に付き合うとなるとお年玉が心配です(;^ω^)

    >>愛知のクマさん
    おー、沐浴自分も最初おっかなびっくりでしたw今はある程度型というか、やり方が自分なりに確立できてきて、洗うとき、湯船で抱える時等、おさまりがいいポジションが決まるとスムーズだと思います!
    うちのも気付けば出産時の三倍強になっております。特にここ数週間での膨らみ具合(笑)が凄まじく、ちょっと忙しくて目を離した隙に巨大化してる印象で驚かされてばかりですよ。
    夜泣きや深夜の授乳感覚は人それぞれでしょうから、負担の軽い子だといいですね。初めのうちは結構参ってしまいましたがいつのまにか傍で授乳してても気付かず寝ているようになってますw

    >>三重県人さん
    僕は腰も肩も結構経験しているつもりなんですけど、このレベルの頭痛を引き起こす肩こりってのは初めてでした。そりゃパチなんかと使う筋肉は違うのだから、比べるのがおかしいのでしょうがw

    最後の写真は一応、オイルマッサージしているときのものなのでオイルのテカテカですよw

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