2/4  間違いだらけの世の中で

コロナ禍において三年程中止になっていた組合の新年会を今年はやるそうで…

おらぁもう行かねえぞ、めんどくさい

えー…ならアンタ、顔見せも兼ねて行ってきなよ。

え?おれ??やだよ。
そこは普通社長(義弟)だろう?

あんたの方がまだ社交的だし、それに組合の仕事はあんたの担当でしょうが

もはや名誉職となった会長は行きたくないという事で、なぜか自分に白羽の矢が立つも…まあ、確かに義弟は電気組合とは関係のない仕事を請け持っているわけで、今後の事を考えると矢面に立たされるであろう僕が出るのは間違っちゃいないんだよなぁ。

名刺の渡し方のマナーとか知らんぞ?

大丈夫だって。多分そんな場面無いから

…そうなの?

 

と言うわけで、某でっかいホテルのでっかいホール。市長やら政治家まで呼ばれている割と大き目な新年会のようだ、150人くらいはいるだろうか。小奇麗な恰好をしていけと言われたのでチノパンに明るい色のジャケットを羽織っていったら、周りがみんなスーツで浮いていた。そういえば昔、同じ失敗を友人の結婚式でした事があったなぁ…

〇〇電気様ですね。H~Lまでの間で好きなテーブルにご着席ください

は、はあ…

時に今回、ウチの会社はお酒を飲まない「無酒席」というテーブルを用意して貰っていたのだが、会場についたのが結構ギリギリで急いで案内された席につくと程なく挨拶が始まり… いつの間にかそそがれていたウェルカムドリンク。

なんかシャンパンっぽいけど、ノンアルだよな?

特に何も気にせず乾杯!の声に合わせてグイっと飲んでみると…

まさかのアルコール入り…w

いや、飲む前に気付けよと言われそうだが、そういうシャンパンだとばかり思っていたし、周りはみんなかなりのご年配。聞ける雰囲気でもなかったので流れに任せてエイヤッとやったが罠だったか(;^ω^)。

よく見ると案内されたH~Lの席とは別の場所に、ウーロン茶のような大きな瓶が置かれたテーブルがあって、恐らくあれが無酒席だったんだろう。そう気づく頃には席へと瓶ビールがどかどかと運び込まれてきたではないか。

もはや止まれぬ!

一杯飲んだ以上、帰りは代行を使わざるを得ないので不承不承ながら飲むとしましょう。何気に前回瓶に目覚めてから初めての外飲みである。

コロナの唯一の功績と言ってもよろしいであろうパーテーションでの仕切り、こいつのおかげでお酌をする必要がなくなったのはとても大きい。隣のどこかの社長さんであろうご年配の老人が、しきりに

 「これのおかげでお酌もし辛いよねぇ…(´・ω・`)」

などと話しかけてくるが、それが本音か建て前なのかはわからない。いや、敢えてわかろうとせず黙々と瓶を開ける若造が一人。

おめえ顔見せに行ってんじゃねえのかよ…

周りは歓談タイムに入っているようで、見渡せばワイワイガヤガヤ、ちゃんとこんな中でもお酌に回っている人は多いが…それは見知った顔だから、、だよね??

まさか知らない人に適当にお酌をして回るわけにもいくまいし…

会場には本当に見知った顔が一人もいない。

いや、市長だけか。市長の顔はさすがに知っているが、それぐらいだ。こんな中で駆け出しはみんなに挨拶にお酌をして回ったりしてきたのだろうか?名刺を配って回って来たのだろうか??

全く関わる事の無い会社だったら却って失礼にあたらないか…?

挨拶したほうがいいような気もするが、しない方がマシな気さえする。わからない以上飲むしかないと腹を括っていると、逆に知らない人からお酌が回って来たではないか。

どーもー。飲んでますかー!?

え。あ、はい。御覧の通り

なんだったんだ?と。こんな若造にもお酌をして回るのがガチの商売人なのかという思いに駆られながら悶々としていると、また一人…

どうですかー?お仕事の方は。忙しいです?

え。あ、はい。去年より結構忙しいっすね

なんだかやけに話しかけられるな。この人らが全員にお酌をしているかと言えばそういうわけでもなさそう…現に同じテーブルのご年配達にはお酌をしていないし、席にはネームプレートはおろか、会社の名前の入ったものなども一切ない。

明らかに「僕」に向かって話しかけてきているように見えるが…?

やーやーこんばんわ。

そして現れた四人目か五人目のお酌人。この頃にはある種の予感さえあって、、

いやー、どうです?材料費だいぶ高騰してますが

それがさっ!うちとこはほら、一気に買って置いとくじゃない?前回買ったのが九月でよ、なんか得した気分なんだわwww

…やはり!!

やけにみんな慣れ慣れしいなとは思っていたが、この谷村先生に似たニコニコ面のオッサンのおかげでようやく確信が持てた。

いやー、また今度連絡しますよ北村さん

おう!

どう見ても人違いです。本当にありがとうございました。

 

多分僕に似た頭髪が薄くなった若旦那がいるんだろうな。これもマスク社会の弊害か、みんな素顔を忘れかけているんだろう(笑

何にせよ、次にこういうパーティーに出る楽しみが出来た。是非とも僕と間違えられた北村さんとやらを拝んでやらねばなるまい。

コメント

  1. REG より:

    兄さんアイスボーンの実践記お待ちしておりますm(_ _)m

  2. ヨシホイ より:

    ワロタw同業だからか話が割と噛み合うのも◎
    結局終わるまでばれなかったんすか?

    腰は丸二週間たってようやく一人でお着替えが出来るようになりました嫁も早めに介護経験が出来てよかったね

  3. kenji より:

    人違いワロタw

    前回のは詰めろと必死をかけたんだにゃー

  4. umi より:

    >>REGさん
    このコメント読んで週末、勢い込んで打ちに行ったらまだうちの地域では入ってなくて、カバネリで死んだんですがどうしてくれるんですかチクショー!!!

    なるべく前情報入れないで打ちに行ってきますよ(^^♪

    >>ヨシホイさん
    なんか違和感を感じつつも…という感じでバレてたのかどうかわからんまま軽い挨拶ばっかでしたからねえ。どうなんでしょうw

    腰は結局ギックリだったんすか?でもギックリで二週間って中々聞かないし、やっぱヘルニア??自分の腰痛なんてかわいいもんだと、酷い人の話聞くと思わされますね。

    >>kenjiさん
    すいません。必死と必至を掛けたんだなってのはわかったけど、上手くなくてつい…(;^ω^)w