2/26　　気高きいつもの

恒例の「大将、いつもの！」シリーズなんだけど…

　＊僕の「大将！いつもの！」へのあこがれは過去記事を参照してくださいましｗ
　・2007/9/3　いつもの
　・2012/3/30　いつもの定義は人それぞれなれど
　・2012/6/24　悲願は遠く…
　・2014/5/23　自称常連の悲喜交々　
　・2021/2/13　いつもの数倍のダメージ
　・2021/3/8　忍び寄るいつもの

前回、いつのまにか女将（予想）さんに僕の特殊な注文の仕方を覚えられていて、これはもしやっ…⁉と思わせる展開があったと書いたのだが、件のお店、あれから一年。

なにか進展があったかと言えば。。。

あららら…

なんとそのお店、昨年の台風15号で被災して店を閉めてしまっているのである。

50年ぶりの七夕豪雨の再来と言われた昨年夏の台風15号。珍しく静岡市に非常に大きな被害があったわけだが、中でもこのお店のあった地域は特にひどかったらしく･･･それこそちびまる子ちゃんの漫画で沈んでいた場所そのものと言っていい地区である。

気付けばあれから数か月が経ち、まだ山間の方ではがけ崩れの痕などが残っているものの、町は少しずつ以前の姿に戻ろうとしている中で一向にこのうどん屋に再開する動きは見られなかった。

どうしちゃっただか。

なんか聞いた話だとあそこの店主さん水害で店がやられたの二度目で心が折れたとか…？

え。そうなの？

なんか街の方で別のお店手伝ってるって話だし、もう自分の店はやらないのかもね…

おいおいおいおい、勿体ねえなあんな旨い店…　金出してくれる人絶対いると思うんだけど

ねー。銀行も喜んで出すと思うし

なんなら出させて貰いたいぐらいだよな。すぐに倍になって返ってきそうだし、それぐらい勝算が立つ味だよ

うーん。あれだけ行列出来てた店だし、やっぱり金銭的な問題じゃないんだろうね

こんな話をしていたのが年明けの事。

確かに二度も水害で店が潰れたら心も折れる気持ちはわかるが、それでもなお勿体ないと、再開して欲しいという気持ちになってしまうのは酷なものか。いや、それぐらい旨いうどん屋だったのだ。

正直もうあれが食べられないと言うのはとんでもない喪失感だぞ…と、思っていたら二月に入って朗報を聞く。

聞いた？あのお店、再開のためのクラウドファンディングやってるみたいよ

な、なんだってー！！

心が折れたと言う話は一体なんだったんだろうか。やる気満々じゃねえかｗまあ噂話なんてそんなものか、むしろ噂話で良かったぜ。

と言うわけで、人生初のクラウドファンディングに支援してみた。

支援に対するリターンは値段によってお礼の手紙からお食事券、店内貸し切り券や並び回避券などさまざまであるが、中でも目を引いたのがこちら…

十万円で「ボス」か「姫」と呼んでもらえるチケット…‼

もちろんボスと呼んで貰いたいと思ってるわけじゃなく…狙いはその先。そう、ボスやら姫と呼んでもらえるという事は必然、店や大将にしっかりとその存在を認識してもらうという事に他ならず…言うなればこのチケットには強制的に「大将、いつもの！」を発動できる権利が付与されていると言っても過言ではない！！

10万円は安くはないが、支援目的という面もあるし、何よりこれがあれば…

ついに…ついに念願の！！

…はッ！！！

危ない所で心の中のブチャラティが引き留めてくれた。金に任せて安易な道を、最も下衆な選択をするところであった…

これまで積み重ねてきた「大将、いつもの！」への気高き思い…憧れ、それらは決して金なんかで構築してよい関係性ではなかったはず。

支援はしたいがこのスーパーうみ、施しは受けぬ！！！

と言うわけで思い直してお食事券で…支援？？

しかしこのお食事券、一万円で11000円分のチケットが付いてくるというのだが…これ、支援になってんのかなｗ？

なんて思っていたら、よく見たら目標金額200万に対して既に1188万集まっていて…地域のみんながどれほど再開を心待ちにしているかがよくわかるね。

静岡県清水区のうどん屋「げんき」。お近くの方は再開したら騙されたと思って行ってみてください。オススメっす。