4/1  青春時代

三月末日、大学の入学式を控えいよいよ娘一号が我が家を巣立つ日がやってきた。

いいなぁ…羨ましいなぁ

真新しい部屋に真新しい家具。見知らぬ街に一人、これから自分だけの生活を刻み込もうとしている娘の姿に父は羨望に堪えない。

僕も出来うる事なら初めて部屋を借りたあの日あの瞬間に戻りたいと、今でも時折夜中に一人堪らなくなる事がある… 人生で一番自由だったあの頃へ。

今だってもちろん幸せだ。けれど過ぎし青春の眩さは永遠である。だからこそ輝いているのだろうし美化されもするのだろうが、とにかく、娘はこれからその光の中へと進んでいくのだ。

……二度と戻れないあの頃、か。

なんだか想像以上に寂しいのはそうした喪失感から来るものなのか?

いや、ここに白状するが娘一号のいない我が家に僕は思った以上に寒々しい気持ちを覚えているところだ。引っ越しを終え帰って来た夜、がらんどうの娘の部屋を見て一つの時代の終わりを感じた。

巨人の星で一徹がやはり飛雄馬、明子が出て行った部屋で一人これまでの思い出を振り返ってさめざめと泣くシーンがあるが、あの心境だ。着実に確実に時計の針は進んでいる。それが嬉しくもあり、寂しくもある。とても幸せなはずなのに、なんだかなんでか涙が出る。

やったぁ!!ここやっとなっちゃんの部屋になったんだよね!!???イエーイ!!!!!

おまえ、ねえねがいなくなって寂しいとかないのか…

ないよ!いやっほー☆

さりとて、まだまだ人生は続く。

どころか、これから始まる子も抱えている。感傷に浸る暇はないものの、しかしこの子さえもいなくなった後を思うと今から少々憂鬱である。

不思議なものだ、思い焦がれるあの頃は一人気ままに自由に生きていた時代だというのに、心配するのは家から子供たちがいなくなる日だというのだから。

コメント

  1. キングオブマウス より:

    こちらのブログを大学生のころから読み始めて早10数年になります。
    ほぼ同世代ということと、同じような生活を送っていた時期もあった
    ことから勝手に妙な親近感を持っていました。

    私も海さんの少し後に結婚し、数年前に子供が生まれ、成長を見守り
    日々悪戦苦闘しております。
    自分が主役から脇役にかわり主役が子供になったこと、楽しませる側に
    なったことを嬉しく寂しく思っていますが、今回のブログ内容が妙に
    響きましたので駄文を送信した次第です。

    今後も更新を楽しみにしております。

  2. kenji より:

    嬉しくもあり悲しくもある
    アンビバレントですね。

    大学生と言えば交友関係や交際環境がガラッと変わるので
    色々心配ではありますが、二度とは戻らない
    黄金期間なのは言うまでもないッちゃんね

    私達もそろそろ棺桶まで折り返しになりましたね、悔いの無いように過ごしたいものです。

    二号は姉、嫌いなのかも知らんw

  3. umi より:

    >>キングオブマウスさん
    あれ?なんか以前この名前でコメント貰ったような記憶があるんですが、気のせいでしょうかね?

    子供を育てる過程で人生の追体験をするとは言いますが、我々世代はちょうど子供と親の狭間で揺れ動く、言ってみれば大人の中二病世代なのかもしれませんねw 男は永遠にそうなのかもしれませんが、妙にしんみりしてしまうのも心のどこかにまだ現役だという思いあってのものだと思いますし、逆に言えばその思いが無くなった時本気でジジイになってしまうのかもと思ってしまいます…w

    男としても父としてもカッコよくありたいものですな( ´∀`)お互い頑張り過ぎないよう、頑張りましょうw

    >>kenji先生
    体感時間で言うと、もうだいぶ棺桶側なんだろうけどねw
    妻とも最近老後の話をちょこちょこするようになってきたぜ(;^ω^)

    kenji先生も早くいい人みつけなさいよ。結婚式でオフ会やろうぜw