5/23  自称常連の悲喜交交

過去何度か訪れてるマイフェイバリット蕎麦店。

ここに来るのは二年ぶりぐらいになるだろうか?ただでさえ実家が勝手に引越して遠くなったのもあるし、それ以上に個人的な理由でこちらまで足を伸ばさなくなっていた事もあり随分と久々だ。最近色々と静岡に用事があって往復しているのでそのついでに時間を見つけて行くことに。

 (まだあるといいけど…)

生き馬の目を抜く飲食業界ということもあり、最悪無くなってる事も覚悟しましたが、そこは味に惚れ込み通っていただけはあるお店。無事に営業していました。

ただ、なんかいつの間にか昼の部が無くなってて夜の部しかやってなかったんだけど、おかげで時間が合わず難儀することに。やっぱ場所的に大変なんだろうな。その関係で少し待って開店と同時に入店。

 (ややっ、これはお見限りでしたね、旦那!)
 (ふっ、健在か?大将)

店に入ると相変わらず店主が「お!?」みたいな表情をしたような気がし、妄想の中で会話を済ます。その真偽を確かめる術はやはり今の僕には無いのだが、澄まし顔にてカウンターへと腰を下ろした。

どれどれ、メニューは…うむ!変わってな…い…?

 (んん?)

なんだろう。ん?蕎麦のメニューは変わってないように思えるのだが、サイドメニューが充実したというか、元々頼んだことが無いのでよく覚えていないのだが、しかし…

 『おかみの一押し』

POPな文体で書かれた手書きのこの一文がとても気になる。確か以前までこんなものは無かったはずだ。って、おかみ??ん~?目の前にいる女性の店員は毎回いたように記憶している。するってーと、つまり??

 「結婚したんすか?大将」 
 「ええ、実は昨年…」

…なんて会話が出来れば僕はとっくに夢である「大将!いつもの」を実現できているのだけれど、とにかく、なんだ。そういう事なんだろうな。おかみさん、前の店でもいつもいたし大将を支え続けてきたんだろう。と、勝手に妄想。

 (・・・ええ話やないけ(´;ω;`))

しかし二年ぶりに来た客にそんな事を言われても向こうも困るだろうと、珍しく空気を読んでその事には敢えて触れなかったものの、ささやかながらお祝いの気持ちで一品追加する事にした。

 「じゃあ、セイロとイナカの二種類のやつと、出汁巻きたまごを」
 「はい!少々お待ちください」

 (ふふふ^^)

しかしいつのまにか「おかみ」かぁ。なんかいいね。一つの時代を見たようで嬉しいな、なんて勝手に練り上げたストーリーの中で自己満足に浸っているとおかみが慌ててやってきた。

 「お客様、すいませんっ!!!」

なんでも、開店と同時にやってきたためまだ片方の麺を打ち終えていないそうで、長めに時間を頂くことになりますが…との事らしい。

 「これ、よかったらどうぞ><」

快く了承すると、待ってる間におかみが気を使ってサービスで料理を出してくれた。お祝いのつもりだったのに、どうして俺はこうも間が悪いのかね…

そしてこの間の悪ささえも見様によっては会話のきっかけとなる大チャンスだったというのに、相も変わらず絶好球を見逃す自分。殺伐さと馴れ合いの先にある「大将!いつもの」に至る道は果てしなく遠い…

 (俺は、辿り付けるのだろうか?)

不甲斐なさに肩を落として帰ろうとした矢先、店主の「いつも・・・ありがとうございます!」の声が店内に響く。

その「いつも」の部分に力が篭ってるだけで、途端に嬉しくなっちゃうのだから単純なもんだよな。

コメント

  1. ヨシホイ より:

    最近大将!いつもの!ができる店が2つ出来ました。一つは元々知り合いなのもあって特に考えないのですがもう一つは(こいつうざい・・)とか思われてそうでドキドキしながら言ってます^^;

  2. のっぽさん より:

    初回のハードルはうんと高いけど、それを越えたら一気に安い言葉に変わりそう。
    夢は夢のまま。実現しない方が楽しそう(笑)

  3. ( ・ω・)y-~~~~ より:

    終戦記念日って8/15が本土では有名だが、こっちでは6月らしい。。。さらに公式の終戦は本土9/2でこっちは9/7という。5日間程ずれている。どうやらこっちの指揮官が死んじまって、近場の将校を連れてきて調印させたためらしいとか?
    嘉手納米空軍基地内で、ここで調印したって石碑の前でそんな説明を受けた(´・_・`)苦笑いするしかなかった。。。

  4. 一男太郎 より:

    僕の家の近くにあった蕎麦屋はカレー、カツ丼、ラーメン、パフェと手を広げた挙句潰れましたね。
    いっかい、ラーメン屋で「いつもの!」って言って「は?」って言われてるヤツ(顔じゃなくて言葉で)を見て以来、そんな勇気はありませんね。

  5. kenji より:

    あっちから
    いつものでいいですか?
    ってウェイターに聞かれたことはありますw
    いつも…
    毎度あり
    と意味は一緒なのだが…

  6. umi より:

    >>ヨシホイさん
    元々知り合いの店は除外や除外!!!猛一つ全くの新規で作ったのならすごいね。
    >>のっぽさん
    行き過ぎるとただのウザ常連になる諸刃の剣ですもんね>< 今日お好み焼き屋で昼食食べてたら声のデカいおばちゃんが「いつもの五目やきそば野菜多めと、いつものカレーもんじゃといつものお好み焼きいか天ね」って全部説明しててワロタw
    >> ( ・ω・)y-~~~~さん
    へー、それは初耳です。けどやっぱよほどの歴史マニアじゃない限りは聞いたら同じ反応しちゃいそう^^;
    >>一男太郎さん
    蕎麦屋で許されるのはカツ丼まででしょうね、恐らく^^; ラーメン屋における炒飯と同じ… パフェは迷走が見て取れますね。
    「いつもの」はそれがあるから一番最初に言い出すのが本当に難しいんですよ><願わくば店主から歩み寄って「いつものでいい?」と言ってもらえるのが理想ですね
    >>kenjiさん
    よほど時間帯やら風貌やら規則やら好意やら、とにかく何か特徴的な事柄で覚えられないとそういうイベントは無いでしょうね><
    「毎度あり!」はただの掛け声だけど「いつもありがとうございます」はもう少し上位ランクの言葉だと思ってますが果たして!?

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