2/12　　伏兵現る

なんだかとてもつけ麺な気分で、久々にあそこに行ってみっかと向かった某店。

　（むむ？なんだか知らんがすっげー並んで、、ってアレ？？これ店変わってね？）

以前のそのお店も別に閑古鳥が鳴いているというわけではなかったが、しかし店の前に人が並んでいる姿はついぞ見たことが無かった。それにしたって潰れる程には見えなかったが、そうかそうか、潰れちまったんか…

というわけで、せっかくなので新店へ並んでみる事に。静岡人は行列が大好きなのだ！

　（ほう、そういう系か）

当店は自然素材にこだわった健康志向のお店ですなどと、店に入るや否や出迎える謳い文句。正直ラーメンってソレ自体が既に健康的に良いとは思えないのだがｗ、だからこそ健康が売りになるのか、はたまた届かない場所を目指しての永遠の旅になってしまうのか…これは壮大なテーマである。

　（おっ、つけ麺あるじゃん♪）

食券機のボタン横POP、店主オススメと銘打たれた「つけ麺」を見てニンマリする。普段僕は初めて入った店では礼儀としてその店の一番売りにしているラーメンを注文するのだが、今日はどうしてもつけ麺の気分だったのだ。普通のラーメンもあるにはあるが、こちらが店主オススメというならこれが売りという解釈もある。

時につけ麺は大抵「量」の選択が自由で、大盛りが無料なところが多い。加えてアツ盛りかどうかと聞いてくる店もあって、ここもまあそんな感じで店主が聞いてきた。そのついでに軽く話を振ってみると…

　「そういやここはいつ頃オープンしたんですか？」
　「あっ、昨年の11月ッ…ス」
　「そういやなんか工事してましたもんね……ん？」
　「………ｼﾞｰ…」
　「…？??」

なんだか嫌にこちらを凝視しているような。それでいて話し終えた後もやたらに視線が残されているような気配がするが…　なんなんだ？目と目で語る客とのコミュニケーションを大事にしますってヤツなんだろうか？服屋も雀荘もパチ屋もそうだが、オデそういうの嫌いなんだけど…

　（しかしあれだな、どっかで見たような気がしないでもない顔だったような。）

そういう意味で向こうも見てきたのだろうか？横目でチラりと店主を見るが、うーん…年は若そうだが自分と同じぐらいかと言われると全くわからん、、、このくらいの年代は結構経験や責任が顔ににじみ出てくる頃で、僕はその点お気楽に過ごして来たせいでほとんど変わってないとよく言われる＾＾；強いて言えばストレスが頭皮に滲み出て…ってやかましいわ！！！！

手持ち無沙汰になりメニューをパラパラしていると、最後のページに店主紹介欄があった。最近こういうの多いんだけど、初めて役に立つかもしれんｗ！

　（なになに？名前は○○○…うーん、確かこんな苗字のヤツがいた気がしたが）

何やら見覚えのある苗字。しかし生まれ年を見ると僕とは三年も離れている。となると学校での絡みもなさそうだし、やはり勘違いか。

　（或いはどっかのホールでカチ合ってた元プーだったりするのかなｗ？）

それっきり店主の事など興味を失くし、将棋の棋譜を見ながらボーっとしているとやがて注文があがったのか、カウンター正面から店主がつけ麺を出してきて、それを受け取…

　（ｱｯー!!）

なんということか、店主が勘違いの領域をはるかに超えたガン見でどんぶりを離さないまま僕を見つめているではないか。ちょっと待てよ。なんだ？恭しく気の利いた言葉でもかけないと商品を受け取れないシステムでもあるというのか？まさかここは食うたびにこんな儀式めいた事をしないといけない店なのか（；＾ω＾）？？？

　「・・・せん・・ぱい？」
　「え？」
　「先輩っすよね！？ほら、あの、自分が一年のとき三年だった！」
　「あー…あー、やっぱ見たことある顔だと思ったけん、ハンド部の？」
　「はいっ！○○商業の！」

やはり知り合いだったのだ。

しかし恐ろしい事にお互い名前を覚えていないのでこんな探り合いのような会話になっていてｗ、しかも僕は先ほどメニューに載ってたプロフィールを見て店主の名前を知っているはずなのに、ここに至ってまだ名前と顔が一致しないという痴呆っぷり（；＾ω＾）

けどまあそれもすぐ原因がわかった。

　「あー、ごめん。名前なんだっけ？確かあだ名で呼んでたような気がするだけん」
　「はい！ブーちゃんです！」
　「おー、ブーちゃん！そうだ、かわいかったあの子がこんな髭達磨に…（遠い目」

そうだ、確かに僕が三年のときの新入生でムチムチしてかわいがってた子がいた。相変わらず恐ろしいほどブレずに彼のアゴも常時タプタプしていたのだが、言われてみれば面影があるし、そうか！遅生まれだったから３年離れていたというわけか。あー、はいはい、完全に繋がったよ。

幸いラーメンは結構好きな部類の味だったため通うのも全然アリだ。これでついに僕の野望（いつもの！シリーズ参照→①②③）であった「大将、いつもの！」が…　　

（あ、ここ食券機やん(‘A`)……）

ガーンだな。そういう阻止の仕方もあるのかｗ