1/19　　新人君の憂鬱　～ｴﾋﾟｿｰﾄﾞ10くらい？～

既読はつかないが、読んでいるのはわかっている。

LINEアプリにはそういう技があるそうだと聞いていたし、実際に既読がつかないまま頼んでいた用事（必要書類を持ってくる）をこなして来たということがあったのでそれは確信している。

あ、新人君の話です。

前回記事が11月の出来事だったのだが、実はこの頃からLINEの返事が極端に遅くなっていた。具体的に言うと夕方僕が送ったメッセージに対し早くて1～2時間、酷いと翌朝「休みます」という瞬間まで一切既読がつかない状況。

もともと返信は遅かった。業務に関する内容などどうしても必要だったとは言え、時間外では嫌だろうとこちらもなるべく簡潔に済まそうと思っているのに、向こうが返信してこないので無駄に長引いてこっちが嫌になってたくらいだ。

毎朝電話で欠勤を伝える方が辛かろうという配慮の元でLINEでのやり取りにしていたというのに…逆効果だったのだろうか？

そのくせ、「一度話し合いましょう」という内容に対してだけ高速でレスが返ってきたというのだから…もうね。

いつもは既読もつかないし返信も3時間後とかなのに、このときばかりは10分ほどで返信がきて苦笑い。当日も当然仕事は休んだものの、しっかりと夕方には事務所に顔を出し…

実を言うと、既に少し前に社長（義弟）にヤメたいという話をしていたそうだ。ちょうど最後に蓋をぶち割った直後で、心が折れたという内容で…　確かにその後から吐き気で出社出来なくなっている。正式に辞表を提出されたわけではないので社長は新人君の出方を見守る事にしていたそうだが、結局何のアクションもないまま今日に至ってるわけで…

事前に社長（ｦﾀｸ）と一応の流れというか社としての意見を話し合っておく。

意外なことにこの時点では社長が辞めてもらう方向で、僕が何とか残って貰えないか画策する派であった。そうというのも、もともと新人君を採用するに当たってGOサインを出したのは僕なのだ。協調性はあまりなさそうだけど一人作業ならきっと向いているに違いないと…その際にあの真面目そうな感じは役に立つと、そう思って強く推したのは他でもないこの僕である。

そうして話し合いの結果出た結論が、まあ月並みではあるが続けたいというのなら環境を変える方向で、やめたいというなら仕方ないというものであった。

ただしこちらから辞めろというのは無しの方向で。なんだかんだ育てた労力を思うと続けて何とかなってくれた方が助かるのだ。

…とは言ったものの、十中八九ヤメたいという話が出るものだと思っていたのだが…

これには社長も驚きの声をあげたほどｗおまえ辞めたいって社長に相談してたんじゃないんかーーーーい！！！

…とは思ってても口にしたらアカンやつｗ

さすがにこんな事は向こうも承知しているだろうし、これはあくまで確認事項として言っておかねばならないと思って言っただけだ。大切なのはこの事実を受け新人君がどう考えているか。そして今後どうしていきたいのか…

 （（マジかこいつ…　））

一ヶ月近く休んでいて内科に行って吐き気止めを貰っただけ…だと？

…と、この時は愕然として呆れていたのだが、後日色んな人に聞いてみると鬱（じゃないかもしれないが）の時はとにかく何も出来ないのだそうだ。筋道だって物事を考えられないし、たとえ考えられたとしてもそれをしようとは思わない。というより出来ない。

…らしいのだが、このときの僕はそんな事は知らずただただ目の前の男に呆れるばかりで…、というより鬱なら鬱で余計に精神科に行ってもらわなければならないだろうよ。

LINEの返信もそうだが、何もかも行動が遅すぎる。仕事のできないやつは返信が遅いと誰かが言っていたが正しく今それを…　と、話が逸れた。

僕としては相当気を使ってオブラートに言ったつもりであるが、もうこういう精神的な事は何をつついてもやぶ蛇になりそうで怖い。自分を諫める意味でも後々の事を考えて実はこの場の会話は全部ICレコーダーに録音しているが、かろうじてそのおかげで平静を保てている感じはある。

淡々と、淡々と…　そういえば新人君、話してる感じ全然鬱っぽくないんだよな。そもそも鬱の人の声色がどうとか一切わからないけど、思ったより全然しっかり話すし以前とあまり変わった様子が見られない。

その彼なりの自己分析がこうだ。

長くなるので続く！！